写真はマンションの内覧会で撮りました。写した場所は、ベランダの壁に設置されているガス給湯器を下から見上げたところです。ここでガスを焚いて水をお湯に変え、お風呂などに供給します。水とガスは、玄関横に置かれたメーターボックスから、床下を通って、外壁を立ち上がり、壁に空けた穴から運ばれてきます。ここで作られたお湯は、また、外壁の穴から、床下を通って、お風呂などに運ばれて行きます。
ですので、写真で示したように、ガス管、給水管そして給湯管、3種類のパイプの入る穴が壁に空けられます。パイプが入った穴の周りは、しっかりと隙間がないようにコーキングされなければなりません。給湯器が上にありますので、雨は入りにくいところではありますが、パイプの表面の結露水、外気、虫などが入る可能性があります。従いまして、内覧会では、ベランダに出て、給湯器の下から覗いてみて、パイプの周りにしっかりとコーキングがされているかも確認下さい。(22)
写真は、マンションの内覧会の時のものです。この部屋のリビングには、エアコンが標準装備されています。ですので、エアコンも稼動させてみました。稼動させて暫くしましたら、エアコンの下部から水がこのように流れ出してきて、隣の住戸のバルコニーまで行ってしまいます。これでは、隣の人から苦情が来るでしょう。
この水は、エアコンのドレーンから流れ出てくるものです。ドレーン用の排水レールはあるのですが、排水溝への水勾配が不十分なので、レールの途中で床に流れ出してしまうのです。エアコンが標準装備されている場合には、エアコンのスイッチも入れてみて、ドレーン水がちゃんとレールに沿って、排水溝まで流れていくかも確認して下さい。(7103)
写真は、マンションの内覧会でバルコニーに設置されているエコキュートの室外機の下を撮ったものです。矢印部分をご覧になって頂きますと、排水口のホースの継ぎ目に水滴が付いているのが見えます。これは継ぎ目の処理が不十分なので漏水しているわけです。
エコキュートは大気の熱を吸収してお湯を作ります。エコキュートの中に冷媒を入れておき、それを大気に接しさせ、熱交換させるものです。冷媒は、大気と接し熱を吸収、その熱を水に伝えお湯にして、また、冷たくなって戻ってきます。
室外機の中では、このような熱交換がされていますので、大気の温度よりも冷たくなっている部分もあります。大気の温度よりも冷たいので、その部分で結露が生じてしまいます。そうして出来た結露水を逃がす為に、室外機の下には写真のような排水パイプが付いているわけです。この排水パイプの継ぎ目がちゃんと施工されていないので、継ぎ目から結露水がポタポタと落ち、バルコニーの床に流れ出してしまっています。排水パイプが本来の役目を果たせないのです。
内覧会に行きましたら、エコキュートやエアコンが設置されている場合には、スイッチをONにして、室外機の下も覗いて、このようなことが起きてないかもチェックして下さい。(981)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは玄関ドアの裏側のカギの部分です。玄関ドアに穴を開けて、カギを設置するわけですが、位置がしっかりと合っていないので、カギと穴との間で隙間が出来てしまっています。これでは、カギもガタツキますし、見栄えも良くないです。内覧会に行きましたら、細かいところですが、こういう箇所も確認して下さい。(6730)
私はマンション住まいで、管理組合の役員を20年以上担当してきています。長い間、理事会に関与して来た理由は、無駄な管理費は使いたくない、という意気込みからでした。役員は1年間の輪番制で、次から次と新しい考えが管理組合に導入されて良い点もありますが、一方では、継続的に管理に携わることが出来ず、管理業務や修繕工事について、どうしても管理会社の言いなりになってしまう欠点があると言えます。 また、最近は、どこのマンションでも住民が高齢化してきていまして、管理組合の運営も容易ではなくなってきています。
こうなりますと、管理会社任せにならざるを得ず、住民側に寄り添った管理が困難になって行くように思います。住民の中に専門知識がある人がいない、管理組合の役員は引き受けたくない、こういう状況が続くと、ますます、問題は広がって行きます。 私は、今までに、基本的には管理の質を低下させずに管理費の低減(月額14,300円から現在は8,800円へ)、長期修繕表の作成、小規模工事から大規模修繕まで、工事の見積引合書の作成・交渉・契約・工事監理などを行ってきました。
マンションを適切に維持管理して行き、且つ、管理費も削減する、このようなことはマンション管理の経験と専門の知識がないと極めて難しいと思います。マンション管理の質を上げたい、無駄な管理費はないか、修繕工事は適切か、このような点に関してご相談頂ければと思います。ご相談は無料ですので、お気軽にご連絡下さい。このブログに記載のある電話(090-7811-4765)でもメール(tykyb@agate.plala.or.jp)でも結構です。 尚、上の写真は私のマンションで最近行った屋根の防水工事で、工事監理を行いました。
写真はマンションの確認会で撮りました。これは24時間換気の部屋側の給気口です。吸気口ではなく、給気口と書きます。ここは、外壁に貫通した穴が開いていて、そこから外の空気が部屋の中に入ってきます。建材のホルムアルデヒド等に起因するシックハウスが社会問題となり、対策として、各居室に新鮮な空気を取り込むための給気口の設置が、2003年に建築基準法に盛り込まれました。ですので、それ以前のマンションや戸建てにはありません。居室とは人が定常的にいる部屋で、例えばリビングや寝室です。トイレや廊下は居室ではありません。
住宅の居室には、必ず、このような給気口が壁のどこかに設けられています。この給気口にはレジスターと呼ばれる風量調節器が取り付けられます。ここから外気を取り込みますので、レジスターにはフィルターも内蔵されています。このフィルターも汚れてきますので、カバーを外し、水洗いが出来るようになっています。写真のカバーは45度回転して、外すタイプとなっています。
この部屋の内覧会は2週間ほど前にありました。その時点では、このカバーを45度回転させると、角の部分がぶつかってしまって45度回転させることは出来ませんでした。取り付けただけで、外すチェックをしてなかったのです。内覧会ではその点の指摘をして、2週間後の確認会では、ちゃんと外せるように直っていました。内覧会に行きましたら、このような給気口が各部屋にありますので、カバーがちゃんと外せるかも確認して下さい。(7623)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、洗面台の下部の体重計を置くスペースです。ご覧頂きたいのは、このスペースの奥の方で、床のシートが盛り上がっているところです。一般的に、洗面所にはCFシートが貼られます。CFシートとは、クッションフロアーの略で、台所、トイレなど、主に「水まわり」の床に使われます。材質は、厚さ2㎜ほどのビニール製で、水をこぼしたり、汚したりしても、滲みにくく、サッと拭け、水まわりの床に適しています。また、クッションフロアーという名称から、柔軟性、保温性、防音効果にも優れています。
このCFシートは床に直接、糊付けで貼られます。写真の場合では、奥の方が一部分浮き上がってしまっていて、糊付けが十分にされておりません。施工業者も奥の方だったので、手を抜いてしまったのでしょう。このように一部分でも浮き上がっていると、段々とはがれてきますし、体重計を押し込んだ時に、シートが切れる可能性もあります。内覧会では、ちょっと面倒ですが、このようなところの奥の方も懐中電灯を使って確認して下さい。(6427)
写真はマンションの内覧会で撮ったものです。写しているのは、部屋に入るドアの上部です。このドアの上部には、棒状の戸当たりが付いています。この戸当たりのお陰で、ドアの取っ手が直接壁にぶつかることはありません。戸当たりにもいくつか種類があって、写真のようにドアの上部に付けるもの、そして床に付けるもの等があります。
ここでご覧頂きたいのは、見ずらいのですが、壁に貼り付けられている、バンポンと書かれた白い矢印の先のものです。この少し光ってる小さな丸いものは、商品名はバンポン、通称ナミダメ、涙の目のようだから、そう呼ばれます。材質は、透明なポリウレタンに接着剤を塗布したもので、クッション材として使われます。
このような棒状の戸当たりが使われる場合、通常、壁にはナミダメは付けられておりません。ドアを勢いよく開けた場合、この戸当たりが壁にぶつかります。壁にぶつかれば、その部分の壁のクロスは傷みます。また、長い間には、戸当たりの先端によって、クロスがこすられ黒ずんできます。そのような現象を防ぐために、このナミダメが有効です。内覧会で、このような戸当たりになってる場合には、壁にナミダメを付けてくれるように、売主に頼めば、付けてくれるでしょう。また、お住まいになってからでも、建具の取っ手などが壁にぶつかりる場合には有効です。ホームセンターにも、いろいろなタイプのナミダメを売ってますので、お好きなものを選んで付けるのも楽しいと思います。(12.8)
写真は、マンションの内覧会で畳を上げてみたところです。畳の下には、厚さ2㎜程の青いクッションシートが敷かれています。シートの下には、床のコンクリートが見えます。このコンクリートの部分を床スラブと呼びます。この床スラブの厚さは21㎝で、内部には鉄筋が入っています。このように、床の仕上げ材である畳やフローリングを、直接床スラブに載せる方法を直床と呼びます。もう一つの床の作り方は二重床です。二重床とは、鉄筋コンクリートの床スラブの上に短い束を立て、その上に下地を敷き並べ、畳やフローリングで仕上げます。コンピュターのアクセスフロアと同様に、フロアと床スラブの間を空ける作り方です。直床の場合には、フロアと床スラブの間に空間はありません。
写真の直床のスラブは21㎝と書きましたが、その内の20㎝は骨組みとしての床で、1㎝は仕上げのモルタルとなっています。この1㎝の仕上げモルタルはセルフレべリングと呼ばれるもので作られます。セルフレべりング、即ち、自分で平らになります、という事です。これは、モルタルに油のようなものを混ぜ、ドロッとした状態にして、床の上に流しておけば、次の日には、水平で硬くなっている、というものです。このように物理的に床の表面を水平にしてしまうので、ビー球を置いても、転がってはいきません。
また、床スラブの上に置かれている畳は、化学畳と言われるもので、畳表は樹脂(い草や和紙の場合もある)、畳床は発泡スチロール、底にはシートが貼ってあります。直床の洋室の場合には、フローリングをそのまま床スラブの上に敷きます。フローリングは木材ですので、その上を歩くと床スラブにぶつかって音がしてしまうので、防音のため、フローリングの底面は、5㎜程のクッション材が貼られています。その為、このような床材の場合は、どうしても、上を歩くと、フワフワ感があります。マンションを購入する際には、床の構造が、直床なのか、二重床なのか、確認すべきです。(7811)
写真は、マンションの内覧会で、浴室の天井に付いている点検口のフタをずらして、中を撮影したものです。手前の板に付いているのは、LANの端子板です。端子盤が浴室の上に置かれるのは珍しいです。浴室の天井裏には換気乾燥機が取り付けされていますので、吸排気のダクトが通っています。
ここで、気になるのは、LANの端子板の左上隅がダクトに接してしまっていることです(赤い矢印部分です)。ダクトは上から吊られているだけですから、地震が来れば揺れます。揺れる際に、端子板の角とこすれます。こすれば、長い間には、ダクトが損傷して、最後には穴が開いてしまう可能性があります。穴が開いたら、排気すべき空気がまた部屋の中へ入ってきてしまいます。
ですので、間を空けるとか、接している部分にクッション材を入れ込むとか、ダクトの保護対策が必要となります。内覧会時に、面倒ですが、脚立を使って、ここも覗いてみて下さい。ダクトが何かと接していたりしたら、業者に対策を施すように指摘して下さい。普段は見ないところなので、業者の姿勢が良く分かります。配線がちゃんと束ねられていなかったり、ゴミが散乱していたり、裏を見ると、エッ!とびっくりすることもあります。(61125)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、バスルームの天井にある点検口を開けて、天井裏の内部です。バスルームの天井裏には、電気の配線や給湯・給水のパイプ等が来ています。ご覧頂きたいのは、赤い矢印で示したところです。黒いカバーの中には、電気の配線がまとめられて入っています。配線を通すため、天井に付けたランナーと呼ばれる金属を切り欠いています。ランナーとは、壁を取りつけるために天井に付ける軽量鉄骨(LGSと言う)です。
ここでの問題点は、この切った部分が配線のカバーに接していることです。軽量鉄骨と言えども金属なので、切った部分は鋭利になります。建物は地震などで揺れますので、この部分も揺れれば擦られることになります。擦られても簡単には配線が切れることはないでしょうが、安全のため、ランナーの切った部分を曲げて置くように指示しました。簡単なことですが、心配がなくなります。バスルームの天井裏は、住んでしまえば、余程のことがない限り、見ることはないでしょう。内覧会では、ちょっと面倒でも、脚立を使って天井裏もチェックすることをお勧めします。(411.5)
この付箋は、下地の位置を示しています。ここの壁の表面はクロス仕上げで、その下には厚さ12㎜の石膏ボードが張られています。石膏ボードの下には、スタッドと呼ばれる、石膏ボードを取り付ける為の細い柱が並んでいます(別の部屋ですが、下の写真参照)。このスタッドは、通常、30㎝間隔で置かれます。スタッドにも2種類あって、LGS(Light Gage Steel)と呼ばれる金属と木軸と呼ばれる木材の柱です。LGSの方が一般的です。写真の場合もLGSです。
この付箋の位置は、スタッドの位置を示しています。石膏ボードは、紙と紙の間に石膏を挟んだものですから、ビスは効きません。ここの壁に何かを取り付ける際には、スタッドに付ければある程度は強く取り付けることが出来ます。クロスの上からでは、どこにスタッドがあるのかが分かりませんので、位置を示しているわけです。
何かをしっかりと壁の上に付けたい場合には、売主に頼んで、このように壁の幅木の上に、スタッドの位置を表す付箋を付けてもらっておくと便利です。この付箋の縦方向、天井まで、スタッドはあります。お住まいになってから下地の位置を探す場合には、ホームセンターに下地チェッカー(1000円前後)というのを売ってますので、それで下地の位置を知ることができます。(1910)
写真はマンションのバルコニーの手すり壁です。この手すり壁は、アルミ製で、縦の格子状になっています。手すり壁にも、アルミ格子、コンクリート、ガラス、いろんな仕様があります。お子さんがいる家庭では、落下事故など、特に手すりの仕様については気になることでしょう。
手すり壁につきましては、建築基準法で高さなどが細かく定められています。まず、手すりの高さは、床から手すりの一番上の天端(笠木と言います)まで1.1m以上です。また、写真のように、アルミの格子になっている場合には、アルミの格子の間隔は11㎝以内、下の横桟と床との開きは9㎝以内です。つまり、縦の格子の間に直径11㎝の球(子供の頭の大きさを想定)が通過してはダメですし、下弦材と床との間に直径9㎝の球が通過してはダメです。また、手すりを支えている、支柱(根元がコンクリートに埋め込んである柱)の間隔は、1.8m以内となります。ルーフバルコニーの手すりも考え方は同じです。ルーフバルコニーの場合は、一部足がかりが高くなっている場合もあります。その場合でも、その位置から1.1m以上手すりの高さは必要となります。
内覧会では、上記の数値を頭に入れて、バルコニーの手すりをチェックして下さい。また、子供が足を掛けられるような横桟が、真ん中に入っているような場合には、注意が必要となります。もし、足を掛けられる横桟が床から65㎝以下の位置にあれば、その横桟から手すりの天端までは、85㎝は要ります。いずれにしましても、手すりの高さ、格子の間隔、横桟など、全体的に見て、ここは危険だなーと思ったら、売主に指摘するべきです。(723)
写真は、マンション室内のトイレの壁をはがしたところを撮りました。手前がトイレで、管(青いテープ部分)の先に便器が来ます。便器からの排水は先端に青いテープを貼った管から、奥の茶色の縦管、そして地下の処理槽にいきます。トイレの壁がはがされているので、中の構造が良く分かります。
実はこのトイレ、汚水が漏れ出す、という欠陥があって、そのために、張った壁を全てはがしてみた所です。汚水が漏れ出した原因は、汚水管のエルボ(写真で90°に曲がっているつなぎの部分)の接合部に、施工業者が接着剤を入れ忘れたのです。ただ、汚水管を突っ込んだ状態になっていたわけですから、当然、そこから、汚水が滲み出てきます。トイレの周りの床や壁は、取り外し、クリーニング、消毒、再度、新品でやり直しとなりました。この家の住人は、住み始めて1週間で、「なんで私の家がこんなことに!」と嘆いていました。
内覧会の時には、このような水漏れというのは発見しにくいのですが、水を流して様子を見て下さい。漏水していても壁の向こう側では分からないかもしれません。でも、トイレの水も流してみて、汚水管の周りに触れてみる、周りの壁にも触れてみる、湿気てないか、このようにしてみると分る場合もあります。そして、お住まいになっても、壁が湿気てる、臭うなど異常を感じたら売主にすぐ言って下さい。