代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

放牧するモンゴル民族の少年

2008年02月18日 | 中国山村報告
 前の記事の続きです。ここは退耕還草政策の対象になっていないモンゴル民族のガチャの写真です。写真は、少年が山羊を柵の中に追い込んでいるところです。この時の気温は零下20度! わずか7―8歳の少年が、この寒さの中で働くんだからすごいよなーとホトホト感心しながら、私自身は寒さでブルブルふるえながら撮った写真です。  この少年を見ていたら、ふと「アルプスの少女ハイジ」に出てくるペーターを思い出してしまい . . . 本文を読む

乳牛合作社

2008年02月18日 | 中国山村報告
 前の記事の続きです。退牧還草によって、非常に収益性の高かったカシミヤ生産がほぼ壊滅する中で、代替産業は何か?   これはNGOと政府が支援して、ガチャ(モンゴル語で「村」の意味)の住民が共同出資して合作社方式で乳牛飼育場と搾乳場をつくった事例です。  賀蘭山で放牧していたのは、モンゴル民族よりもむしろ後から入植してきた漢民族の方が多かったそうです。このガチャの住民は漢民族の方が多数でした。   . . . 本文を読む

厳寒の中の野菜栽培

2008年02月18日 | 中国山村報告
 前の記事の続きです。中国政府の退牧還草政策で、カシミヤ生産がダメになった後、どのような生業戦略があり得るのか。牧民の側も禁牧という条件に適応しようと必死ですし、政府もNGOもいろいろと試みています。  これはNGOの支援による温室での野菜栽培の試みです。この写真を撮ったとき外気温は零下15度でしたが、温室の中は30度近くあり、チンゲン菜が青々と栽培されていました。  温室の右には太陽熱温水器 . . . 本文を読む

賀蘭山脈の退牧還草

2008年02月18日 | 中国山村報告
 前の記事の続きです。何の調査をしてきたかというと、中国政府が砂漠化対策として進める「退牧還草」についてです。どんな政策かは、字を見ればだいたい想像ができますね。そう、「放牧地を退けて草原に還す」という政策なのです。  写真は内モンゴル自治区の阿拉善(アラシャ)左旗にある、賀蘭山脈の写真です。この山脈は過放牧で砂漠化が進行していたため、中国政府は1999年から段階的に放牧を禁止していき、2003 . . . 本文を読む

寧夏と内モンゴルの境界の万里の長城

2008年02月18日 | 中国山村報告
 しばらく中国の内モンゴル自治区で、砂漠化対策に関する調査に行っていました。私は内モンゴルを訪れたのは、これが初めてですので、非常に面白かったです(寒かったですが)。留守のあいだたくさんコメントをいただきありがとうございました。  私の下手な写真で恐縮ですが、例によって、調査時に撮影した写真展を開きたいと思います。  これは寧夏回族自治区と内モンゴル自治区の境界の写真です。二つの自治区の境界は何で . . . 本文を読む