代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

アベノミクスの金融緩和はTPP交渉をとん挫に追い込む?

2015年01月24日 | Stop! TPP
 本日「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の設立総会に参加してきた。現在、TPP違憲訴訟の会の会員は2400人、訴訟の原告は700人とのこと。会員1万人を目指しています。皆さんふるって参加しましょう。以下のTPP違憲訴訟の会のサイトからだれでも会員/原告になれます。会費は年2000円です。原告は敷居が高いという方でも、会員になってくださると幸いです。

 TPP交渉差止・違憲訴訟の会のHP
 http://tpphantai.com/

 前例のない訴訟に挑もうとしているが、原告弁護団は、「グローバル資本に対抗する新たな法理論を構築する」と意気込んでいる。

 とにかく状況は逼迫している。オバマが任期中の「成果」としてTPPの成立を急いでいるため、最悪の場合、3月に閣僚会議が開かれて大筋合意、5月には調印という可能性もあるという。

 
 総会に先立って、『異常な契約 ―TPPの仮面を剥ぐ』(農文協)の著者として知られるジェーン・ケルシー教授の講演があった。ケルシー教授の講演はIWJがustreamで公開して下さっている。以下のサイト。ぜひご視聴を。


IWJのケルシー教授の動画
 http://www.ustream.tv/recorded/57929137?utm_campaign


 切迫した状況の中で、いくつかよいニュースはもたられた。民主党も共和党の茶会系の右派もオバマがTPP交渉でファストトラック(条約を早く成立させるため議会が交渉権限を大統領に一任すること)を得ることには反対している。オバマは、ファストトラックを得ることはできないだろうと。議員すら草案を見ることができないというTPP交渉の秘密主義には、さすがに下院議員が怒っている。オバマがファストトラックを得られないというのは、よいニュースだ。


 他にも、非常に重要な情報がケルシー教授からもたらされた。TPPで、日本の「為替操作(currency manipulation)」が大きな問題になっていると。アベノミクスの金融緩和で、「日本は意図的に円安誘導して、米国の製造業に打撃を与える」と、米国の製造業界が怒っている。「TPPには為替操作を禁止する条項を加えるべきだ」と。その条項が加えられないなら、TPPそのものに反対だと。つまり日本が異次元の金融緩和を続ける限り、TPPには参加できなくなる。安倍政権としては金融緩和を取るかTPPを取るかの選択を迫られる。日本が円安誘導の為替操作をすれば、アメリカは対抗措置として報復関税まで示唆している。これも交渉がさらに難しくなる要素になる。これもよいニュースだ。


 この「為替操作」に関する話は、上記のIWJの動画の51分30秒くらいのところから視聴できる。ぜひ視聴されたい。

 
 あと上記のIWJの動画で、皆さんに是非見ていただきたいのが、ゲストとして参加された衆議院議員の亀井静香さんのスピーチである。会場で亀井節を聴いていて、私は涙が出てきた。亀井さんのスピーチは1時間32分30秒くらいのところから始まります。
 
 亀井さん曰く、今度の選挙で地元に帰って、開口一番に言ったこと。「現政権は時代劇の悪代官でもやらないことをやりまくっている。これは、じっとしてられない。みんな一揆をやるぞ! 俺が一揆の総大将だ」と。沖縄の乱、佐賀の乱、全国津々浦々で一揆が起きている・・・・と。しかし残念ながら国民の多くは生体反応も起こさなくなっている。五寸釘を打たれても、これは針治療ですなんて言われて、「ああそうですか。そのうち効いてくるんですかね」なんて騙されていると。この一揆をやり終えるまで、私の人生は終われない、と。
 
 皆さん、亀井さんに続きましょう!

 
 
 
 
 
 

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9 コメント

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一度批判したらまとわりつかれて関さんの分身と思い込まれました。 (ソクラテス太郎)
2015-01-28 16:52:03
菅原晃という人は、高校教師にしては平日の朝からくりかえし人のブログにコメント書き込んだり、メンションツイート飛ばしてきたり、人格を疑わざるを得ません。
こんな人を教師として雇用する北海道も大変ですね。
主流派経済学に対する批判の記事、読ませて頂きました。
勉強になりました。
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はじめまして ()
2015-01-29 01:57:31
ソクラテス太郎様

 はじめまして。今回の事件を通して、はじめてソクラテス太郎さんのブログを知りました。すばらしいブログに敬意を表します。
 勝手に勘違いしたにしては、ソクラテス太郎さんにあまりにも迷惑な話ですね。本当に困った方です。
 人と対話する最低限のマナーもわきまえない方は、相手にしないのがよろしいのではないかと思います。
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Unknown (12434)
2015-01-30 19:44:11
>管理人様、ソクラテス太郎様
どう考えても菅原氏が勘違いしてお二人に迷惑をかけたのは事実でしょうね。
http://nomorepropaganda.blog39.fc2.com/?mode=m&no=1465&m2=res&cr=eb6084454a92daf09b744770cb7f0731

http://nomorepropaganda.blog39.fc2.com/?mode=m&no=1471&m2=res&cr=eb6084454a92daf09b744770cb7f0731

名前も同じ、コメントの内容も同じのが書かれています。これを再三指摘しているのに、「なんのわからない」ですませるつもりなんでしょう。
今までのコメント全部削除されて書き込み禁止になっても文句いえませんよ。厳しい人ならそうします。それぐらい態度が悪い。
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12434さま ()
2015-01-31 01:30:26
>今までのコメント全部削除されて書き込み禁止になっても文句いえませんよ。

 菅原さんのコメント、ミクロ経済学の教科書で洗脳されると、いかに現実世界と異なることを信じこむようになるのかという、非常によい事例でした。書き込み禁止とかコメント削除なんてもったいないことです。

 皆様と菅原さんの議論は、現実からものを考えようとしている人々と、経済学の教科書に書いてあることを丸呑みにした上でものを考えている人との間で、いかに見える世界が異なるのかを示すよいデータと思います。あの一連の議論は、永久保存の価値ありかと。
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Unknown (12434)
2015-01-31 17:44:34
>関さん

一応いっておきますが、そうした措置を頼むつもりはないです。しかし、経済学出身の人間でないとわからない気持ちだと思いますが、あんな有り様を見るのは正直辛いです。
いや、いろんな意見があるのは仕方ないです。私がいたゼミの教授も、「私は農業を守っていくべきだと思うが、別に日本に農業はいらないという趣旨の卒論書いてもいいよ」といってたくらいですから。

だから、ある程度は私もそれを受け入れるべきでしょう。自分の意見が常に正しいわけでもないですし。しかし、あの方はあきらかに独善的過ぎます。現場から離れている人たちの意見が不要だとはいいませんが、あまりにも一方的です。

インドの事例についても、受け入れにくかったです。その辺の歴史学についてはあまり詳しくはないです。しかし、あれを「単なる思い込みだ」と断言できるものでしょうか?
新古典派の伊藤元重は、市場の自由化による淘汰を肯定した上で、それによる農家の被害の甚大さや補償について、ある程度理解しています(建前的な意味もあるでしょうけど)。インドの木綿職工の失業に、そのような側面がなかったと“断言”できるのでしょうか?

歴史の教材等には、自由貿易が原因でそうなったように書かれていたりもしますけど。歴史学者には、そう主張する方が多いのでは?
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ピグマリオン症患者の思考法 ()
2015-01-31 21:30:45
12434さま

>インドの木綿職工の失業に、そのような側面がなかったと“断言”できるのでしょうか?

 みなさま周知の通り、18世紀前半のインドは綿織物の輸出国で繁栄していましたが、産業革命後に綿製品輸出国の地位をイギリスに奪われ、インドは製品としての綿織物ではなく原料綿花の輸出国にされてしまいました。その結果、インドは失業者とあふれかえって、困窮化し、植民地にされました。これは歴史的事実です。

 常識で考えれば、完成品である綿製品の輸出国は儲かり、原料の綿花輸出国の方はそんなに儲かりません。交易開始以前よりも逆に損をする場合すらあります。歴史的事実もそうですし、いまの現実でもそうです。歴史学者もふつうにそう考えています。

 ところが、菅原さんときたら、「交易は全ての人々をより豊かにする」というマンキューの第5原理なるものが「原理」であり、絶対的に正しいというわけです。

 自由貿易開始後にインドが困窮した事例に関しては、さすがに菅原さんも困ったようで、イギリス側がインドの木綿職工の「手を切断した例」などをあげ、あれは収奪であり、「自由貿易ではなかった」と言いたいようですね。

 いかなる反証事例も、「本来の自由貿易ではなかったのだ」と説明されて逃げられてしまいます。マンキューの原理の方が間違っているのでは? とは決して考えない。まさに原理主義です・・・。
 
 私の本では、新古典派の教科書では決して言及されることのない、「消し去られた」経済学者であるフランク・グレーアムの説を引用しながら、綿工業は収穫逓増産業であり、綿花は収穫逓減の農産物であること、から、交易をしていけば、次第に前者はより儲かるようになるが、後者は逆に損をするということを説明しました。
  
 こちらが「事実を見なさい」と言ってみても、菅原さんは歴史的事実ではなく、マンキューの教科書を引用しながら、「教科書にこう書いてある。現実を見なさい」と言うのですから、お話しになりません。まさにバーチャル世界が、現実世界に優越するというピグマリオン症の症状です。
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Unknown (12434)
2015-02-02 22:25:01
現時点でいえるのは、菅原さんは凄まじいツンデレおじさまだということです。やたら我々と話すのが時間の無駄というくせして、ずっとこのブログに居座るのだから、あきらかにあれはツンデレです。

わがままで高飛車な年下の女の子のようなものだと思ってもいいでしょう。そう思うと、ソクラテス太郎氏の勘違いやマンキューの誤訳についてしらばっくれているのも、ツンデレゆえなのでしょう。
それに案外本人は、そういわれるのが好きなのかもしれません。
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Unknown (12434)
2015-03-15 07:32:03
私のせいで、例の記事を削除せざるを得ないことになってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
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記事を消したのは私ではありません ()
2015-03-26 16:06:04
12434さま、皆様

 この間、一身上の都合により、ブログを放置させていただいておりました。ご心配をおかけいたしました。

 「新古典派経済学が科学を冒涜している理由」という例の記事がいつの間にか閲覧停止になっているのを、私も数日前に知りました。

 あの記事を消したのは私ではありません。どなたかが、コメント欄でのやり取りを「名誉棄損」ないし「プライバシー侵害」に当たるとgooの事務局に申し立て、goo事務局が閲覧停止にしたようです。

 申し立てたのが12434さんでないのでしたら、あの方が申し立てたのかもしれません。

 私も、gooの事務局に問い合わせておりました。
 それは皆様の大切な母校に対して、まったくの虚偽情報を書いて名誉を棄損した人物のIPアドレスを教えてほしいとい依頼でした。あの名誉棄損の書き込みを行ったのが、12434さんが疑っている人物と同一人物であるかどうか確認したいと考えました。

 12434さんが書き込んだことも問題があったと思います。しかし先に12434さんの名誉を棄損し、傷つけたのはあの方です。その責任は取っていただきたいと考えました。

 あの方が知らぬ存ぜぬで、「立証するのはあなたの責任」といった書き込みをしていたので、goo事務局に問い合わせました。

 プロバイダ責任制限法に基づき、以下の発信者情報開示関係書式に記入し、発信者情報の開示を請求する必要があるとの回答でした。この場合、名誉を傷つけられたのは12434さんですので、12434さんが開示請求する必要があるようです。

・「発信者情報開示関係書式(PDF)」
http://www.isplaw.jp/d_form.pdf

 虚偽情報により、皆様の母校の名誉が傷つけられました。12434さんの心にも大きな傷を負わせる結果になってしまいました。ブログ管理者である私が即刻削除したにもかかわらず、再度書き込んできたのですから、確信犯です。
 12434さんにおかれましては、発信者情報の開示請求を検討してみてください。あの記事は閲覧停止になっているだけで、まだ残っていますので、goo事務局は対応可能です。
 
 菅原さんは、ソクラテス太郎さんと私を同一人物だと主張し、私がまったく身に覚えのない虚偽情報もネット上に書き散らして、私の名誉も毀損しています。本人は「なんのことかわからない」ですませるつもりのようで、謝罪もありません。
 
 私は言論の自由は尊重せねばと考え、あからさまなプライバシーの侵害や名誉を棄損する書き込み以外は削除もしないで対応してきました。菅原さんは、虚偽情報によって他人の名誉を平然と傷つけ、削除しても繰り返すので、手に負えません。

 菅原さんを出入り禁止にして、今後、何を書き込んできても削除で対応させていただきます。ハンドルネームを変えても彼の書き込みかどうかはすぐにわかりますから、同じく削除で対応させていただきます。

 「悪貨は良貨を駆逐する」ではないですが、あのような愚劣な書き込みによって、良質な読者の方々がこのブログの討論空間から去っていかれてしまうのでは耐えられないので、菅原さんを出入り禁止にします。
 ですので12434さんにおかれましては、今後もこのブログの討論に参加し続けてくださりたくお願いいたします。
 12434さまならびに読者の皆様にはご迷惑をおかけしました。
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