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ハイブリット華盛り

2010-03-30 11:04:00 | 時事/金融危機



■ あのフェラーリがハイブリット ■

ジュネーブモーターショー2010でフェラーリがハイブリット車を展示したというから驚きです。燃費が30%向上する様です。

■ ロスチャ系自動車会社 ■

ルノーとダイムラーの提携が話題になる一方、トヨタは2013年までにマツダーにハイブリットの技術を供与する事も報じられています。

今までGMと繋がりの深かったトヨタが、フォードと繋がりのあるマツダのハイブリット技術を供与する事は象徴的です。トヨタは米議会公聴会という踏み絵を踏まされて、本格的にロスチャ系自動車会社としての道を歩むのでしょう。トヨタバッシングの真相は意外とトヨタとGMに縁を切らせる事にあったのかも知れません。

ルノー=日産とダイムラーの提携も象徴的です。ダイムラーはかつてクライスラーと提携していましたから、これによってGMとクライスラーは完全に孤立無援となりました。

クライスラーはフィアットと提携していますが、これはフィアット側の生き残り戦略的意味合いが大きいでしょう。クライスラーの販売網目当て提携、米国内でフィアットの小型車をクライラーに生産させ、販売するのが目的です。今後韓国や中国から流入する安い小型車と競合するフィアットは分の悪い戦いを強いられていくでしょう。

GMは意外と、韓国のGM大宇や中国上海汽車との合弁会社「上海通用(GM)」での生産が軌道に乗るかも知れません。これらの安いGM社が米国に輸入されれば、米国内のGMの生産は減らざるを得ません。

消費が低迷し、高級車の大量消費の時代に戻る事の無いアメリカに大きな自動車会社は3社も不必要です。韓国、中国の成長を促す為にもGMとクライスラーは生き残れても、かつての栄華を取り戻す事はありません。アメリカのナショナルブランドとしての自動車メーカーはフォードに集約して行くのでしょう。

■ 本命は原子力発電 ■

原子力利権を手中にするロスチャイルドは、地球温暖化というデマをブースターに、一気に脱石油社会を構築する目論みでした。太陽光発電や風力発電というECO技術は、原発増設の隠れ蓑の様なもので、本命は原子力発電にあります。

ヨーロッパでは80年代に原発建設に反対していた「環境派」が、いつのまにやら「原発はクリーンなエネルギー」というプロパガンダを展開しています。

ビル・ゲイツも原子力発電事業に巨額投資を始めました。そのパートナーに選ばれたのが東芝です。東芝は米原子力企業のウエスティンハウスを傘下に収めてていますから、このパートナーシップは当然の成り行きです。

■ 車をエネルギーストレージにする思惑 ■

ロスチャイルドの考えるエネルギー・資源の将来像は、原油は原料として温存し、エネルギーは原子力で賄うというものでしょう。この事は至って真っ当な考え方です。

しかし原発には弱点があります。それは出力調整が出来ない事です。ピーク時の電力消費量に発電量を合わせると、夜間に電力が余ってしまいます。そこで、従来、火力発電と原発を組み合わせて、火力発電で変動分の電力をコントロールしていました。しかし火力発電所は貴重な石油資源を浪費してしまいます。

そこで、彼らはスマートグリットという概念を宣伝し始めました。太陽光や風力など不安定な自然エネルギーを活用するには、蓄電設備(エネルギー・ストレージ)が不可欠です。このエネルギーストレージを大規模に整備すれば、そのまま原子力発電のエネルギーストレージとして利用出来、一石ニ鳥です。

さらに、このエネルギー・ストレージに電気自動車の蓄電池を利用すれば、ガソリンの使用削減も同時に可能で、一石三鳥です。

そこで、ルノー系の日産は、ハイブリットという中間形態を飛び越して、電気自動車の発売に踏み切ったのでしょう。

一方、ヨーロッパではバイオ燃料を視野に入れて、クリーンディーゼルの開発に力を入れました。

■ 電気自動車の時代は未だ先 ■

しかし、電気自動車は現状では普及しません。充電に時間が掛かる事から、出先で急速充電かバッテリー交換をガソリン給油並の時間で出来なければ、自動車としては不完全の乗り物です。現状では、充電設備やバッテリー交換設備の社会的インフラは全く整っていません。

クリーンディーゼルも有用な技術ですが、バイオ燃料は穀物やアブラナから生産される為、食料生産を犠牲にします。そこで、将来的に食料生産が不足する事態が生じれば、無用な技術となってしまいます。

そこで、ロスチャイルドは戦略を変更して、ハイブリットで暫く時間を稼ぐ事にしたのでしょう。ハイブリットで培われるバッテリーやモーターの制御技術は、電気自動車でもそのまま役に立ちます。

■ ハイブリットに舵を切る世界 ■

ハイブリット車に関しては、省エネ・省資源・廃棄物の観点から必ずしも環境に優しい技術とは言いがたく、私自身は否定的でしたが、ここにきて高級車でのハイブリットの導入が相次いでいる様です。ジュネーブのモーターショーでは先述のフェラーリを始め、多くのメーカーが本腰を入れたハイブリット車を展示しています。

パワーも欲しい、でも環境にも配慮したい。お金は持っているから多少高くても構わない・・・そんなユーザーのニーズにマッチしたのでしょう。ヨーロッパの自動車メーカーは、利益が取れる高級車でハイブリットとしう選択をした様です。

アウディーA8 ハイブリット


ベンツ ディゼル・ハイブリット Eシリーズ


日産 フーガ 独自のハイブリット 11年米発売予定


HONDA CRZ ハイブリット ライトスポーツ


いつの間にやら世の中ハイブリットブームが巻き起っています。

ホンダは小型車はハイブリット、大型車はクリンディーゼルという方針を発表しています。

■ 電気自動車社会の幕開け? ■

ロスチャイルドが原子力社会を作ると決め、それを実行するならば、地球が温暖化しようが寒冷化しようが、その流れを止める事は出来ません。

原子力発電のストレージとして、石油資源の温存策として、電気自動車を推進すると決めたならば、従来のエンジン技術の延長で差別化が可能なクリーンディーゼルで勝負する姿勢を見せていたヨーロッパ勢も、堰を切った様に、「ハイブリット→電気自動車」という流れに方向転換を余儀無くされます。

トヨタによるハイブリットの一人勝は許されず、各社の足並みが揃うまで暫く大人しくさせられているのでしょう。当然、フォードにも技術供与させられて、ハイブリットのリーダーとしての地位は低下していく事でしょう。

■ 日産のグローバル・コンパクトカー ■



一方、日産はマーチの後継となるグローバル・コンパクトカーを発表した模様です。タイでの発売を皮切りに、世界160カ国で発売されます。電気自動車への過渡期でハイブリットが注目される一方、車の低価格・低燃費化も確実に進行しています。こちらは途上国の人のみならず、これから所得が低下していく先進国の皆さんに朗報かもしれません。