後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

底冷え

2008年01月15日 | Weblog
今夜の冷え方は尋常ではない
しかし考えてみればチョロイものかもしれない
小学校への通学路には、子供のための雪囲いがあった
吹雪での遭難に備えて大人たちが毎年作った
降り積もった雪が昼に少し解け
夜にまた表面が凍るので
雪の上を歩くことができた

家の前を流れる小川は
家の中に取り込んでいた
「川端(かばた)」である
おじさんの家では、家の外にも川端があった
鯉が泳いでいた
鍋釜や野菜を洗った
小川を跨いで、雪囲いを父が作っていた
そこに洗った赤カブラなどを差していた
とにかく、今以上に寒く冷たかった

道の整備のために2反ほどの田を掘り起こし
トロッコで土を運んでは道路にしていた
芥川龍之介の小説のように
毎日トロッコで遊んだ
10メートルも掘り起こした後の田に水が溜まり池になった
冬に表面が凍ったので近所のガキ共が載って遊んだ
もちろん不思議おじさんも一緒である
皆が一点に集まった途端、氷は裂けた
長方形の池なので短い縁に行けばよいのに
あるガキは、肘で氷を割りつつ長辺沿いに進んだ
もちろん(残念ながら)不思議おじさんではない
その後は、田に積んである藁を勝手に燃やして
暖をとりながら衣服を乾かした
(どうやって火をつけたのだろう?)

万葉時代には、琵琶湖の一部は凍ったらしい

毎日の通勤の後ろ歩きは寒い
陸上選手が着るような丈の長いコートを求めた
実は大阪はドブ池の萬●で買ってもらった
なんと3000円である
お陰で一日に2往復のひと時は暖かい
今朝は「変なおじさん」に出会った
早朝から詩吟を朗々と歌いながら歩いていた
まぁ不思議おじさんのほうが「変度」では勝ちである

10年以上も前だろうか
大阪と奈良県の境にある金剛山に
冬に一人登った
誰もいないと思っていたので
「津軽山唄」を思いきりの声で歌った
角を曲がったら、下山者に出会った
バツの悪いこと

遠方からもお見舞いのお客様がいらしてくださる
すでに復旧の鎚音が響いている
未曾有の大惨事は、写真でしかお見せできない
一様に、想像されていた以上の事態に驚かれる

支えてくださり、復興を期待していただいている皆様に
報いることができるのは、正直で真正面からのモノづくり
従業員全員で集まって確認した