目と鼻の先に一級河川の堤防が望める我が家。
低階層なので、ゆるやかに流れる川面は見えない。
代わりに、堤防の上を行き交う人達の様子はよく分かる。
普通に声をかければ届く距離だ。
堤防を降りるとそこには広い河川敷。
休日ともなると、けっこうな賑わいを見せる。
芝生の広がるその一角には、所々薄が背高く群生を成し人影を隠してしまう。
時折その中から、様々な音が聞こえて来る。
ある時はまだ慣れないドラムの鈍い連続音、ある時はトランペットのまだかすれた音。
またある時は詩吟を吟ずる朗々とした響き、等など。
2年程前からだろうか、日曜の午後になると決まって、
バグパイプの音が遠くから近くなり、また遠ざかって行くのが聞こえていた。
最初は雑音と変りなかったのに、今では悠々とメロディを奏でながら行過ぎる。
昼間は微笑ましく感じるその音達なのだが
これからの季節、時間を度外視した呆け者達が黄色い歓声と共に花火を打ち上げるのには
天端に続くコンクリートの階段を駆け上がって怒鳴り倒したくもなる事もあるが
命短し恋せよ乙女・・・心身共に若い季節は極短い。
いつか彼らがずっと大人になった時に、甘酸っぱい想い出と共に振り返るのかと思うと
そうそう目くじらを立てる訳にもいかないだろう。
とは、自分に言い聞かせているだけの事で、虫の居所加減では堤防を睨みつける事もある。
入梅前の夜半、コンクリートの階段の上に腰掛けたシルエット二つ。
話し声からすると若い恋人達・・・ではなく男の子の二人連れのようだ。
しばらくポツリポツリとその声が聞こえていたが、やがて片方がギターを爪弾き始めた。
時間は23時前。また常識外れな時間に・・・とおばちゃんは眉をひそめた。
んがっ!!
えらい上手いんだ、これが!!
現金なもので、耳に心地よい響きは苦にならないどころか、
小気味良いリズムにどんどん引き込まれて思わず聴きこんでしまった。
やがて一際軽やかにギターのボディを叩く音が聴こえた後で夜中のライブは幕を閉じたのだが
・・・お~い、もっと聴かせろ~っ♪♪
闇夜のステージに浮かぶ姿はシルエットのみ。
今はまだ、名もなき若きアーティスト。
熱い演奏を聴かせてくれてありがとう。
あの・・・その・・・なんだ・・・。
ギターが好きで好きでたまらないって感じがものすごいエナジーで伝わって来たんだ。
同時に、その熱い思いをすっかり忘れ去り捨て去っている自分にがっかりしたんだ。
自分が何をしたいのかを全て忘れ去ってしまう前に、ちっぽけでもいいから何かしなきゃ。
時間がないのを言い訳にしてる・・・今のままじゃ嫌だな・・・駄目だな。
バッサバッサと見えない羽根を羽ばたかせてみた・・・・・・ような気分になった。
低階層なので、ゆるやかに流れる川面は見えない。
代わりに、堤防の上を行き交う人達の様子はよく分かる。
普通に声をかければ届く距離だ。
堤防を降りるとそこには広い河川敷。
休日ともなると、けっこうな賑わいを見せる。
芝生の広がるその一角には、所々薄が背高く群生を成し人影を隠してしまう。
時折その中から、様々な音が聞こえて来る。
ある時はまだ慣れないドラムの鈍い連続音、ある時はトランペットのまだかすれた音。
またある時は詩吟を吟ずる朗々とした響き、等など。
2年程前からだろうか、日曜の午後になると決まって、
バグパイプの音が遠くから近くなり、また遠ざかって行くのが聞こえていた。
最初は雑音と変りなかったのに、今では悠々とメロディを奏でながら行過ぎる。
昼間は微笑ましく感じるその音達なのだが
これからの季節、時間を度外視した呆け者達が黄色い歓声と共に花火を打ち上げるのには
天端に続くコンクリートの階段を駆け上がって怒鳴り倒したくもなる事もあるが
命短し恋せよ乙女・・・心身共に若い季節は極短い。
いつか彼らがずっと大人になった時に、甘酸っぱい想い出と共に振り返るのかと思うと
そうそう目くじらを立てる訳にもいかないだろう。
とは、自分に言い聞かせているだけの事で、虫の居所加減では堤防を睨みつける事もある。
入梅前の夜半、コンクリートの階段の上に腰掛けたシルエット二つ。
話し声からすると若い恋人達・・・ではなく男の子の二人連れのようだ。
しばらくポツリポツリとその声が聞こえていたが、やがて片方がギターを爪弾き始めた。
時間は23時前。また常識外れな時間に・・・とおばちゃんは眉をひそめた。
んがっ!!


現金なもので、耳に心地よい響きは苦にならないどころか、
小気味良いリズムにどんどん引き込まれて思わず聴きこんでしまった。
やがて一際軽やかにギターのボディを叩く音が聴こえた後で夜中のライブは幕を閉じたのだが
・・・お~い、もっと聴かせろ~っ♪♪
闇夜のステージに浮かぶ姿はシルエットのみ。
今はまだ、名もなき若きアーティスト。
熱い演奏を聴かせてくれてありがとう。
あの・・・その・・・なんだ・・・。
ギターが好きで好きでたまらないって感じがものすごいエナジーで伝わって来たんだ。
同時に、その熱い思いをすっかり忘れ去り捨て去っている自分にがっかりしたんだ。
自分が何をしたいのかを全て忘れ去ってしまう前に、ちっぽけでもいいから何かしなきゃ。
時間がないのを言い訳にしてる・・・今のままじゃ嫌だな・・・駄目だな。
バッサバッサと見えない羽根を羽ばたかせてみた・・・・・・ような気分になった。
私も極上のショートストーリーを読ませていただいた気分です。
バグパイプはカタツムリの行進みたい(笑)
そう言った女の子の漫画まで思い出してしまいましたよ。
ぽれぽれさんのあったかい視線と若々しさにいつも感動です。
常識ない花火大会には怒鳴り込んで
ぽれぽれさんも若者達の思い出の一部に入り込んでしまえばいいのに。
いやいや昨今はどんな輩がどんな仕返しをするか怖いですから
あたらずさわらずがいいかもしれませんね。
イライラするより(アンタ達だってすぐ老けるのよ)と傍観するほうが精神衛生上よろしいかも。
星空ならぬ闇夜のステージ
ぽれぽれさんみたいに解ってくれる人が
そっと聴いていたなんて…
彼らに教えてあげたいものだわ。
*本日学んだ漢字 『天端』
そういえば、丘の上の王子様もバグパイプの奏者でしたわね♪
若々しさ?
けれど、その実態は・・・
動く時に、よっこらしょどっこいしょと言いながらしか動けない今日この頃。
迫り来る老いに必死で立ち向かわずに素直に流されようとしています。
ギターねぇ、ちょっと興奮してしまいました。
あ、クラッシックじゃないんですよ、ロック系です。
一曲だけ弾き語りがあったのですが、なんと♪かむ とぅぎゃざ~♪
「ビートルズかよっ!」と思わず突っ込みを入れてしまいました(笑)
これから続いてライブがあるようでしたら、そのうち差し入れなどを・・・なんて思ってしまいましたよ
おほほほ・・・堤防の上を“天端”って言う事は私も最近知ったばかりです。
水害対策の為に“スーパー堤防”なるものが将来造られるかもしれないんですって。
ただ、そうなると建て替えですからね。夢物語でしょうね。