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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ユーロ安政策進行中・・・為替介入よりも確実

2012-05-08 05:35:00 | 時事/金融危機
 



■ サルコジ大統領が敗れた!! ■

フランスでサルコジ大統領が、社会党のオランド氏に負けました。
日本の報道では、緊縮財政路線を堅持するサルコジに対する国民の反発と報道さいれています。

ギリシャでも予想通り、与党が過半数を取れず(1議席差)、
緊縮財政に反対する急進左派連合が第2党に躍進しています。
第一党の新民主主義党(ND)は連立組閣を試みましたが失敗に終わり、
第2党の左派連合に、組閣の順番が回ってきています。(これも失敗しそうですが)

さて、リーマンショック以降、七面六腑八面六臂の活躍を見せていたサルコジ氏の退場は、
EUやユーロ、世界に対してどういう影響を与えるのでしょうか?

私は以前、サルコジ氏こそロスチャイルドの使い走りだという記事を書いた事があります。
「妙な猿回しが流行っています・・・フランス大統領に注目」
http://green.ap.teacup.com/pekepon/388.html

少なくとも、ネタに尽きない人物だっただけに、
日銀の白川総裁に似た風貌の地味なオランド氏にはあまり期待していません。
(ブログのネタ的に)

■ サルコジ氏の退場でユーロはどうなるのか? ■

リーマンショック直後にIMFのSDR構想を推進していたサルコジ氏は、
一見、アメリカのドルに挑戦状を突きつけていたとも言えます。

しかし、ユーロ危機が深刻化する過程で、
サルコジ氏はSDRから距離を取り始めたよにも感じます。

これは大統領戦で敵対する予定であった
IMFのストロンカーン氏がSDRを推進していた事と無関係では無いでしょう。

しかし、IMF自身が最近はSDRをあまり前面に押し出していません。
リーマンショック直後に危ぶまれたドル機軸の持続性が、
意外にも安定している事から、新機軸通過の必要性が遠のいたからだとも言えます。

一方、ドルに変わってユーロ危機がクローズアップされました。
こえは、単一通貨を採用しながら、財政統合をしていない
ユーロの根源的な欠点が、景気後退によって明確になっただけの事です。

ギリシャ危機に始まるユーロ危機の対処で、
サルコジ氏はメルケル首相と共に大活躍します。

ところがギリシャ危機の対するユーロッパ首脳の対応は後手後手に回り危機を深刻化させます。
その結果、何が起きたかと言えば、「ユーロ安」と「ドルの復活」です。

私はこれこそが、ユーロ危機の本質ではないかと考えています。


1) リーマンショックでドルの機軸体制が揺らぐ
2) IMFの緩和政策で、ドルが過剰発行され、ドル安の圧力が高まる
3) ギリシャ危機を演出して、ドルの一人負けを食い止める
4) 日本は日銀の介入で、円の独歩高にブレーキを掛ける

さて、その結果はどうなったでしょうか?

1) ドル、ユーロ、円が等しく価値を失い、結局はドルの機軸体制が生き残る
2) ユーロ安に誘導して、ドイツが輸出で大儲け
3) 日銀は昨年だけで為替介入で15兆円もアメリカにプレゼント

世間では「ドル vs ユーロ vs 円」と捉えがちですが、
各国の中央銀行が「通貨マフィア」として結託しているので、
これは明らかに謝った見方です。

本質は「ドルとユーロと円の相場を利用して利益を作り出すシステム」と捉えるべきでしょう。
金融界は、変動相場を上手く利用して投資効率を高めています。

さらに、円高介入で積み上がった外貨は、米国債購入やIMFへの融資に使われます。
これは明らかに日本から欧米や世界への上納金と言えます。


■ 米経済の悪化を覆い隠すユーロ危機 ■

私は世界経済はそろそろ臨界点に達しつつあると思っています。
米国は、QE3を夏ごろまでに実施する可能性が高まるでしょう。

ところが、ユーロ危機がクローズアップされれば、
リスク回避でドルに資金が還流する為に、
QE3の実施を先延ばしする事が出来ます。

一方、メルケルとサルコジが牽引したヨーロッパの緊縮政策は、
EUの経済を悪化させています。
経済が減速しているのですから、当然、財政出動の必要が生じます。
財政を緩めれば、ユーロ安の原因になりますから、
ドルの延命がしばらく続く事になります。

■ ギリシャはユーロを離脱するか? ■

ギリシャにおいても選挙結果はビミョーです。
与野党の議席差は1議席です。

ギリシャの選挙制度では、選挙で勝った第一党には30議席がプレゼントされるので、
実際には国民はかなり現政権に厳しい判断を下した事になりますが、
それでも、半数近くの国民が、現政権を支持したというの
暴動の映像を見慣れた目からは、は少し意外でもあります。

結局暴動はギリシャ国民のガス抜きの機能を果たし、
国民は意外と冷静で打算的なのでしょう。

ギリシャ国民は、ユーロ離脱、デフォルトからの再生が
大きな痛みを伴う事を知っているので、
EUがお金をくれるうちは、ユーロに留まる事が得策だと判断したのでしょう。

今後の政局は非情に流動的ですが、
「何も決められない」日本的な政局になる事で、
ギリシャ危機は、もうしばらくユーロ危機の広告塔を演じる事になりそうです。

■ アイスランドはどうなったのか? ■

ドル、ユーロ、円の三すくみの茶番劇を尻目に、
金融危機で最初に破綻したアイスランドはちゃっかり復活しています。

国民は他国通貨で住宅ローンを組んでいましたが(サムライ債)、
これを見事に踏み倒して、住宅をタダで手に入れています。

そもそも経済規模の小さな国なので、
こういう姑息な手段を用いても、あまり目立たなかっただけですが、
ユーロの恩恵を甘受していたギリシャと、
極寒の魚業国を、教育の力で改革しようとした国の国民性の違いが現れているいる様です。

最も、アイスランドはバイキングの末裔ですから、
その基本方針は「奪え」なのでしょう。