後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

非日常

2008年01月14日 | Weblog
火事について思い起こしてみる
小学校の頃に同級生の女子(名前は忘れた)の家が燃えた
藁屋根だったのを鮮明に覚えている

高校に入学して2週間目
陸上競技部に入部して練習を終えて帰宅していた
鳴り響くサイレン 黒い煙が北に見える
自転車を漕ぎ続けてたどり着いたのは わが高校
自衛隊の戦車が出動して講堂への渡り廊下を砕いた
夕闇せまる春の暮色に オレンジ色の記憶が重なる
おかげで講堂だけが焼け残り、ベニヤで仕切った部屋で一年間勉強した

大学に入学してすぐ、剣道部、相撲部(当時はあったのだ! )などの
武道棟が焼けた
結婚して住んだ団地近くで工場が全焼した
最近では、3年ほど前に自宅近くの民家が燃えた

阪神大震災による火事は 現場は見ていない
物見遊山は不謹慎との思いが強く
現場に入るのは遅れた

今夜は、わずかに三日月が空にあった
それだけの光では 
不思議おじさんの通勤路は
闇の中に沈んでいて判然としない
恐る恐る 腰を引いて一歩ずつ歩く 
携帯の光を頼りに 田畑への転落を防ぐ
後ろ歩きどころではない
前に歩くことさえ覚束無い
これほどの闇は 都会では味わえない

非常時である
日常が断絶し
いつもと違う課題が山積している

日常は愛すべき平安を約束する
非日常は、曖昧な関係性を明白にする

暗闇の真っただ中を家路につく
遠くの街灯や家のの明かりが
わずかに道を照らすのが頼りだ

ご心配をおかけしたが
当面の事業計画も見通しがつき
農場も再建のめどが付きました
お心を寄せていただいた皆様に
深く感謝申し上げます