おなら吾郎の唄
湊かなえさんの小説の真骨頂 一人称がころころ変わります。
そして、小骨がひっかかるようなもどかしさ、
“同じものでも、どこから見るかによって、違って見える。
人と人も同じ。自分の勝手な思い込みで、相手が、まったく違って見えてしまう。”
読み進めるうちに、小骨はますます 厄介になっていきます。
湊さんの書くミステリのことを、
「イヤミス」と、いうんですね。
結末の後味が最悪で、読んだ後にイヤな気分になる。
2016年5月20日 初版1刷発行
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表帯】
湊かなえ原点回帰! 人の心の裏の裏まで描き出す極上のイヤミス6編!!
私はあなたの奴隷じゃない! 母と娘。姉と妹。男と女--。ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末。あなたのまわりにもきっといる、愛しい愚か者たちが織りなすミステリー。さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!!
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内容(「BOOK」データベースより)】
女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが…。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く(「ポイズンドーター」)。呆然、驚愕、爽快、感動―さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!
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目次】
マイディアレスト
ベストフレンド
罪深き女
ポイズンドーター
ホーリーマザー
一編 一編から伝わる ぞわぞわ感 半端ないです。
イヤミスファンにはたまらない短編集です。
装丁はなに?赤くながれる物体。
しかもタイトルは、ポイズンドーター 毒娘? ホーリーマザー 聖なる母親?
もう、すべての物語のイヤミス感ったら、ないです。
え?あ?そう?え?
それから、湊かなえさんの作品を通して
ミスリードという言葉も知りました。
そう、ミスリードとは 読者を誤った解釈に誘導するような文章のこと。
たとえば 長所と短所があるときに、短所しか語らなかったり、長所しか語らないで相手の判断を誤らせるような行為や全体の一部分を拡大解釈して、全体に言えるような印象を読者に与えること。
やられて、しましました。
ミスリード。
湊かなえ作品に登場する もどかしく気持ちがすれ違う人間模様。
そう、人も神さまが操る人形だとしたら、
空で 操る神さまの手元 糸の操作
糸の引き具合を
神さまが 楽しんでおられるように
思えてなりません。
おなら吾郎 第4話です。
“荒れる学級とおなら吾郎”・・・
どうぞ観て
くださいね。
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