代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

2018年大河は西郷隆盛 ―これまでの歴史観の見なおしを

2016年09月04日 | 歴史
 明治維新150周年である2018年大河ドラマは「西郷隆盛」に決まったと報道された。

 事前には、外国人主役でアーネスト・サトウは?、五代友厚なら「あさが来た」の視聴者をそのまま獲得できて視聴率アップ間違いなし・・・・など、さまざまな噂も飛び交っていたが、NHKは変化球を投げてくることなく、日本史上もっともメジャーな人物を主人公にすることによって王道ともいえる路線を採用したわけだ。

 しかし明治維新150年に際して、従来のステレオタイプな歴史観の見なおしが求められていることも明らかであろう。昨今、維新の闇を描き出す本の方がよく売れ、従来の明治維新正統史観に沿った本は売れなくなっていることを見ても、それは明らかであろう。
 
私としては、これまでドラマで一度も登場したことのない赤松小三郎の初登場を願うばかりである。 
 「八重の桜」では、山本覚馬の友人であった赤松小三郎が登場する必然性は高かったが、残念ながら赤松訳の『英国歩兵練法』がドラマでチラッと登場したのみであった。

 「幕末」における薩摩と京都の政局を描くのであれば、本来、赤松小三郎は外せない登場人物である。しかし登場させることはタブーに等しかった。明治維新のあまりにもダークな側面が明らかになってしまうからである。相楽総三と赤報隊なども、ドラマで登場すべき人物群であると思うが、同様な理由で幕末ドラマに登場することはなかった。
  
 この際、ドラマの中に、赤松小三郎や相楽総三など、従来、描くことがアンタッチャブルであったような人物たちも登場させるべきであろう。そちらの方が時代の要請に応える作品になることであろう。主人公は、清濁併せのむダークヒーロー「西郷隆盛」でよいだろう。主人公を、無理に補正して清廉潔白に描く必要はないと思う。
 



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