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マイナーゲーの夕べ その7 「蒼天の白き神の座(くら)」

2006年10月24日 17時42分39秒 | └マイナーゲーの夕べ
昨夜から急速に体調を崩したren.です。
久々に「キリキリキリ……」というお腹の痛みを味わいました。その後は熱が上がったり、頭痛が始まったり散々で、今日は一日寝て過ごす羽目になりました。


さて、隙間企画として始めた「マイナーゲーの夕べ」も7回目。
せっかくなので、ここまでのものは、カテゴリーを作ってまとめました。一部はタイトルを変更して、ここに入れておきます。

では、今回のお題はこちらです。

※10/24追記
有志の方によって、各山の紹介ムービーをDivXで上げてもらいました。下記▲にリンクさせてあります。

 ● 「蒼天の白き神の座(くら)」
        プレイステーション(1998) S.C.E/パンドラボックス


1925年から鎖国体制をとっていたウルムンド共和国。
この国が国際社会に復帰したとき、何より喜んだのは世界中のアルピニスト達だった。
ここには、未踏峰の山々<カムコルス山脈>が存在したのだ。

こんなバックストーリーのこのゲームは、コンシューマーゲーム機では唯一といっていい「山岳登山シミュレーション」です。
他に「ロッククライミングSIM」や「登山RPG」なんてものもありますが、それとは一線を隔したゲームです。

まずは、こちらのオープニングをご覧ください。

ちなみに、最初の偉人(架空)の紹介には3種類ありまして、これが心を奮わせます。

このオープニングでも判るとおり、ゲーム中の画像・動画は、イベントの雪崩の迫ってくる映像はもちろん、隊員達の顔写真まで、ほとんどが実写によるものです。
本物のヒマラヤ登山隊の映像、オリオンプレスの写真、そしてスタッフがスキー場やビル屋上で撮ったもの等(w
このゲームをやると、CGムービーの"嘘っぽさ"を痛感します。やはり、現実に勝る"リアル"はないのです。


ゲームをスタートすると、渋~いムービーをバックに、前登山隊隊長の挫折のストーリーが流れます。
これでこのゲームのテーマは判るはず。それは「撤退する勇気を持つこと」。それについては、あとで説明しましょう。

ゲームはまず、登山隊の隊員を集めることから始まります。
ペーペーの初心者であるEから、世界的アルピニストレベルのSSS。そして伝説的登山家を表すG(グレート)までの実力の持ち主が、100人以上います。実際にはそのうちの25人が、登山隊としてカムコルス山脈に向かうことになります。

次に、どの山のどの壁面を攻略するか計画を決め、それに沿った物資を調達します。
山は次の5つで、各5方向から攻略します。

  マヌーツェ 標高7128m
カムコルス5山の中では一番低い山で、ここから攻略していくのが普通。ただし、舐めてかかると痛い目にあいます。

  ダウラチェンリ 標高7636m
通称「大鷲の爪痕」と呼ばれる巨大な溝を持つ北壁を有する山。ここも比較的登りやすい山です。

  カンガプルナ 標高8021m
その美しさは「魔物の昇炎」「ルビーに縁取られた高貴なる王冠」と呼ばれるが、「白いサソリ」と呼ばれる雪崩の多い2叉の斜面がある山。

  シシャカンリ 標高8482m
「白い悪魔」と呼ばれる危険峰。説明ムービーのかっこよさは特筆モノです。

  K-0 ニコノサ 標高8955m
山岳地形の常識を覆す、新たな世界最高峰。ここを征服することが、このゲームの最終地点ともいえます。


さて、ウルムンド共和国に入国して(ここのムービーもかっこいい)、山の麓にBC(ベースキャンプ)を張ったら活動開始です。

まず、隊員の実力を考えて、いくつかのチームに分けます。登頂へのルートを探索する隊、そのルートの安全を確保する隊、途中にテントを張り、そこに物資を運ぶ隊……この運用をリアルタイムで行うことが、このゲームのほとんどです。

始めはたくさんのコマンドに戸惑いますが、やることは次第に固定されてきます。まずは説明書のチュートリアル通りやってみるのがいいでしょう。
ゲーム中いつでもヘルプを参照できるのも便利で、登山道具の一つ一つまでが画像つきで紹介されている、ちょっとした登山百科事典ですよ。

隊のメンバーは、作業を続けると次第に疲れていきます。
さらに、山は危険がいっぱいです。急な天候の変化、落石や滑落での怪我、雪崩、高山病、凍傷……メンバーがいとも簡単に命を落とすのも、このゲームならではです。

ここで、スタートムービーの「撤退する勇気と決断」という教訓が生きてきます。

隊員を死なせるような隊長は失格です。たとえゲームとはいえ、人の死というファクターは、気持ちのいい物ではありません。隊の歴史にも、しっかりと刻まれるようになっています。

そうならないように、隊員の状態を確かめ、風力や積雪量を考慮し、時に作業を急がせ、時には全休にしておいしいものを食べる。間違いなく、山も隊員も、このゲームの中では生きているのです。

それでもゲーム中には、どうしても不幸な事故が起きてしまうのですが……。

実は、このゲームに協力した有名登山家が、ゲームの発売を待たずに、山で亡くなられていて、それがオープニングで告知されています。そういうメッセージも含んだゲームなのですよ、これは。


さて、登頂へのルートを確保したら、いよいよアタック隊を組織します。アタック命令を出すと曲も変わり、緊張感がいやおうなく増します。

そして……

「ベースキャンプ、ベースキャンプ……ただいま頂上に到着しました……本当に、ありがとうございました」

嗚咽交じりの無線が、ムービーつきで紹介されます。この瞬間、そこまでの苦難を忘れ、思わずもらい泣きしてしまいますよ。

その後、計画期間中に出来るだけ多くのメンバーに登頂をさせ、廃物をなるべく出さずに帰還すれば、隊長としてのランクが上がります。目指すのは至高の称号フェニックスです。


どちらかというとマゾゲーと云われるこのゲーム。しかし、リアルタイムSIMとしての完成度は、かなりのものです。それは、ゲームファン以上に、本当のアルピニストがこのゲームを推していることで解ります。

その完成度から続編がなかなかでないのか、と思ったら……パンドラボックスって、会社が無くなっちゃってたのね。いいゲームいっぱい出していたんだけれどなぁ。

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4 コメント

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すげえ! (KATO軍曹)
2006-10-14 11:37:28
スゲエゲームだ!

FFなんて目じゃねえぜ!
返信する
Unknown (ren.)
2006-10-14 12:13:04
ゲオでちょくちょく見ますんで、サルベージしてやってくださいな。
返信する
Unknown (きら)
2006-10-28 05:42:15
このゲーム好きです。

いまだにやってます。PSPででないかなあ
返信する
Unknown (ren.)
2006-10-28 15:32:21
DSのペンでルート設定とかも面白そうですよね。でも、携帯ゲーム機の画面じゃ、ステータスの小さな文字は見えなくなりそう。



このゲームは続編や模倣どころか、同じジャンルのゲームを見ないっていうことは、それだけ完成度が高いのか、マイナーすぎたのか……後者ですわな(w
返信する

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