どんなところにも縄張りというものがあります。縄張りを隔てているのが境界線です。境界線のこっちか、あっちかが大問題となります。野球でも、ボールの飛んで行った先が白い境界線の外側か内側か、ファールかホームランか、運命の分かれ目です。
さて、時は江戸時代、江戸城の周りも境界線が明確に定められていたそうです。お城の周りには多くの藩のお屋敷が並んでいました。例えば、薩摩藩と長州藩のお屋敷が隣り合わせだったとしましょう。それぞれの藩の境界には高い塀がありました。屋敷の前には道路があります。道路には塀は作れませんので、道路の清掃などの管理については、敷地の境界線である塀の位置を道路にまで延長し、その延長線上の範囲は道路に面する藩が行うこととなっていました。
当時は、物騒な世の中で、刀で切られ、道に倒れている人もいました。この切られた人の処理も境界線に従って行われました。薩摩藩の前の道で倒れていたなら、薩摩藩が片づけ担当です。薩摩藩と長州藩の境界で倒れていた場合は、その人の足がどちら側にあるかで、片付ける方を決めました。倒れている人の頭が薩摩藩で、足が長州藩なら、長州藩が片付け担当です。
でも、いろんなケースがあるものです。例えば、倒れている人の右足が薩摩藩、左足が長州藩の場合はどうでしょう。こういう場合も、ちゃんと規定がありました。この場合は、男は左足がある藩が、女は右足のある藩が、片づけをしました。男と女では、どういうわけか左右が逆になっています。なにか理由があるのでしょう。世の中には、見えても見えなくても、境界線というものがあるのでしょう。自分と相手の境界線をしっかりと認識して、お互いに楽しく暮らしていきたいものです。(710)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写しているのは、バルコニーに設置されている給湯のためのヒートポンプユニット(商品名でエコキュートとも呼ぶ)です。ここで大気中の熱を圧縮して熱を発生させ、水と熱交換をしてお湯を作ります。ヒートポンプは空気を圧縮する際に電気を使います。電気量は夜間の方が安いので、ヒートポンプは主に夜間に稼働することになります。
写真のヒートポンプの底の架台部分、2か所付箋が貼ってあるところをご覧下さい。よく見て頂くと、左の方の架台の下には黒いゴムが見えますが、右の架台の下の部分にはゴムがありません。左側だけにゴムを敷いた理由は、バルコニーには雨を流すために勾配がありますので、ヒートポンプを水平にするために厚さ10㎜の防振ゴムを敷いたわけです。ここに付箋を貼った理由は、右側の架台の下にも、防振ゴムを入れるようにするためです。右側に厚さ10㎜の防振ゴムを入れれば、左側にはもう1枚防振ゴムを入れなければ、水平にならないので、両側に付箋を貼ったわけです。
ポンプ内部には回転体が入っていますので、振動が起きます。ヒートポンプは夜間に稼働しますので、振動がバルコニーのコンクリートの床を伝わって部屋の中に入り、夜間に気になる場合もあります。ここに防振ゴムを入れると随分とポンプの振動音が減ります。内覧会で売主に指摘して、ゴムを入れてくれない場合には、ホームセンターで売ってますので、合ったサイズに切って敷いて下さい。(4615)
写真は、モデルルームで写したものです。気に入ったのは、カウンター前の二つの椅子です。こういう椅子なら、カウンターの前に並べておいてもオシャレです。忙しい朝食は、このカウンターで、子供とお話をしながら…料理を出すのも楽です。そして、夜は夜で、ご主人と並んで、ワインとチーズ、ジャズでも聴きながら、ホームバーです。
オプションでキッチンカウンターの下に戸棚を設置する人もいます。戸棚にして、グラス、お皿などを置いておくのも便利です。ただ、その際に、注意して頂きたいのが、カウンターの奥行きです。戸棚を作る際には、背板や扉が付きますので、奥行きが20㎝以下では、戸棚に置くものは、コップ、グラス、小皿ぐらいになってしまいます。これでは、あまり意味がないと思います。奥行きが30㎝以上ないと中皿は置けません。
キッチンカウンターをどう使うか、結構、頭を使います。なぜなら、キッチンカウンターの奥行き、高さ、幅、ダイニングテーブルと椅子の配置、照明の位置、みんな関係してきますから。戸棚を設置するにしても、内覧会に行って、カウンター及びカウンター周りの状態をよく調べて、その後にどうするかを決めた方が無難と思います。(712)