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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ロシアと言えども二面作戦は難しい・・・ウクライナとシリア

2022-02-25 02:16:00 | 時事/金融危機
 
色々と興味深いコメントを頂いていますが、年度末で忙しいので、返信が滞っております。申し訳ありません。コメントは随時公開して参りますので、皆様、思い切り筆を振るって下さい。

世界情勢が慌ただしいので、コメントの返信より、記事によるネタの供給を優先させて頂きます。




■ アメリカの挑発に乗せられたロシア国民 ■

このブログは「世界は裏ではズブズブの関係」という前提で妄想の翼を広げるブログです。その視点から今回のウクライナ情勢を眺めると・・・・

ウクライナのネトウヨ政権は、ウクライナ国内のロシア人勢力やロシア人の多い地域を2014年から攻撃し続けています。陰謀論界隈ではアメリカが裏で糸を引いているというのが定説です。しかし、アメリカとロシアが裏でズブズブの関係だとすると、ウクライナのネトウヨ政権のロシア人迫害は別の姿に見えて来ます。

どの国の国民も戦争は望みません。戦争になれば経済制裁などを受ける為、自由な交易が阻害され、生活にも影響します。ロシア人とて平時は戦争など望みません。

第二次世界大戦の時に、アメリカ国民はヨーロッパやアジアの戦争に関わりたくは無かった。アメリカ国民を一気に戦争止む無しに傾かせたのは。日本の真珠湾攻撃ですが、アメリカは攻撃情報を事前に知りながら、真珠湾を日本に攻撃させて、世論を一気に「戦争止む無し」に押しやった。

私はウクライナ危機も同様にロシア人をウクライナ戦争に駆り立てる「茶番」だと妄想しています。ウクライナ国内で迫害を受けるロシア人の同胞に、情が厚いロシア国民は黙視は出来ません。世論は軍事介で同法を救う事を求めます。プーチンは「強いロシア」の象徴ですから、この世論を無視出来ません。

陰謀論的にはアメリカの挑発にプーチンが乗せられたという見方が大勢ですが、乗せられたのはロシア国民でしょう。プーチンとて国民の望まない戦争は出来ないからです。

■ ウクライナ危機はロシアとヨーロッパのデカップリング の口実 ■

ウクライナはロシアとヨーロッパを繋ぐガスパイプラインの中継地です。今回のロシアの攻撃で、ウクライナのネトウヨ政権は、パイプラインのバルブを閉めるでしょう。

この地政学的な危険性を回避する為に、ロシアとドイツはノードストリーム2という新たなパイプラインを建設していますが、アメリカは建設を請け負う会社に圧力を掛けるなど、この完成をさんざん妨害して来ました。それでもパイプラインは完成しますが、ウクライナ危機をうけて、ドイツ政府はこのパイプラインの使用を断念します。

ロシアとヨーロッパはパイプラインによって繋がれいました。これによってヨーロッパ諸国はロシアに対して強硬な姿勢は取れなかった・・・と言うよりも、米英に対抗する為にロシアとの繋がりを重視していた。ところが、ウクライナ危機はロシアとヨーロッパの関係を強引に断ち切ってしまった。これは「冷戦の為のデカップリング」と言えます。


■ ロシアは当面ウクライナに釘付けになり、中東は手薄に ■

私も意外でしたが、今回のロシアのウクライナ攻撃は本格的です。戦略の基本とは言え、キエフを含むウクライナ国内の防空網をミサイルの先制攻撃で沈黙させた。ロシア人が多く住むドネツク州などをロシア軍が支配しても、航空攻撃を受け続けたらシリア同様に街は廃墟になるからです。

アメリカやNATOはロシアと直接対決を避けたいので、ウクライナ軍に航空攻撃をさせて、自分達は後方支援に回る予定(ヤラセですが)という筋書きにハズです。これが崩れる事で、ウクライナは膠着状態になります。トルコに空爆させるという手も有りますが、プーチンがエルドアンと会談して釘を刺したと思われます。(演出として)

プーチンとエルドアンの会談は、陰謀論的にはもう一つに妄想を掻き立てます。プーチンはウクライナ情勢が落ち着くまで、トルコがシリアにチョッカイを出す事を牽制したハズ。エルドアン政権はアメリカの傀儡とされていますが、シリア空域でトルコがロシア軍機を攻撃した事で、エルドアンはプーチンに睨まれた(という筋書き)。その後、プーチンに尻尾を振るエルドアン政権をアメリカはクーデターで倒そうとしします。(筋書き)ところが、今回のウクライナ情勢ではエルドアンはアメリカ側に着いて物資の輸送などを担当している・・・。

ウクライナ情勢の過熱の影で、トルコはシリア領内への攻撃をイスラエルと共にエスカレートさせています。トルコとシリア国境はクルド人の生活する地域で、クルド人達はトルコからの独立を望んでトルコ政府と対立を続けています。トルコはシリアの内戦のドサクサに紛れてクルド人の勢力を削いで来ました。

プーチンがこの時期にエルドアンと会談する背景には、トルコにウクライナとシリアにチョッカイを出すなと牽制する目的が有るかと。(ヤラセですが)

■ ロシアはウクライナに釘付けにされ、中東の緊張に巻き込まれる中国 ■

最近、イスラエルのシリア攻撃がエスカレートしています。世界の目がウクライナに注がれる中、中東とヨーロッパを繋ぐ拠点であるシリアも混乱が高まっています。

シリア情勢は、アメリカやイスラエル、トルコの攻撃がエスカレートしてシリア政府が陥落しかかった時にロシアの介入で均衡が保たれて来ました。ところがロシアがウクライナで身動きが取れなくなると、シリアが手薄になる。ロシアと言えども、ウクライナとシリアの二面作戦は難しい。

シリアが危機に陥れは、イランがシリアの支援に回らざるを得なくなり、中東情勢は一気に緊迫します。イランとの関係が深い中国も、イランやシリアの支援に回らざるを得なくなり、米中の関係もギスギスする。

ウクライナ情勢では高見の見物を決められた中国ですが、中東での緊張の高まりは黙視出来ません。


■ 強引にデカップリングされる世界 ■

世界の経営者は、次の世界秩序の構築の前段階として、「第二の冷戦」を予定している様ですが、その為には米中のデカップリングは必須です。

アメリカはアップルを始め多くの企業が中国での製造によって利益を上げています。ですから、政権同士がどんなに反目しても、米中のデカップリングは進まなかった。中国製品依存度の高いアメリカが関係を切れなかったとも言えます。

しかし、戦争に伴う経済制裁はデカップリングを一気に進行させ、その先の「冷戦」がし易くなります。


■ デカップリングはインフレを加速する ■

先進国では中国を始めとする新興国の生産力と安い製品が原因で、過剰供給が常態的に発生していたので、インフレ率を押し下げるバイアスが常に掛かっていました。

しかし、中国とのデカップリングが勧めたインフレ率は高まる。そして、ウクライナや中東の混乱は、原油価格を押し上げてインフレ率をさらに高めます。

世界は「グレートリセット」の入り口に差し掛かっていますが、「グレートリセット=ショックドクトリン」の為には、「古いシステムの崩壊」が不可欠です。インフレ率の上昇はその原因になり得る。低金利で生き延びている世界は、金利上昇で崩壊します。

プーチンのウクライナへの思いがけない大規模な攻撃は・・・今後の世界の転換点になる可能性が高いと私は妄想しています。