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志ん生を聴きながら

2001年11月25日 | 演芸

毎週土曜日の深夜(日曜日のAM1:10)、
ラジオ深夜便では演芸を放送している。
落語が多いが、漫才、浪曲、講談もやる。
いつもはだいたい九想話を書いてる頃で、
ほとんど聴けないが、
昨日は、なんか“いい予感”がして、
早めに九想話を書き終えて、
簡単なストレッチをして、1時過ぎに蒲団に入った。
この、蒲団に体をもぐり込ませたときというのは、
なかなかいい心持ちですね。
おふくろは、小さい私によくいっていた。
「かあちゃんはァ、寝っときがァ、
 い~じばん(一番)幸せだァ」(茨城弁で)
今の私は、かあちゃんのこの言葉がよく分かる。
ふか~い言葉です(ドコガ…)。
昨夜の深夜便のアンカーは、加賀美さんだった。
このひとの声を聴くと、ほっとする。
そのやさしい声がいった。
「今日の演芸は、志ん生の落語です」
いや~、私はそれを聴いて蒲団の中で小躍りした。
「あなどろ」と「たいこばら」だった。
最初の「あなどろ」は穴に入った泥棒の話で、
私は初めて聴く噺だった。
江戸時代の庶民の大晦日のまくらから、
三両を工面するのに苦労してる男の話が始まった。
金に困ってる男の表情が目に見えるような
志ん生の話し方だった。
裏木戸が開いていた家に上がり込み、
宴会の終わった座敷で、
ひとり残った酒を飲んでいる男に、
その家の小さな子が来る。
これに話しかける男のようすがよかった。
志ん生も、小さかった志ん朝に
こんなふうに話しかけたのかな、
なんて思ってしまった。

「あなどろ」の最後のほうは、
寝てしまったのかあまり記憶がない。
「たいこばら」はほとんど夢の中。
惜しいことをした。


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厩火事

1999年01月13日 | 演芸

 昨夜も風邪のため、早めに寝た。
 会社では気が張っているため、なんとかもっているが、さすがに家に帰って
くると体をたてにしているのが辛い。
 ポケットラジオのイヤフォンを耳に入れ、トイレに行ってから洗面台で歯を
磨いていると、玉置宏(字に自信がない)の声がした。「あ、落語だ」と思っ
た。何曜日か忘れたが、9時半からNHKで「なんとか名人会」とかなんとか
いう番組をやっていた。去年は木曜日だったような…。山梨でよく聞いていた。
 いそいそと蒲団に入った。いつもは寝る前に、腕立て伏せ、背筋、腹筋、そ
れぞれ50回づつして蒲団にもぐり込むのだが、日曜からしていない。そんな
元気はない。
 ラジオを枕元に、ノイズが最小限になる角度に置く。なぜか私の家はNHK
の電波の入りが悪い。
 昨日は、古今亭志ん生だった。
 毎回きっちりと話す桂文楽の18番、「厩火事」を、今日は志ん生でお楽し
み下さい。というようなことを玉置はいった。
 早く寝たおかげで、志ん生が聞けるとは、風邪もわるくないな、と思った。
 チャチャチャンチャン、チャチャトテシャン、
 チャチャチャンチャン、チャチャトテシャン、
 あの志ん生の出囃子が、始まった。
 私は、敷き蒲団の上にゆったり体をあずけ、目をつぶり待った。
 頭のてっぺんの、10センチぐらい上から聞こえてくるような志ん生の声が
イヤフォンから聞こえてきた。
 私は、極楽でした。「厩火事」は、夫婦生活をしている人にとっては、ため
になる噺ですね。いや、噺をそんなふうに聞くことはない。楽しんで聞けばい
いですね。でも、やっぱり…、ためになる噺です。夫婦とはかぎりません。人
間はああいうこころもちで暮らさなけりゃいけませんね。


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