--- なぜヨーロッパのように大学無償化ができないのですか?
「財政的に大学の学費を出すまでのお金はないよね」
教育に対する公的支出は日本はOECD(経済協力開発機構)の加盟国中最低で、高等教育の家計負担の割合が大きい。お金がないのではなく、政府が税金を教育に使っていない。
--- 諸外国に比べて、教育にかけるお金が少なすぎます。
「だってみんな大学に行ったら、ブルーカラーの人がいなくなっちゃうでしょう」
--- ブルーカラーの給料や待遇を上げて、ブルーカラーに就きたい人が選ぶようにすればいいのではないでしょうか。介護職の人の低待遇が問題になっています。さらに国は、国の介護費用や医療費を減らそうとしています。
「もう国は面倒見きれないよ。家で見てもらうしかない。昔の日本はそうしていたんだ」
--- いま女性は外で働いています。介護で辞めざるを得ない人たちがいます。政府の女性活躍推進政策と逆行するのでは。
返事はなかった。
既得権益が守られ、経済的に恵まれていない人たちが這い上がることができない。格差を再生産する強固な仕組みはあまりに不公平だ。
(「いないことにされる私たち」/ 青木美希・著/ 「おわりに」より)
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こんな人間が、有識者として教育再生実行会議委員を務めている。こんな人たちを政治の場所から追放すれば、こんな政策は実行されなくなります。選挙なのです。自分の暮らしを向上させるのは選挙なのです。