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強いやつが勝つ・・・移民が国家の活力となる

2018-11-07 05:48:00 | 時事/金融危機
 

■ 「入国管理法の改正は移民政策では無い」と主張するネトウヨ ■

誰とは申しませんがネトウヨ諸氏が、又もや「入国管理法の改正は移民政策では無い」と主張を始めました。

ネトウヨ諸氏の本来の主張は「移民を受け入れると中国人や韓国人に日本を乗っ取られる」でしたあら、彼らは「移民」を絶対に認めません。安倍政権を彼らが熱烈に支援している理由も、安倍政権が中国や韓国に敵対的であった事が主要因です。

ところが、安倍首相は政権奪還の為と、日本会議などの集票機関の指示を取り付ける為に「日本至上主義」を利用していた可能性が高い。いえ、彼は実際にはネトウヨ諸氏と同じ思想、メンタルでしたが、政権運営に当たりアメリカや経団連の要求を排除出来ずに、結果的にアメリカに服従し、さらには中国ともよりを戻そうとしています。

国土強靭化 → 初期の大型補正予算の後は公共事業を減らしている
TPP反対 → 手の平返しで推進・さらにアメリカとの二国間協定を押し付けられる
反中国   → 経団連に押し切られて訪中。中国はパートナー
反北朝鮮  → ひそかに北朝鮮制裁を大幅に緩和
移民反対  → 入管法を改正して移民政策に舵を切る
日本の農業を守る → 種子法廃止・種苗法改正

安倍政権ほどネトウヨの期待を裏切って来た政権も珍しいのでは無いか。それなのにネトウヨ諸氏は裏切られる度に、自分を納得させる理由をネットにまき散らし、現実から目を背けて来ました。


「入管法の改正は移民政策では無い」と主張し始めたネトウヨ諸氏は、自分達がパンツを履かずに街中を歩き回るよりも恥ずかしい存在である事に気付いているのでしょうか?


■ 日本の労働力の不足は移民で補う他に手が無い ■

実社会で働いていれば簡単に理解出来ますが、若年労働力の不足によって、日本の職場では労働力が不足しています。

コンビニのレジも、スーパーのレジも、居酒屋の店員も、工場の工員も、工事現場の作業員も、多くの外国人労働者によって支えられています。

私は建築関係の仕事をしていますが、若いアジア系の外国人の職人さんが、60歳過ぎの老人の職人さん3人にテキパキと指示を出すなんて現場にも行き当たります。昔は、日本人の親方が若い外国人労働者に支持を出していたのですから、大きな変化です。

人手不足から事業継続が不可能になる会社も増えて来ました。取引先に廃業に理由に「人手不足により」という文言が書かれているケースが増えて来ました。


■ 「裏口移民」では足りなくなった外国人労働力 ■


日本は本来は高い技能を有する外国人労働者しか受け入れず、単純作業の外国人労働者は受け入れない事を前提としていました。

しかし、実際には所得の低い単純労働の職種から労働力不足が深刻化したので、「外国人研修制度」や「留学生」という「裏口移民」によって労働力の不足を補充していました。

しかし、これには国際的な批判が高まっています。国連の規定では「1年以上その国に住んで働いていれば移民」として扱われるので、日本既にドイツに次ぐ世界で5番目の移民大国となっているのです。

ところが、団塊の世代の引退で労働人口が減少に転じた日本では「裏口移民」だけでは労働力を確保する事が難しくなっています。特に、日本の若者が敬遠する低所得のサービス業や、工事現場や、工場や農林水産業、看護や介護の現場での人手不足が深刻化しています。

そこで入国管理法を改正して、単純労働の分野でも外国人労働者が正式に働ける様にする事が、今回の入国管理方改正の目的です。

■ 5年間日本で働いても家族も呼べない ■

今回の入国管理法改正のキーポイントは、先にも書いた様に、本来認めて来なかった「単純労働」への就労を可能とした点です。

政府は単純労働である事を誤魔化す為に「特定技能1号」と呼称しています。

「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に就労可能な「特定技能1号」を与える。最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば資格を得られる。在留期間は通算5年で、家族の帯同は認めない。

介護
ビルクリーニング
素形材産業
産業機械製造
電気・電子関連企業
建築
造船・船用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
業業
飲食料品製造
外食


とまあ、看護を除く人手不足産業のほぼ全てに、外国人労働者の就労を認める内容ですが、5年の「技能実習」の後、日本語や技術で一定の水準に達っして「特殊技能2号」を取得すれば家族を呼び寄せる事が出来、10年間日本dr働き続ければ永住権の取得も可能です。

「外国人研修制度」や「外国人留学生制度」といったグレーな制度よりもクリアーで好ましいと思いますが、「外国人労働力を金で買う」という姿勢は変わっていません。


■ 将来的にはさらに緩和されて「移民」を認めるだろう ■

はてさて、外国人が10年間日本で働いて、日本語も堪能になり、さらには職場でも責任ある仕事任される様ななったら、企業はその人材を手放すでしょうか。答えはNOです。

きっと企業から、就労期間のさらなる延期を望む声が出るでしょうし、家族を故郷に残した外国人労働者が帰国を望む事を防ぐ為に、5年未満でも家族を呼寄せる事が出来るようにしてくれとの要求が出るかもしれませんが。

官僚や政治家が良く使う手ですが「小さく生んで、大きく育てる」方法が、今回の入国管理法改正にも隠されているでしょう。

■ 移民と仕事を奪い合う高度な技能を持たない労働者と、AIと優秀な外国人と仕事を奪い合うホワイトカラー ■

ネトウヨの移民受入れ反対の理由は「中国人や朝鮮人はケシカラン」ですから完全に無視をするとして、一般の労働者にとっては移民は大きな問題となります。

移民は安い労働力ですから、単純労働の仕事では日本人の賃金は低下します。高い日本人を雇用しなくとも、良く働く外国人労働者の方が企業として得だからです。これは「労働市場のフラット化」として世界全体で進行しています。

ヨーロッパやアメリカで台頭している「移民排斥運動」の主な理由が、「仕事の奪い合い」である事は皆さんもご存じでしょう。

一方、高度な技能を有しているから外国人労働者との競争に晒されないと疑わないホワイトカラーの仕事ですが、グローバル競争とAIとの競争に立たされるハズ。今後、企業は国籍を問わず優秀な人材を求めますから、ここでも英語が堪能で能力の高い外国人労働者が流入してきます。さらには将来的にはホワイトカラーの多くの仕事がAIぶ奪われます。

■ 世界的な労働市場の単一化と、安い労働力を生み出す為の戦争や経済破壊 ■

資本主義の社会では、国民の幸せよりも、企業の生き残りが優先されます。企業が生き残ればければ国民の雇用も生まれず、人々の生活が成り立たないからです。これの「良い、悪い」を論議しても始まりません。

要は、世界的に「安い労働力」は引く手あまたで、それが自国の国民でも、外国人労働者でも良いのです。創造業などは、国境を軽々と超える事が出来るので、安い労働職を求めて製造工場を海外に移転します。一方で海外に移転出来ない分野は、移民という安い外国人労働者を国内に求めます。

これは世界的傾向ですから止める事が出来ませんが、一方で移民に仕事を奪われる国民の反対も強い。そこで、世界の経営者達は途上国で計画的に戦争を起こし、或いは途上国経済を計画的に破壊して「難民」という安い労働力を先進国に輸入しています。「難民受け入れは国家と国民の義務」という倫理を形成して、移民受け入れを正当化して来ました。

ヨーロッパでも、アメリカでも「難民」という「裏口移民」のシステムの弊害が噴出して、「移民排斥」や「一国至上主義」が台頭しています。

東西ヨーロッパの統合も、東側諸国の安い労働力を西側が使う事でメリットが有りました。


■ 国民国家という枠組みは、既に前時代の遺物 ■


グローバル化の反発は反動が有るにしても、人類や社会が進化する過程で、グローバル化は避けては通れません。

当然、労働市場のグローバル化は益々進み、企業は安くて優秀な人材を世界から求め続けます。結果的に高度な職能を要求する仕事でも、単純労働の仕事でも外国人労働者の数は増え続け、各国の人種は多様化して行くでしょう。こおなると「近代国民国家」というシステム自体が時代遅れになります。

次に訪れる時代は、国家の支配層が、国という枠組みとシステムを利用して、様々な人種を使役して利益を挙げる時代となります。

これ、ローマが占領地域の人々を奴隷として使役して繁栄を築いた時代に似ています。優秀な人材には奴隷でも市民の権利が与えられました。

多分、次なる時代は優秀な労働者の奪い合いの時代ですから、10年間家族も呼べず、10年後には帰国を余儀なくされる「日本独自の都合の良い制度」は維持不可能になるでしょう。

結局、アメリカの様に、能力さえあれば移民でも地位と名誉が得られる国が生き残る。「強いやつが勝つ」のが世界のルールなのだから。



「移民反対」と主張するネトウヨも、労働組合も、淘汰される側に立っているのです。




<追記>

私は「移民」は日本を支える為には必要だと考えていますが、一方で移民を社会福祉や医療制度の外側に置いておくリスクには注意を払っうべきだと思います。

賦課制度の年金システムと同様に、移民を正式に福祉や医療制度に取り込まなければならなくなった時に、制度の歪が大きくなり過ぎるからです。

私の周辺には外国人の方も結構いらっしゃいますが、皆さん日本が本当に好きで、日本に永住し、日本に骨を埋める覚悟も出来ています。日本の文化にも詳しい。・・・はたして彼らは外国人なのでしょうか・・・・。私には今時のマナーも知らない若者の方が余程エイリアンに見えます。

例え中国人であろうと、韓国人であろうと、自国よりも日本が好きという方は沢山いらっしゃいますし、既にその様な方が日本には沢山住まわれています。彼らは好んで日本を中国や韓国の様にはしたく無い。

多少の文化の違いはあれど、日本が好きで日本に住みたくて、日本の文化や社会システムを支えてくれるのであれば、私は外国人を排斥すべきでは無いと考えます。

「日本固有の民族性が損なわれる」とネトウヨの方々は主張するでしょうが、日本人なんて大陸から渡って来た人がほとんどなのですから・・・今さら。

ただ、「日本が好き」という点は重要です。アメリカに入国する移民がアメリカ国家に忠誠を誓い「自由・正義・民主主義」を守る事を誓うのならば、日本の移住する外国人は「日本の自然や文化や伝統」に忠誠を誓っていただけると嬉しい。

こっそりムクゲの種を植えたり、桜の枝を折ってるオマエラは出てけ!!


私は移民の入国の際に、こう質問する事を提案します。

「あなたの好きな日本のアニメのタイトルを3つ答えなさい」・・・と。

「どらエモン」「ちびまるこちゃん」「クレヨンしんちゃん」・・・・「合格」
「ガンダム」「エヴァンゲリオン」「イデオン」・・・・・・「合格!!」
「けいおん」「のんのんびより」「うまるちゃん」・・・・・「合格!!」