川辺川ダムを中止し、荒瀬川ダムの撤去が進み、「ダムに頼らない治水」の最先端を走る熊本県で、さる4月5、6日に「脱・基本高水研究会」が開かれ、「基本高水」という虚構の数値を前提とした国の治水計画の呪縛からの脱却を目指す内容の川辺川アピールが採択されたそうです。下記に、八ッ場あしたの会のホームページより全文を転載させていただきます。このアピールの主張に全面的に賛同いたします。
基本高水という数字、国交省の側は「河川の憲法」であるかのように言ってきましたが、業界にとっては「ダムを造る打ち出の小槌」であり、納税者から見れば「税金を吸い込むブラックホール」でした。生きた川を排水路のように見立て、豊かな川の生態系を破壊する元凶でした。
この数字を取り上げると、「神学論争」「こんな数字どうでもいい」「生産的な議論にならない」などと言われ、批判もされてきました。しかし、現行の法体系はこの数字を根拠にダム計画を立案し、住民が裁判に訴えても行政はこの数字を根拠にダムの正当性を主張します。
ゆえに「神学論争」を終わらせ、基本高水による呪縛のない、新しい治水を目指すためには、やはりこの数字が非科学的きわまりない方法で算出され、事実無根であることを立証しなければなりませんでした。そして、全国の多くの人々の努力によって、「基本高水」が恣意的に算出された虚構の数値であることが、ようやく明らかになってきたと思います。
***以下、転載**********
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1910
脱ダムを目指す全国の住民運動の前に立ちはだかるのが「基本高水」をもととした治水計画です。
河川の治水計画やダム事業を検証する場合、国土交通省は住民が理解しにくいように専門的な議論に持ち込みたがります。そのもとになっているのが「基本高水」の考え方です。しかし、「基本高水」の数値は国土交通省がダムを建設するために恣意的に決めたものでしかないことが長年の国とのやり取りの中で明らかになりました。いくら議論しようが、国は自らが決めた「基本高水」に固執します。雨量から単純に洪水流量を求めることには限界があります。このような「基本高水」の数値が科学的ではないことを見抜くまでに、多くの時間と労力を必要としました。
「基本高水」による治水の考え方は、ある一定の大きさ以下の洪水だけを対象としています。洪水を河川に封じ込めるのが「基本高水」の考え方です。想定以上の雨や洪水が発生した時には水害被害を拡大させる可能性があります。
「基本高水」に基づくこれまでの治水は、多くのダムで川を丸ごと破壊し、川を水路化し、豊かな生態系を消失させました。
これからは、いかなる大きさの洪水も対象とする治水に変えていく必要があります。洪水を流域で受け止めることが求められます。いま必要なことは、これまでの洪水被害を検証し、水害被災者の声を聞き、実現可能な治水対策を積み上げていくことです。
脱基本高水の取り組みは、河川法の改正を求める取り組みでもあります。私たちは、「基本高水」にとらわれない治水を検討するために脱「基本高水治水」研究会を開催しました。今後さらに検討を重ね、その考え方を全国に発信します。
基本高水という数字、国交省の側は「河川の憲法」であるかのように言ってきましたが、業界にとっては「ダムを造る打ち出の小槌」であり、納税者から見れば「税金を吸い込むブラックホール」でした。生きた川を排水路のように見立て、豊かな川の生態系を破壊する元凶でした。
この数字を取り上げると、「神学論争」「こんな数字どうでもいい」「生産的な議論にならない」などと言われ、批判もされてきました。しかし、現行の法体系はこの数字を根拠にダム計画を立案し、住民が裁判に訴えても行政はこの数字を根拠にダムの正当性を主張します。
ゆえに「神学論争」を終わらせ、基本高水による呪縛のない、新しい治水を目指すためには、やはりこの数字が非科学的きわまりない方法で算出され、事実無根であることを立証しなければなりませんでした。そして、全国の多くの人々の努力によって、「基本高水」が恣意的に算出された虚構の数値であることが、ようやく明らかになってきたと思います。
***以下、転載**********
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1910
川辺川アピール 脱「基本高水治水」
脱ダムを目指す全国の住民運動の前に立ちはだかるのが「基本高水」をもととした治水計画です。
河川の治水計画やダム事業を検証する場合、国土交通省は住民が理解しにくいように専門的な議論に持ち込みたがります。そのもとになっているのが「基本高水」の考え方です。しかし、「基本高水」の数値は国土交通省がダムを建設するために恣意的に決めたものでしかないことが長年の国とのやり取りの中で明らかになりました。いくら議論しようが、国は自らが決めた「基本高水」に固執します。雨量から単純に洪水流量を求めることには限界があります。このような「基本高水」の数値が科学的ではないことを見抜くまでに、多くの時間と労力を必要としました。
「基本高水」による治水の考え方は、ある一定の大きさ以下の洪水だけを対象としています。洪水を河川に封じ込めるのが「基本高水」の考え方です。想定以上の雨や洪水が発生した時には水害被害を拡大させる可能性があります。
「基本高水」に基づくこれまでの治水は、多くのダムで川を丸ごと破壊し、川を水路化し、豊かな生態系を消失させました。
これからは、いかなる大きさの洪水も対象とする治水に変えていく必要があります。洪水を流域で受け止めることが求められます。いま必要なことは、これまでの洪水被害を検証し、水害被災者の声を聞き、実現可能な治水対策を積み上げていくことです。
脱基本高水の取り組みは、河川法の改正を求める取り組みでもあります。私たちは、「基本高水」にとらわれない治水を検討するために脱「基本高水治水」研究会を開催しました。今後さらに検討を重ね、その考え方を全国に発信します。
2013年4月7日
第1回 脱「基本高水治水」研究会 参加者一同
主催:清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会
第1回 脱「基本高水治水」研究会 参加者一同
主催:清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会