写真は中古のマンションの内覧会で撮ったものです。写したところは、リビングからベランダに出る窓の上にある大梁です。柱と柱の間に架かる梁を大梁、大梁と大梁の間に架かる梁を小梁と呼びます。この梁は両端を柱で支えられていますので、大梁となります。建物は、柱と梁と壁によって支えられていますので、梁というのは非常に大事な構造材となります。梁は、中に入れる鉄筋の数、コンクリートの大きさ、全て構造計算によって決められますので、欠いたり、穴を開けたりすることは出来ません。
写真をよく見て頂くと、梁の真ん中のコンクリートの表面に膨れがあるのがわかります。この膨れの原因は、梁にひび割れが入ったからです。このひび割れが生じた理由は、2011年の東日本大震災によるものと思われます。東日本大震災は非常に大きな地震だったので、地域によっては、このような被害も生じています。
このひび割れが生じてしまっているから、この建物は強さがないと言うこと出来ません。なぜなら、建物は、これぐらいの力が加わるから、このぐらいの強さにしよう、というバランスの3倍ほどの安全率を考えています。過去の地震を解析し、掛かる力が1であれば、1の強さではなく、3の強さで備えるということです。ですので、写真のようなひび割れが入ってしまったら、全く、抵抗力がなくなり安全ではない、と言うことは出来ません。ただ、このようなひび割れによって、初期の抵抗力よりは減少したということは言えます。中古マンションの内覧会に行きましたら、目視できるところの柱や梁の状態もチェックしてみて下さい。(4811)
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