どうも、ren.です。
時ならぬ雨の一日。
● 「黒と誠 ~本の雑誌を創った男たち~ 1巻」 カミムラ晋作 双葉社
「本の雑誌」。
昔は書店の片隅に置かれる知る人ぞ知る書評雑誌でした。
私も一時期定期購読していましたよ。
この雑誌を創刊したのは、SF作家であり紀行文、私小説、時には映画監督として名をはせた椎名誠の若かりし頃。
その破天荒な青年期については彼の小説に詳しいですが、デパート向け業界紙の編集長をしていた時期で、ある男との出会いがきっかけでした。
男の名は目黒考二。
椎名誠のいう"活字中毒者"の典型というべき怪人。
後に椎名さんがリーダーを務めた野営自炊集団"東日本なんでもケトばす会"では、かまど番となる男(w
彼の私的な書評が書かれた手紙を端に発し、同人誌として発行された「本の雑誌」は椎名・目黒両氏の飛び込み営業によって販路を拡大し、やがて「本の雑誌社」へと拡大していきます。
1巻ではそんな「本の雑誌」創刊号が印刷されるまでの、椎名さんと目黒さんの出会いが描かれています。
天性のリーダーシップで人好きする(喧嘩っ早いけど)椎名さん。
読書時間が無くなると繰り返し就職した会社を3日で退職する目黒さん。
この凸凹コンビがなぜかうまくいく姿が面白い。
また、「本の雑誌」を始め椎名さんの本の挿絵を務めている"元祖ヘタウマ"イラストレーターの沢野ひとしさんも登場。
この人は昔から変わっていないんだなぁ。
今も変わらぬ、あのままの絵を描き続けられているのがすごい。