詠里庵ぶろぐ

詠里庵

大学教員はもっとヒマに

2012-05-12 01:32:58 | サイエンス
してあげなければならない、と、とある二つの研究会をハシゴして会った他大学の知人達や科学ジャーナリスト達と意気投合しました。

「何を言っているのだ。大学教員こそ一番自由じゃないか。もっと真面目にやってもらわなければ」という声が聞こえてきそうです。

いや、違います。その研究会でつくづく思ったのですが、世の中、年を重ねても100%研究に打ち込んでいる人がいます。そういう人は、その年でも若い人達に必ず刺激を与え続けている・・・とは限りませんが、逆は真なり(つまり年を重ねても若い人達に刺激を与え続けている人は、だいたい研究管理や研究行政を避けてほぼ100%研究している)と思います。

科学ジャーナリストさんも言います。「最近大学教員の人達はみんな忙殺されている。ウィークデーの日中連絡をとろうとしても会議だの面会中だのでつかまえられない。夜とかウェークエンドしか話せない。昔はこんなことはなかった」といいます。ああやっぱりほかの教員達も同じなんだ、と思いました。

いやほんと、真面目な話、未来が心配になります。研究行政やadministrationの人達は「教員は無限の時間を持っている」と思っているのではないかと思うほど次々といろいろなことを言って来ます。それもいつの間にかメールで。イギリスにいた若い頃「Phys. Rev. Bの厚みが年々加速度的に増している。単純に外挿すると、いずれ図書館に溜まる同誌の増加は光速度を超えてしまう。しかしそれは物理に反しない。最近のPhys. Rev. Bは情報量ゼロだから」という笑い話がありました。この話じゃないけれど、メールが溜まる速度が異常に速くて、あっという間に画面から上に消え去って行く。こんな状況で「送りましたよッ」と言われても辛いなあ。

(なんか似たような話を前に書いたような気もする)
コメント
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