ある日、戸建の内覧会をさせて頂いた方から、メールが来ました。その内容は、「キッチンカウンターの下に置こうと思って、棚を買ってきました。運よく、床からカウンター下までの寸法にぴったりの高さの棚がありました。これは良かったと思いながら、家に帰って、早速、置いてみました。ところが、カウンターの左側に寄せると入るのですが、右側に寄せると入りません。それで、床から、カウンターまでの高さを測ったら、右側の方が1㎝低くなっているのです。本来は、右側に置きたいのですが…」、というものでした。
これでは困りますね。カウンターについての水平度の定義はありません。ご参考までに、床の水平度の許容値は、3/1000以下です。つまり、1000㎜(1m)行って、3㎜以内の上下であれば問題ありません。全く水平が理想ですが、人間が作るもの、そうはなかなかいきません。このカウンターの長さは約3m、3000㎜ですから、3/1000以下とすると、9㎜の誤差は良いので、約、1㎝程度であれば、床の水平度としては問題がないことになります。
でも、これは、床ではなく、カウンターです。このように下に棚をおくこともあるわけです。高さぴったりの棚を置きたくなりますが、左側には入るけど、右側には入らない、これではイヤですね。内覧会では、キッチンカウンターがしっかりと固定されているか、また、床から左右のカウンターまでの寸法を確認してみましょう。
マイホーム、使い勝手がよく、素敵な空間にしたい、誰でもこう思うことでしょう。フロアコーティング、水周りの防カビ、窓ガラスのフィルム、白木のワックスなど、オプションにもいろいろあります。私は、費用対効果が明確でないものには、お金をかけない主義です。床や壁は飾り物ではないので、気兼ねなく使いたいし、白木もその感触を味わいたい、という気持もあります。また、小さなお子さんがいれば、汚れや傷を気にしてられません。いずれ、お子さんたちが大きくなったら、自分たちの好きなフローリングやクロスで張り替えてしまうのも良いでしょう。
そんな中で、これはオプションで頼んでも良いな、と思うのは、絵等を吊るすピクチャーレールです。壁の仕上げには、クロスの直張りと石膏ボード張り、この2種類があります。直張りの場合には、下地がコンクリートですので、簡単にはピクチャーレールは取り付けられません。石膏ボードの場合なら、どこでもピンは刺さりますが、そうすると、壁がピンの穴だらけになってしまいます。穴だらけにもしたくない、でも何かを飾りたい、このような時に、ピクチャーレールを付けると便利です。
このピクチャーレールには、デザインも取り付け方もいろいろあります。取り付け方には、壁の上部に付けるのと、天井の端に付ける方法とがあます。天井に付けた方が、レールが横から見えるので、その分レールの見える部分が少なくなります。また、天井に付ける場合にも2通りあります。左の写真は、天井に付けたピクチャーレールですが、後付けと言いまして、天井を張った後に取り付けたものです。ご覧のように、天井の下に、ピクチャーレールが出てきてしまいます。
左の写真は、先付けと言いまして、天井を張る前にピクチャーレール天井面に入れ込んでしまったものです。先付けの方が、天井面にピクチャーレールが隠れて、見栄えは良くなります。但し、オプションで依頼する時は、先付けして下さい、と確認が要ることになります。天井を張った後では、先付けの方法は無理となります。(11.12)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/fa/83371d7583ebc154d25ce638db92dda2.jpg)
それぞれに難点があるとなると、どうすれば一番適切な内覧会シートとなるのでしょう?その答えは、ゆっくりと自分達だけで部屋内を見る時間をとること、そして施工業者に内覧会シートに記入してもらうことです。具体的には、まず、施工業者側の説明が終わったら、自分達だけで部屋を見せてもらいたいと申し出ます。そして、ゆっくりと部屋の中を見て、不具合と思える箇所には付箋を貼ります。
付箋を貼ったら、施工業者に部屋に来てもらい、付箋の箇所の不具合の状態を説明し、施工業者に記載してもらうことです。こうすれば、ゆっくりと部屋の中を見れるし、内覧会シートも適切な表現となります。補修する施工会社が、買主の要望を聞き、状況を見て、書き入れる、これが本来の姿だと思います。添付の表は、施工業者側が書き込んだ内覧会シートの1枚です。内容をご覧になって頂くと、随分と専門的な言葉使われているのが分かります。
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、バスルームの天井の点検口を開けて、天井裏です。LGSランナーとは、壁を取り付けるための軽量鉄骨の骨組みです。
ここでご覧になって頂きたいのは、矢印で示した黒色の電気ケーブルカバーです。ここにケーブルカバーを取り付けた理由は、ケーブルとLGSランナーとが直接、接してしまうからです。それぞれが接していると、建物は地震などで揺れますから、長い間には、こすれて支障が出る可能があります。それを防ぐために、カバーをしています。気をつかっているな、と思いました。(11)
内覧会で部屋に入ったら、間取り図を出して、それぞれの部屋を見てみましょう。そして、部屋を見がてら、各部屋に付いているコンセント等の種類と位置を確認してみて下さい。万が一、位置などが違っていたり、付いていない場合には、移動工事や設置工事が必要となります。
コンセントが間違って付けられていたり、付いていないことは極めて稀ですが、そういうケースはありました。確認の仕方は、間取り図とモデルルームとの照合になります。間取り図もモデルルーム契約条件ですから、整合性がない場合でも、どちらかにあれば、当然、要求できます。ですから、モデルルームの見学の際には、細かいところもデジカメで撮っておくと良いでしょう。
写真は、間取り図を持って、コンセントの位置などを確認しているところです。間取り図には、いろいろなものが、記号で記載されています。記号の意味が分らなければ、売主に確認することです。また、間取り図では、取り付け位置の高さは分りません。エアコンや冷蔵庫のコンセントなどは上の方にありますので、下だけでなく、壁の上の方も見て下さい。同時に、念のためですが、コンセントの通電も携帯の充電器などで確認しておくと安心です。(7221)