新任研修

2007年10月18日 | 健康・病気
私は、警備会社に採用され、10月1日から新任研修を受けた。
その研修は会社の近くの**区民館の会議室で5日間行われた。
初めて警備員になる人は、30時間の新任研修を受けなければならない、
と警備業法に決まっているそうだ。
私の他に4人いた。

 警備業務実施の基本原則
 1 警備業法の制定について
 2 警備業実施の基本原則について
 3 施設管理権について
 警備業法の適正な実施に必要な法令
 ◎憲法
 ◎刑法
 警備業務対象施設における人又は車両の出入管理方法
 巡回業務の効果的方法について
 警備員としてのモラル、指導及び教育の重要性
 サービス業としての警備業
 警備員の求められる信頼感
 事故発生時における警察・消防機関への連絡
 応急の処置
 遺失物法
 基本姿勢と礼式
 事故防止

なんてことを朝から夕方まで講義を受けた。
一言でいうと眠たかった。ひたすら睡魔と闘った5日間でした。

日本で警備業者が初めて設立されたのは1962年のことで、
東京オリンピックや大阪万国博覧会で国民に認知されたという。
私もよく観ていたテレビ番組の「ザ・ガードマン」で
一般の人に警備員という仕事が知られたようです。

木曜日の研修が終わって外に出たときに、
「もしよろしかったら、これから食事でもしませんか?」
と私がみんなにいってみた。
この研修が終わったらもう会えないだろうし、
こうして一緒に研修を受けた“仲間”のことを少しでも知りたかった。
1人が用事があるといって帰ったので、残りの4人で地下鉄に乗った。
御徒町で降りた。私にとって久しぶりの御徒町だった。
27歳のとき勤めていた広告代理店のあったところだ。

アメ横の人混みの中を4人で歩き、ガード下の居酒屋に入った。
3人が中生(生ビール中ジョッキ)、1人がウーロン茶をたのんだ。
(そのあと私だけ、日本酒なんぞ飲んでしまいました)
つまみは、もつ焼きと煮込み、冷や奴などをオーダーした。

ウーロン茶の人は60歳、お酒が飲めない人だった。
自動車教習所の教官を40年間勤め、今年定年退職した。
しばらく遊んでいたが仕事でもしようと警備員を選んだ。
退職金はかなりもらって生活には困っていないという。
現在、銃刀法の免許の取得をしているところで、
免許が取れたら銃を買って猟をしたいということだった。
散弾銃のカタログなど見せてくれた。
散弾銃は安いもので50万円ほどすると話していた。
年金をもらっているので、月の収入が多いと困るといっていた。

あと2人は57と58歳の人だった。
58歳の人は独身だった。
以前は商社に勤めていて、中国などに2、3年駐在していたらしい。
上海のことに詳しかった。

57歳の人は1年前に会社が倒産した土木設計士だった。
職安を通して土木設計の会社に何社か応募したが、みな断られたという。
それで土木設計以外の会社に応募してもだめだった。
年齢不問と書いてあってもおれは絶対年齢で落とされたと憤っていた。
私とこのことで意気投合した。

その日都合がわるく来られなかった人は60歳で、
研修の休憩時間に私と外でタバコを吸っていろいろ話していた。
建具の会社を40年ほどやっていたが、
悪い業者から支払いをしてもらえなくなり、10年前に会社を閉め、
それからタクシードライバーやトラック運転手をしていたという。
日に15、6時間働いても月に13万ほどしかならないときもあり、
バカバカしくて運転手は辞めた、といっていた。

それにしても、私が一番若かったということがおかしかった。
これまでどちらかというと、私が一番年上だった。
今の世の中、警備員という仕事は、
中高年の吹きだまりなんだなとしみじみ思った。
コメント
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