■ 摩天楼? ■
上の写真を見てNYの摩天楼と思った方も多いでしょう。
現在の上海は、世界有数の都市に成長しました。
空を突く高層ビル群は、経済発展のシンボルであり、
今、この国に渦巻く活気の象徴でもあります。
しかし、経済的にはこのビル群は「投資」の結果でもあります。
経済発展が期待される地域に投資が誘導され、
ビルが建ち、産業が発展し、経済や軍事の覇権を握り・・・そして衰退する・・。
かつて大英帝国が辿ってきた道のりであり、
20世紀のアメリカの軌跡であり、
21世紀のBRICs諸国の姿です。
■ 中国はかつてのアメリカの姿である ■
私達は太平洋戦争に負けた事で、アメリカを絶対視しています。
日本人だけでなく、世界の多くの人がそう考えています。
しかし、100年前のアメリカを思い描いてみて下さい。
現代の中国に酷似している事に気付きませんか?
ヨーロッパの投資家達が、成長力のある新興市場のアメリカに注目し
投資して大きな利益を獲得した事でしょう。
■ イギリスからアメリカでは無く、アメリカから中国である ■
世界の覇権の流れを、英国→アメリカ→BRICsと読むか、
大陸資本家>アメリカ→BRICsと読むかで、
世界は大きく異なって見えます。
資本は経済のみならず政治をも支配します。
かつて大英帝国に集中した巨万の富は、
資本支配という形で、アメリカを影から支配しています。
20世紀はアメリカの時代の様に錯覚されますが、
アメリカというシステムを使って、
ヨーロッパの古い勢力が力を拡大したに過ぎません。
これは投資が利益抜きに為される事が無い事からも容易に理解出来ます。
当然、アメリカにも新たな力が生まれ、
古い勢力と拮抗していくでしょう。
世界は一見、新勢力であるアメリカが勝利した様に見えました。
しかし、現在の金融界や経済界を見る限り、
アメリカの勢力であるCITYバンクやGMは瀕死の状態にあります。
一方、ゴールドマンを始め大陸勢力は、依然権勢を誇っています。
■ アメリカを使い捨てた大陸勢力 ■
ロスチャイルドを始めとする大陸勢力は、
衰退したのでは無く、アメリカを影から支配して利益を還流させていたのです。
2度に渡るヨーロッパの大戦も、
アメリカの成長剤として機能しました。
ロックフェラーがヨーロッパに戦火をもたらたのでは無く、
ロスチャイルドがヨーロッパの戦火でアメリカを成長させたのです。
これは現在のアメリカの自壊行為に似ています。
■ 田中宇氏の「隠れ多極主義」論は二重に捩れている ■
アメリカが自らの自爆行為で衰退しているという
田中宇氏の「隠れ多極主義」論は
アメリカの自壊という見方では多分正しいでしょう。
しかし、どうも2重に捩じれていてスッキリしません。
それよりも、アメリカは今も昔も大陸資本に支配されていて、
キッシンジャーもブレジンスキーも大陸勢力の
アメリカ支配人に過ぎないと考える方がシンプルです。
彼らがアメリカの崩壊を秘密裏に行うのは、
アメリカ国民の目を欺く為に必要なのであって、
大陸勢力を目を欺く為では無いでしょう。
■ アメリカがいつ崩壊するかが問題だ ■
歴史は繰り返します。
成長余力を失ったアメリカは、
次の成長の為の栄養となる運命が待っています。
それは戦争という形で現れるのか、
アメリカ経済の崩壊と、
アメリカからの資本逃避という形で現れるのかは分かりません。
しかし、傾いた大樹は意外と脆いものです。
臨界を越えれば、一気に倒壊します。
それが何時なのか・・・それが問題だ・・・。
そしてその崩壊の過程でも、
大陸勢力は巨万の富を手にするのでしょう。