写真は一戸建ての内覧会で撮りました。ご覧になって頂きたいのは、インターホンと書いた矢印部分です。インターホンパネルがこの位置にありますと、リビングへのドアを開けている時には、都度閉めないとインターホンパネルが使えません。これでは不便です。
ここは建売り住宅ですが、インターホンパネルがこの位置では使いにくいと指摘したところ、移してくれることになりました。日常使用する設備の操作パネルが、使いにくい位置に設置されている時には、売主に相談してみるのが大事と思います。(7612)
写真はマンションの内覧会で撮りました。一見、何の変哲もありません。でも、状況をご説明しますと、変なことが分ります。ここはウォークインクローゼットの中です。右側のドアの向こうは主寝室、左の奥に写っている引戸を開けると廊下に出られます。ですので、このウォークインクローゼットは主寝室からも、廊下からも入ることができます。
この状況が分りましたら、再度、右側の主寝室へのドアの取っ手の上の鍵(矢印部分)を見て下さい。鍵のレバーがクローゼット側に来ています。これでは、鍵をかけたら、主寝室からクローゼットに入ることが出来なくなってしまいます。こうなると、この鍵は一体何のため?と考えてしまいます。本来、この鍵は主寝室側に付けられるべきものでした。つまり、鍵をセットする向きが、表・裏、反対になってしまっているわけです。マンションでは、一般的に、主寝室だけドアに内側からカギが付きます。
とても珍しいことですが、このような間違いもあるのですね。売主側も、内覧会まで何度もチェックして、気が付かなかったとは・・・。これでは、トイレの鍵が、トイレの内側からではなく、外側から鍵が掛かるようになっているようなものです。こういうのを見てしまうと、内覧会では、鍵がちゃんと掛かるかだけでなく、鍵の向きも確認が必要となります。一般のマンションの洋室では、内側から鍵が掛けられるように作ってあるのは、主寝室だけです。(72)
写真はマンションの内覧会で撮りました。ご覧頂きたいのは、白い矢印部分で、洋室のクローゼットの扉が並んでいる下の部分、扉と床の間です。この細い部分は台輪(だいわ)と呼ばれます。この台輪の色が、矢印を境として、こちら側と向こう側とでは微妙に異なっています。それほど見るところではありませんが、やはり、こういう細かい箇所の色合わせも、ちゃんとしてもらいたいものです。
内覧会では、こういうところもかがんで覗いてみて下さい。特に、建具関係は微妙に左右の表面の色が異なっていることもあります。色が気になる箇所を見つけたら、不具合として指摘して下さい。交換もしくは補修できれいに直ります。(91)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、洋室の天井の点検口を開けて、エアコンの先行配管部分です。塩ビのパイプにエアコンのケーブルや冷媒管が先行して設置されています。ここで、ご覧頂きたいのは、黄色の矢印で指したところです。よく見ると、ケーブルに少しキズが入っているのが分かります。写真ではケーブルと塩ビ管は接していませんが、これは接していたものを写真を撮るために離しました。
このキズは、ケーブルや冷媒管の設置時に、塩ビのパイプのカット面にこすられたからです。今後、エアコンを設置する際にも、この部分はこすられる可能性があります。また、建物は地震が来れば揺れますので、このような電気のケーブルが接する箇所は注意が必要となります。写真のケースでは、塩ビのパイプの切断面を養生材で巻くか、ケーブルの触れる部分をテープで留めるか、どちらかの対策を採るように指示しました。(7224)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/b4/218c6d6ff3003da80791adf9d8c3e490.jpg)
このプロテクターの設置については、消防法では規定がありません。従い、マンションによって、全ての部屋のスプリンクラーに取り付けられる、キッチンなど低い天井の場所にだけに取り付けられる、そして全く取り付けられていない、それぞれ異なります。引越しでぶつけたり、小さなお子さんがいれば、物を投げたりで散水してしまうこともあるでしょう。火事以外で散水したら一大事です。部屋の内装や家具に被害を与えるだけでなく、水は階下に伝わって行くので、被害は甚大になる可能性もあります。特に高層階では注意が必要となります。
内覧会で、天井のスプリンクラーを見て、プロテクターが付いていなければ、売主にお願いしてみて下さい。断わられたら、防災器具会社にこのプロテクターを聞いてみることはできます。簡単にはめることは出来ます。また、部屋の外のメーターボックスの中にスプリンクラーの給水レバーがありますので、万が一、事故で散水してしまったことを考え、このレバーの位置と閉め方を確認しておくと良いでしょう。(83)
写真は戸建ての内覧会で撮りました。写したところは1階の洋室のドアの上部です。ここでご覧頂きたいのは、カーテンレールとドアの位置関係です。この状態でカーテンを付ければ、ドアの開閉時、カーテンが邪魔になってしまいます。カーテンレールは標準装備でしたので、買主が部屋に入って、初めて気が付きました。
結局、これでは不便と言うことで、レースのカーテンレールだけ、窓枠の上部に付けることになりました。平面図だけですと、こういう点は気が付かないこともありますので、ドアと窓の位置関係は注意が必要となります。(18)
写真は、マンションの内覧会で引戸の戸袋部分を撮ったものです。戸袋の下の部分(赤の矢印)にも幅木(はばき)が設けられていることが分かります。戸袋部分には、このように幅木を設ける場合と、そうでない場合とがあります。幅木とは、床との継ぎ目にある壁の最下部に取り付けられる横木を言います。その目的は、床と壁との納まりをきれいに見せること、また掃除機等がぶつかった場合の保護です。
引戸の戸袋部分には幅木が無い場合もありますが、私は、あった方が良いな、と思っています。その方が締まって見えるし、掃除機でも傷つきにくいからです。内覧会に行って、この部分に幅木が無くて、付けたい場合は売主に、「付けて頂くことは可能ですか?」と聞いてみることです。売主の返事が、「付けられません」ということであれば、それで仕方ないでしょう。
幅木の種類は、大きく分けて2種類あります。一つは厚みのある木製幅木(厚さは7~8㎜程度、木製でなく樹脂製もある)、もう一つは薄いソフト幅木(厚さは2㎜程度、材質はビニール系)です。上の写真で、赤い矢印はソフト幅木、緑の矢印は木製幅木です。木製幅木は釘で、ソフト幅木は接着材で壁に取り付けられます。ソフト幅木は価格も安いので、このような戸袋、トイレ、洗面所などに使われます。
幅木の取り付けを売主に聞いてもダメだった場合には、自分で取り付けることも出来ます。この部分は引戸がありますので、厚い木製幅木はこすれてしまうこともあります。そんな時は、薄いソフト幅木であれば、接着剤で付けられます。真っ白い幅木はキズが目立ちやすいので、少し色が付いているのが良いでしょう。(81.27)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写した場所は、ウォークインクローゼット中のハンガーパイプです。写真の右側がクローゼットに入る扉となっています。ここでご覧頂きたいのは、ハンガーパイプの位置です。現状では、奥の壁から30㎝の位置で設置されています。ここの壁の奥行きは奥の壁から52㎝となっています。これでは、洋服を掛けた場合に、洋服が扉の方向に出てきてしまうことになります。ウォークインと呼ぶからには、スムーズにウォークインしたいものです。
一般的なハンガーの幅は45㎝で、洋服を掛けると50cmほどになります。ですので、52㎝奥行きがあれば、どうにか壁の内側に収まることになります。でも、ハンガーパイプが30㎝の位置では、こちら側のスペースは22cmしかなくなりますので、その分、掛けた洋服が出てくることになります。ですので、このような場合には、52㎝の半分の26㎝の位置にハンガーパイプを設置すれば、僅か4cmですが、手前のスペースを有効に使えることになります。クローゼットのハンガーパイプの位置は、奥の壁から30㎝というのが標準となっています。でも、これは、クローゼットの奥行きが60㎝以上ある、というのが前提です。奥行きが60㎝以下の場合には、ハンガーパイプの位置も奥に入れた方が良い場合もあります。写真の例では、4cm奥にずらすように要求しました。(13.6)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、洋室にある収納です。ここの収納には、棚があって、押入れのようにふとんも収納出来ます。ここまでは良いのですが、何とも、言いようがないのが、真ん中に設置されているハンガーパイプです(矢印部分)。
このパイプが簡単に取り外しできればまだ良いのですが、固定されてしまっています。このような状態では、ふとんも上まで置けない、また、服を掛けても下の棚板に接してしまいます。どう考えても、意味がなく邪魔なパイプと思います。この状態でパイプを付けるなら、最も高い位置で、取り外しができるようになっていれば良かったと思います。結局、買主と相談の上、売主に「この状態ではパイプは邪魔なので取り外して下さい」と要求しました。どう考えても設計者の意図が不明です。(81)
写真は、マンションの24時間換気の部屋側の給気口です。吸気口ではなく、給気口と書きます。ここは、外壁に貫通した穴が開いていて、そこから外の空気が部屋の中に入ってきます。建材のホルムアルデヒド等に起因するシックハウスが社会問題となり、対策として、居室に新鮮な空気を取り込むための給気口の設置が、2003年に建築基準法に盛り込まれました。ですので、24時間換気は、それ以前のマンションや戸建てにはありません。また、居室とは人が定常的にいる部屋で、例えばリビングや寝室です。トイレや廊下は居室ではありません。
従い、住宅の居室には、必ず、このような給気口が壁のどこかに設けられています。この給気口にはレジスターと呼ばれる風量調節器が取り付けられます。ここから外気を取り込みますので、レジスターにはフィルターも内蔵されています。このフィルターも汚れてきますので、カバーを外し、水洗いが出来るようになっています。写真のカバーは45度回転して、外すタイプとなっています。
この部屋の内覧会は2週間ほど前にありました。その時点では、このカバーを45度回転させると、角の部分がぶつかってしまって45度回転させることは出来ませんでした。取り付けただけで、外すチェックをしてなかったのです。内覧会ではその点の指摘をして、2週間後の確認会では、ちゃんと外せるように直っていました。内覧会に行きましたら、このような給気口が各部屋にありますので、カバーがちゃんと外せるかも確認して下さい。(76)
写真はマンションのバルコニーから部屋の外壁側を撮ったものです。壁の内側には洋室1と洋室2があります。洋室1にも洋室2にもエアコンは設置するようになっているのですが、エアコンのスリーブ(エアコンのパイプ類を室外機と結ぶ壁の貫通孔)が1箇所(赤い矢印部分)しかありません。
なんで、1箇所しかないのでしょう?これは、単純に売主が設置するのを忘れたのです。ここでは、外壁に、洋室1用及び洋室2用と、スリーブが2箇所設置されなければなりません。こういうウッカリミスもあるのですね。勿論、もう1箇所スリーブを設置することになりました。
これらの部屋のエアコンの室外機はマルチタイプとして写真の壁際に設置されるように計画されています。マルチタイプとは1台の室外機に対して複数の室内機が接続できるエアコンです。写真の部屋の場合には、1台のマルチタイプの室外機に対して、洋室1及び2用として、2台の室内機が接続されます。マルチタイプであっても、スリーブは2箇所必要となります。
マンションの内覧会に行きましたら、エアコンのパイプがちゃんと室外機に接続されているようになっているかも確認下さい。特に、写真のような部屋、また、中和室のように、他の部屋を通って、パイプが室外機に接続されている場合には、注意が必要となります。(8919)
内覧会に行きまして、悩ましいのが、フローリングです。フローリングの不具合と言えば、キズ、ワックスの塗りムラ、フローリングの隙間、床鳴り、などです。このように比較的種類が多い不具合なのですが、それぞれの規準が明確でないため、不具合として指摘するかどうかの見極めが難しくなります。
今回はフローリング間の隙間について考えてみます。 フローリングは、部屋の一方から他方へ、名刺一枚分ほど間隔を開けて、張っていきます。名刺一枚分ですから、0.5㎜ほどです。これは、温度や湿度による伸縮を吸収するためです。夏のように温度も湿度も上がればフローリングは伸びますし、冬は逆に縮みます。伸びてせり上がったり、逆に縮んで隙間が開き過ぎないように、伸び縮み代として名刺1枚分程度空けるわけです。
写真は、内覧会でフローリングの張り方の不具合を指摘したものです。緑のテープを貼ったところの隙間は、3㎜近く開いてしまっていて、下地まで見える状態でした。この場合には、フローリングの張り直しを要求しました。フローリングは、部屋の端から一枚ずつ、張っていきます。そして、最後の端に来た時に、調整します。写真では、その調整がうまくいかなかったわけです。 フローリングの隙間をチェックするのは、季節、位置、隙間の間隔などが関係し、単純ではありません。チェックの目安として隙間が2㎜以上開き、下地材が見えるなど、気になると思えば、不具合として指摘すべきです。(712)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/b5/5133fec9928102a0e48dee49ced5a5d4.jpg)
この付箋は、下地の位置を示しています。ここの壁の表面はクロス仕上げで、その下には厚さ12㎜の石膏ボードが張られています。石膏ボードの下には、スタッドと呼ばれる、石膏ボードを取り付ける為の細い柱が並んでいます(
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/71/13333596af85cdda6813359399936d3a.jpg)
この付箋の位置は、スタッドの位置を示しています。石膏ボードは、紙と紙の間に石膏を挟んだものですから、ビスは効きません。ここの壁に何かを取り付ける際には、スタッドに付ければある程度は強く取り付けることが出来ます。クロスの上からでは、どこにスタッドがあるのかが分かりませんので、位置を示しているわけです。
何かをしっかりと壁の上に付けたい場合には、売主に頼んで、このように壁の幅木の上に、スタッドの位置を表す付箋を付けてもらっておくと便利です。この付箋の縦方向、天井まで、スタッドはあります。お住まいになってから下地の位置を探す場合には、ホームセンターに下地チェッカー(1000円前後)というのを売ってますので、それで下地の位置を知ることができます。(1910)