リビング・ダイニングルーム、家族にとって、最も大事な場所です。ここで、食事をして、テレビを見て、家族と共にくつろぎの時間があるから、今日の疲れも癒され、明日への活力も出てきます。リビング・ダイニングルームでは、主に以下の項目を検査します。
・網戸の状態:網戸の建付け、網の張り方・キレ・ホツレ
・窓のサッシ:額縁、サッシの建付け、ビス、アルミ枠とガラスのキズ、カギ、指づめ防止
・天井と壁:表面の仕上り、クロスの貼り方、下地の状態、幅木、点検口からの断熱材
・床:床鳴り、床の水平度、フローリングの張り方・キズ・色ムラ、幅木との隙間
・電気設備:天井照明、スイッチやコンセントの種類と位置
・部屋の寸法:部屋の広さ、天井高
内覧会でベランダやルーフバルコニーを確認する際の主な検査項目です。日光や雨や風にさらされ、環境の厳しいところですので、念入りにチェック致します。(1120)
・床の長尺シート:水勾配、浮き、端部の接着、周りのシール打ち、汚れ、シート同士の接合
・エアコン室外機:スリーブと室外機の位置、室外機のドレンレール、ドレン水の流れ方
・コンクリート手すり:高さ、仕上げ塗装、手すり壁外側、笠木部
・アルミ手すり:高さ、手すり子の間隔、支柱の根元のコーキング、笠木部の壁への接合
・上裏(あげうら:バルコニーの天井部):表面の状態、吹付塗装、白華現象
・隔て板(へだていた:隣戸との仕切り板):設置位置及び状態、ひび割れ、隣戸との関係
・SK(スロップシンク):設置状態、出水時の漏水
・樋(とい:雨水の排水管):樋のひび割れ、樋の取付け金具の状態、樋の床貫通孔の周り
・ルーフバルコニー:手すりの高さ、パラペット部、押えコンクリート、床表面の状態
・物干し金物:位置、間隔、避難ハッチとの関係
・ガス給湯器:ガス給湯器から出る給湯管、ガス管、給水管の貫通孔のコーキング
・避難ハッチ:適切に設置されているか、ハッチ周りのシール
マンションは管理を買え、とも言われます。マンションでも管理が悪ければ、価値が下がっていってしまう、ということでしょう。新築マンションが住民に引き渡されますと、住民が管理組合となって、共用部の管理を行っていきます。管理組合と言っても、最初は、住み始めるのもバラバラだし、住民も建物を理解しているわけではありません。これでは、引き渡しが済んでも、管理組合は、建物の管理は難しいので、通常、管理委託内容や管理会社は、売主が決めています。通常、最初の管理契約は、期間1年間、業務は、①事務管理業務(管理費や修繕費の保管と運用) ②管理員業務 ③清掃業務 ④設備管理業務です。これらの業務に対し、売主は管理費を算定し、マンションの契約時に管理費を買主に示します。
以上のように、最初の管理会社も管理費も、売主が一方的に決めたものとなっていますが、これは、新築マンションの現状を考えますと仕方がないでしょう。最初の管理契約は1年間ですので、それ以降は管理組合が主体性を持って、管理契約を締結していくことになります。上述しましたように、最初の管理費、管理委託契約、管理会社、これらは全て売主が決めているので、1年間の状況を見て、最初の管理委託契約の更改時には、必要なところは修整して行く必要があります。場合によっては、管理会社を変える、ということもあるでしょう。
住民として、マンション管理に携わるのは面倒なものです。でも、管理費として月々払っているお金の使われ方を確認するのも大事なことです。それには、先ず、現在の管理契約の内容を知ることが基本になります。そして、契約に従って業務が為されているか、この業務は必要なのか、契約形態はこれで良いのか、これらを考えることによって、充実した管理契約になり、また、無駄な管理費も削減されていくと思います。(713)