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『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

しあわせ

2005年12月14日 02時48分49秒 | 日々の出来事
「しあわせ」という小冊子がある。
文字を書く事に凝っているかぁちゃんに、ヘルパーさんが本棚から見つけて側に置いてくれたものだ。
小さな冊子は落書きだらけで、元の文字がもうすぐ見えない。
その中にかぁちゃんのお気に入りがあって、いつも同じ場所をあけてある。

     楽観主義者とは
     いつもひどいことだらけだが
     ここはまだいい
     わたしは運がよかった
     と言う人のことだ
     現状にまんぞくしいたずらに嘆かぬ人のことだ  
                
                       ソルジェニーツイン

かぁちゃんの手元を見ると、しあわせしあわせ・・・と延々と書き連ねてある。
かぁちゃん、本当にしあわせなのかな。
アルツハイマーになって運がよかったのかな。
認知症と呼ばれても満足できてるのかな。

一つだけ本当だね。
あれ程悩むのが趣味だったのに、今はもういたずらに嘆いていない。
悩まなくても良くなったって事は「しあわせ」なのかもしれないね。
そうね・・・愚痴ばっかりのかぁちゃんを冷たく咎める事はもうなくなった。
それは「しあわせ」って事なんだね、私にとっても。

満月が帰って来た。益々冴えて白く輝いている。
噴水の表には薄氷。微かに月明かりを反射している。
・・・あぁ、本当にしあわせかも。
コメント
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