写真は、マンションの1階の部屋の内覧会で撮りました。1階ですから、リビングの外はテラス、その先は専用庭になっています。写真を写した場所は、その専用庭の中にある雨水の枡です。庭に降った雨はここに集められ、外部へと排出されて行きます。枡に落ちたら危険ですから、上面には金属のグレーチングのカバーが置かれています。
ここでご覧頂きたのは、そのグレーチングの下に置かれている金属のネット(網)です。このネットが敷かれている理由は、芝や葉っぱが枡の中に落ちて行かないようにすることです。また、ネットがあれば、カギやお金を落とした時でも、枡の底にまで落ちて行かないので助かります。細かいことですが、ネットがあるかないか、大事なことです。
マンションでも戸建てでも、上部がグレーチングのカバーとなっている場合には、その下に金属のネットがあるかないかも確認下さい。ネットが無く、売主に言っても付けてくれない場合には、ホームセンターで買って、合った大きさに切って敷かれることをお勧めします。(41)
マンションでも戸建でも、和室には、化学畳と呼ばれる畳が敷かれます。化学畳とは、畳表はイ草もしくは樹脂、そして畳床(畳の芯)は発砲スチロールとファイバーボード、底にはシートを貼ったものです。畳の厚さは薄いもので15㎜、厚いもので60㎜程です。畳床を稲わらで作ったものを本畳(ほんだたみ)と呼びます。
畳のチェックの項目は、畳表の張り具合、色褪せ、色ムラ、ほつれ、畳同士の空き、段差、畳の床への落ち着き具合などです。チェックの際は、まず、畳の表面を良く見て、触れてみること、そして、上を歩いて違和感がないかを確認します。
畳表は、イ草もしくは樹脂が一般的です。表面を見ると判別できます。畳表が樹脂製ですと、工場生産ですから、品質も一定ですし、色ムラもなく、色落ちもしにくいです。一方、い草の場合には、天然ものですから、日焼けによる色落ちも少しずつしてきます。建物の完成から内覧会までに時間が経ちますので、売主も写真のように紙のカーテンで日やけを防いでいます。特に畳表がイ草の場合には、色落ちしやすいと言えます。
いずれは、青い畳も色あせて行きますが、やはり、新築には青い畳が気持ちの良いものです。もしも、お部屋の畳が、全体的にも、部分的にも相当に色あせていたら、不具合として指摘すれば良いでしょう。このお部屋にも、確認会には真っ青な新しい畳が入りました。それを見て、三歳のアヤネちゃんもバンザイです。(81)
写真はマンションの確認会で撮りました。確認会とは、内覧会での不具合の指摘により売主側が補修を行い、その補修の完成状態の確認をするものです。ここでご覧になって頂きたいのは、白い矢印で示した所です。これはリビングの窓の上部の隅の部分です。
ここには戸当たりと言って、窓を開いた際に、カギがサッシ枠に当たらないようにするものが設置されています。戸当たりは窓の上下に付いてますが、窓を開けた際には、窓枠が上下同時に接するのが理想です。上か下か、どちらかしか当たっていないと、最近の窓はペアガラスで重いので、長年、使っているとこの戸当たりも劣化してきて破損することがあります。内覧会では、窓を開けた際に、下の戸当たりには接するのですが、上の戸当たりには2㎜程の隙間が出来てしまっていました。
2㎜ですが、窓のサッシを、上下の戸当たりに同時に当てる、これは結構難しいことです。戸当たりを優先すると、カギが閉めにくくなる、こういうことが起きるからです。そこで、厚さ2㎜程の薄いゴムを貼ってもらい隙間をなくしたわけです。こうして、窓を開けた際には、窓が上下の戸当たりに同時に当たるようになりました。このゴムは何でも良く、ホームセンターで売っているなみだ目というクッションでも良いです。(73)
プラスチック容器が設置されている場合には、時々、この容器を見て、水が溜まっていたら、はずして、中に溜まった水を出さなければなりません。極めて稀なケースですが、ここの、取り付け金具から、漏水が起きたことがありました。いつもは、見ないところですので、突然、水があふれ出てきて、なんでこんなことが、と驚くばかりです。この蛇腹ホースは、はめ込み式の金具で取り付けてあります。漏水が起きた原因は、上の蛇腹ホースの取り付け金具のパッキンを入れ忘れていたのです。この水漏れにより、キッチンの交換、フローリングの張替え、壁クロスの張替えと大変なことになりました。
内覧会の時は、シャワーホース水栓も水を出して使ってみて、シンク下の取り付け金具から漏水していないか、チェックして下さい。また、シャワーホースが、スムーズに伸縮しないこともありますので、数回、伸ばしたり、縮めたりして、スムーズに伸縮できるかもチェックしてみて下さい。洗面所にシャワー水栓がある場合には、同じようになります。(711)
写真はマンションの内覧会で撮ったものです。白い矢印の先を見て頂くと、細いひび割れが入ってるのが分かります。ここはベランダの天井部分です。つまり、上階のベランダのコンクリートの床で、下側の天井面は吹付タイルで仕上げをしています。吹付タイル部分に、このようなひび割れが入っていることは、コンクリートの躯体にもひび割れが入っていると予想されます。
このひび割れはコンクリートの乾燥収縮によるものです。コンクリートは水で練り、打ち込んでから、水分が蒸発して乾燥していきます。そうしますと、体積が収縮していき、周りは固定されていますので、ひび割れが生じます。コンクリートは乾燥収縮が宿命なのですが、建物にひび割れが入りますと、コンクリート自体の耐力も落ちますし、中の鉄筋を錆びさせ、建物の寿命を急激に落としてしまいます。従い、施工業者は、ひび割れが入らないように施工すること、また、ひび割れが入ってしまったらしかるべく補修をしなければなりません。コンクリートのひび割れは、あってはならないものですが、出来てしまうこともあります。
ひび割れの場所、幅、要するにひび割れの状態によって建物としての重要度は異なります。写真のように、ベランダの床など、重さを支えている構造体に入っているひび割れは補修が絶対に必要です。一方、トランクルームなどの表面のモルタルに入っているひび割れは、構造体ではありませんので、気にする必要はありません。コンクリートの中にある鉄筋を錆させるようなコンクリート面のひび割れ幅は、0.4㎜以上と言われています。0.4㎜と言われてもピンと来ません。シャープペンシルの先が0.5㎜ですので、シャープペンの先がひび割れに入ってしまうようでは問題があるわけです。
内覧会に行きまして、壁や床などのコンクリート構造体の表面にひび割れを見つけたら、施工業者に指摘して下さい。そして、そのひび割れの部分は仕上げ材なのか、構造体なのか、どうして起きたのか、そしてどのように補修するのかを、業者に聞いて下さい。特に構造体のひび割れにつきましては、後々、問題になっても困りますので、ひび割れの原因、補修方法など写真入りで報告書として提出させておいた方が良いでしょう。(612)
写真は戸建の内覧会で撮ったものです。この照明は洗面台の上の照明です。この照明がどうかしたの?と思いますよね。写真では分からないのですが、中の蛍光ランプを点けるとフリック(チカチカ)するのです。ランプが古いのか、照明器具の不具合は定かではありませんが、不具合として指摘すべきです。
内覧会に行きましたら、設置されている全ての照明を点けてみて下さい。まず、スイッチが適切な位置にあるか、ちゃんと照明が点くか、どのスイッチでどの照明が点くかの確認、そして、照明を点けたら、ランプの具合も見て下さい。照明のカバーの中に虫が入ってしまっている、カバーが汚れている、このような点もチェックして下さい。特に見落としてしまいそうなのが、マンションの場合では廊下の照明、戸建の場合には、門灯など外部にある照明です。(99)
写真は、戸建の内覧会で撮りました。写した場所は、キッチンの床下収納のカバーを開けて、床下と基礎の部分です。上部の方から、床下の断熱材、床を支える横材、横材を支えている鋼製の束、そして、べた基礎のコンクリートとなっています。こういう所を見ると、床下断熱材の様子、床下がきれいか、見えないところにも神経を使っているか、建築業者の姿勢が分かります。
戸建の内覧会に行きましたら、床下収納のカバーを開けて、収納箱を持ち上げて、のぞくだけでも良いので、見て下さい。チェックするポイントは、断熱材がきれいに貼られているか、コンクリート基礎の表面が乾いているか、ゴミなどが散乱してないかなどです。コンクリートの上の多少の汚れなどは、指摘する事はありませんが、万が一、断熱材がはがれていたり、べた基礎の表面が異常に汚れていたり、濡れているような場合には、業者に指摘して下さい。
蛇足ですが、床鳴りなどが出た場合には、写真に写っている床下の鋼製の束の長さを調整して直します。また、床下は換気が悪いので、子供が中に入って遊ばないようにして下さい。(09)
私のマンションで全戸窓のサッシを更新しました。築後40年経過していて、UVカットのペアガラスにして、網戸も更新しました。最近の網戸の網も、外の景色が見えるように、随分と細くなってきています。それはそれで良いのですが、問題もありました。
問題と言うのは、網戸が閉まっているのに、開いていると思って、勢いよく外に出ようとしてしまうのです。そうすると、網戸がレールから外れたり、網が枠から外れたりしてしまいます。網戸を直すと言っても、状況によっては、業者を呼んで直さざるを得ない場合もあります。
ここで、網戸へ人がぶつかりのを防ぐ対策として、写真の矢印のように、マグネットのシールを切って、網戸の両面から貼っておくことをお勧め致します。マグネットのシールは、メールボックスに入っている会社の宣伝のものを使えば無料で済みます。(76)
写真は、マンションの内覧会で、バルコニーの水道を撮りました。これを見て、アレ?と思われるでしょう。そうです、この水道は、水栓はあるけど、水を受けるシンクがありません。この状態では、水を使うには不便です。バルコニーシンクを設置するのを忘れているのでしょうか?
実は、これは、シンクを付けるのを忘れたわけではなく、付けてないのです。マンションからの排水は、汚水(トイレ排水)、雑排水(台所、浴室等)及び雨水の3種類に分けられます。汚水と雑排水とは排水処理が必要となり、雨水は処理が不要なので別系統になります。ですので、ここの水道は排水処理されませんので、バルコニーの清掃や植木の水やり程度になります。ここで洗剤を使ってお皿を洗うこと等はできません。シンクが付いている場合には、排水管も設置されていて雑排水として処理されるようになっています。バルコニーに水道がある部屋を購入する際には、シンクがあるかないかも確認して下さい。(82)