アジア・オセアニアNews blog ~お日様とお月様の光と影~

アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

19世紀清と李氏朝鮮そして江戸幕府は国家の近代化に失敗した (23)

2013年11月02日 | お日様とお月様の光と影
   1854年5月17日、ペリーは箱館に入港して函館の町に上陸しました。ペリー一行は函館に10日あまり過ごしました。ペリーは函館の町と下田の町の印象を『ペリー艦隊日本遠征記』で語っている。

    
     ペリーの函館の印象
     『地中海入口のジブルタルに酷似しており、広い道路が整然と伸び、排水への
      配備がなされ、敷石が敷かれ、日本の他の町と同様にきわめて清潔である。
      約50キロ離れた幕府直轄地との間にかなりの物資往来がある。幕府の役人は
      函館は貧しいと強調するが。この地の将来性は高い。』
    
     ペリーの下田の印象
     『下田は文明が進んだ町であることが見とられ、町を建設した人々の衛生や健康面
      への配慮は、わが合衆国が誇りとする進歩をはるかに上回っていた。
      排水溝だけでなく下水道もあり、汚水や汚物はじかに海に流すか、町中を流れる
      小川に流し込んでいる。』

  
   函館の土地は米が採れないので農業より漁業が盛んでした。また松前藩は蝦夷地の物流集積港として函館湊を発展させていました。アメリカはイギリスより独立して約80年が経過した新興国で日本の主要都市の文化水準の高さに驚いのだと思う。

   「蝦夷地」現在の北海道は江戸時代はそう呼ばれていました。江戸時代の函館は幕府直轄地であったり松前藩の領地になったりを繰り返していました。それは商業が盛んだった日本に於いて幕閣の蝦夷地利権争いがあったのです。また先住民族アイヌの人々と幕府や松前藩との土地の所有権争いもあったのです。
   それに外交問題として帝政ロシアの極東支配に伴って19世紀初頭より蝦夷地や樺太(サハリン)千島列島などの北方領土問題が有り幕府と帝政ロシアは緊張関係に有りました。そこで幕府は1808年、幕府役人の間宮 林蔵(まみや りんぞう)に対して樺太の探検を命じました。間宮の約20年間に渡る探検は千島列島から樺太そして大陸に渡りウラジオストク地域を探検しました。間宮の極東探検により樺太が島であることを確認しました。そして極東地域に於いては多様な民族が居住しており帝政ロシアの支配は十分ではないことを確認したのです。この様に幕府と帝政ロシアは国境策定の北方領土問題を解決しなければならない外交問題だったのです。

   江戸時代幕藩体制の収入源は米でしたしかし毎年の様に続く台風による災害や天候不順による作物の不作また農民の農地放棄などによ生産量低下が続き幕府と藩の収入は不安定であっのです。幕府は旗本の(徳川将軍家直属の家臣団)軍事力に支えられたいました。そして旗本の領地に於いても米の生産量低下よる収入が減少し旗本の生活は窮乏していました。
   19世紀、日本は不安定な農業より貨幣経済の発達に伴って商業が発展していました。この頃の幕府財政は危機的状況になり12代将軍家斉と13代将軍家慶は幕政改革を行いましたがその都度抵抗勢力により反対され失敗に終わりました。すでに幕府の内政は制度不良を起し機能不全に陥りかけていたのです。

   1854年5月下旬頃、江戸城本丸御殿の御用部屋では安部正弘、徳川斉昭、藤田東湖らが海防強化ための合議をしていました。浦賀奉行より洋式帆走軍艦「鳳凰丸」が6月6日に竣工予定と報告がありました。昨年ペリーが来航し海防強化のため幕府は各藩に対して「大船建造の禁」を解禁し洋式帆走軍艦の建造を許可しました。洋式帆走軍艦の「鳳凰丸」は同型の薩摩藩「昇平丸」水戸藩「旭日丸」より早く竣工したのです。幕府海軍の軍艦洋式化に伴いない現在有る軍艦操練所よりも海軍士官を教育する専門的な海軍教育機関と西洋科学を体系的に教える教育機関が必要となりました。

   安部正弘はこれまでの慣例に囚わていたら「日本は清の様に列強諸国の搾取の餌食になると危機感を持つ数少ない幕府閣僚」でした。まず海防掛(外国交渉専門機関)を常設し専門外交官僚として岩瀬忠震(いわせ ただなり)勝海舟(かつ かいしゅう)大久保忠寛(おおくぼ ただひろ)永井尚志(ながい なおゆき)などの優秀な人材を登用を行いました。
  次に250年も平和な時代が続き軍人である旗本がペリー来航の時に何の役に立たないことが判明したのです。その旗本の子弟に対して洋式調練や砲術などの近代的武装に馴染ませるため「講武所(現東京都千代田区三崎町付近)」を開設することにしました。また専門的な海軍教育機関構想については徳川斉昭が旗本に囚われていては誰も集まらないので「広く各藩から募集すればどうか?」と提案しました。安部も斉昭の提案に賛成し長崎に開設することで内定しつつありました。

  そして洋式帆走軍艦の建造を許可し今後次々と洋式軍艦が竣工するので外国船と日本船とを識別し区別する統一されたデザインの船舶旗「国旗」が必要となりました。幕府は蝦夷地の警備のため幕府軍艦に「日の丸」を掲げていました。しかし当時は統一されたデザインの旗印「国旗」はありませんでした。安部は統一されたデザインの「国旗」を考えてほしいと斉昭に依頼しました。

     東湖は言います
      「大殿、我が国は古来より日の丸を掲げてまいりました」
     斉昭は言います
      「そうじゃ!正弘!日の丸を掲げさせよ!」
     斉昭は「国旗」を日の丸にする様に安部に勧め日の丸のデザインを考える事を快諾しました。

   1854年6月6日、下田と函館との両港開港の詳細交渉のためにペリー艦隊が下田沖に約束通り戻って来ました。その日は日本初の洋式帆走軍艦「鳳凰丸」が竣工する日でもあった。



   つづく 

    『』内は幕末外交と開国 講談社学術文庫 より引用



 お日様とお月様の光と影~東アジア近代化クロニクル(年代記)~ 
 第一部 19世紀清と李氏朝鮮そして江戸幕府は国家の近代化に失敗した
   プロローグ ペリー来航と黒船カルチャーショック!(1)~(23)


 参考文献 
 知れば知るほど徳川十五代 実業之日本社より
 江戸300藩最後の藩主~うちの殿様は何をした?光文社文庫 より
 幕末外交と開国 講談社学術文庫 より

 1990年放送 NHK大河ドラマストーリー 翔が如く 前半 より
 2010年放送 NHK大河ドラマストーリー 龍馬伝  前半 より
 2013年放送 NHK大河ドラマストーリー 八重の桜 前半 より

 文春文庫 司馬遼太郎著 世に棲む日日(1)~(2)より
 文春文庫 司馬遼太郎著 酔って候 より
文春文庫 司馬遼太郎著 最後の将軍 より


  突っ込みどころ満載!
   筆者は司馬遼太郎の作品とNHK大河ドラマにかなりの影響を受けているようです。
 また筆者はこのコラムの様なNHK大河ドラマを観たいそうです。

天安門突入「国際調査を」 米国務省とも協議 ウイグル会議議長  (時事通信)

2013年11月02日 | 中国の内政問題・少数民族弾圧
天安門突入「国際調査を」米国務省とも協議 ウイグル会議議長
時事通信 2013/11/02-15:31)
 【ワシントン時事】在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長(67)は1日、ワシントン市内で時事通信のインタビューに応じ、中国当局が北京・天安門前に車が突入・炎上した事件を「テロ」と断定したことについて「ウイグル人を弾圧するためのでっち上げ。国際的な調査で真相を解明すべきだ」と主張した。
 
 中国当局は事件の背後にウイグル独立派組織「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」の指示があったと断定している。ただ、事件に関する情報は当局の完全なコントロール下にある。
 カーディル氏はこうした現状に対して「ばかげている。家族3人で『自爆テロ』をするなんて聞いたことがない」と批判。その上で、事件を受けて米国務省当局者と1日に会談したことを明らかにし「独自の情報を集め、国際社会に真実を伝える」と訴えた。


中国調査船、またEEZに 沖縄・尖閣沖 (時事通信)

2013年11月02日 | 安全保障と東シナ海紛争
中国調査船、またEEZに=沖縄・尖閣沖
時事通信 2013/11/02-13:24)

 2日午前10時40分ごろ、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島沖で、中国の海洋調査船「濱海512」が日本の排他的経済水域(EEZ)を航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。ワイヤのようなものを海中に6本垂らしており、海保は調査を中止するよう警告した。
 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、海洋調査船は1日も約2時間半にわたり、尖閣諸島・久場島沖の日本のEEZを航行した。

海賊・サイバー対策で協力 日ロ、初の2プラス2  (時事通信)

2013年11月02日 | ロシアのニュース
海賊・サイバー対策で協力 日ロ、初の2プラス2 
時事通信 2013/11/02-12:24)

 日本とロシアは2日午前、東京都内の外務省飯倉公館で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を初めて開き、(1)海賊対策での共同訓練実施(2)防衛・国防相の相互訪問定例化(3)サイバー安全保障協議の立ち上げ-で合意した。日本側には、経済だけではなく安保分野での連携を深めることで、北方領土交渉を進展させる狙いもある。
 
 閣僚協議には、日本側から岸田文雄外相、小野寺五典防衛相、ロシア側からラブロフ外相、ショイグ国防相が出席。2プラス2の枠組みは、米国、オーストラリアに続いてロシアが3カ国目。ロシアにとっては、フランス、米国、イタリア、英国に続き5カ国目。
 協議でロシア側は、日米が共同開発しているミサイル防衛(MD)システムについて懸念を伝えた。これに対し、日本側はあくまで専守防衛のためのものだとして、理解を求めた。 
 
 日本側はまた、日本版NSC(国家安全保障会議)創設や、集団的自衛権の行使を可能にするための憲法解釈の見直しなど、安保政策に関する安倍政権の取り組みを説明。中国の軍備拡張なども念頭に、アジア太平洋地域の安全保障の在り方について意見交換した。
 協議後、4氏は共同記者会見を開いて成果を説明。昼のワーキングランチでは北朝鮮など東アジア情勢について話し合う。この後、ラブロフ、ショイグ両氏は首相公邸を訪れ、安倍晋三首相とも会談する。


天安門車突入のテロ断定、ウイグル人は「弾圧の口実」と非難 (AFP通信)

2013年11月02日 | 中国の内政問題・少数民族弾圧
天安門車突入のテロ断定、ウイグル人は「弾圧の口実」と非難
AFP BBNEWS通信 2013年11月01日 07:07 発信地:北京/中国


【11月1日 AFP】中国・北京(Beijing)の天安門(Tiananmen)広場前で起きた自動車の突入・炎上事件を中国政府が「テロ攻撃」と断定したことについて、中国内外のウイグル人らは、中国政府がこの事件をウイグル人を弾圧する口実にしているとして非難した。中国国内では、大半がイスラム教徒を占めるこの少数民族に対する締め付け強化の兆候が見え始めている。

 北京市警察の30日の発表によると、事件を起こしたのはウスメン・ハサン(Usmen Hasan)容疑者で、母と妻が同乗するスポーツ用多目的車(SUV)に「ジハード(聖戦)」を呼び掛ける旗となたを所持して広場内に突入、初代国家主席の毛沢東(Mao Zedong)の巨大肖像画前で衝突した後、自ら車に火をつけた。

 事件では車内にいた3人と観光客2人の計5人が死亡、40人が負傷したとされている。警察は、事件発生から10時間経たないうちにウイグル系とみられる名前を持つ容疑者5人を拘束したことを、2日後にようやく公表。容疑者らの出身民族については触れられていないが、中国国営紙・環球時報(Global Times)は、事件に関与した容疑者は全員がウイグル人だと伝えている。

 少数民族ウイグルは、中国の極西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に集中して暮らしている。同自治区では、民族間の緊張関係や中国政府への反発が暴力事件に発展することが多々あるが、政府はこうした事件をしばしば「テロリズム」と呼んでいる。一方のウイグル系団体はこの見方を、宗教面・治安面での締め付けを正当化するものとして非難している。

 世界ウイグル会議(World Uyghur Congress、WUC)の米国駐在広報担当はAFPに対し、同事件に関する中国政府の説明は欠陥だらけで差別的なものだと訴え、「テロ事件と断定された理由は、乗車していたのがたまたまウイグル人だったからにすぎない」と述べた。

 さらに、男が家族まで巻き添えにしたこと、また車がほぼ完全に焼け落ちて乗車の3人も焼死したのに、宗教観を示す旗だけ車内に焼け残ったとされたことには疑問が残ると指摘した。同報道官は、この事件を受けてウイグル人が、とりわけ北京でさらに強い弾圧を受ける恐れがあると警告している。(c)AFP

集団的自衛権に理解要請 日ロ、防衛交流を促進 (共同通信)

2013年11月02日 | ロシアのニュース
集団的自衛権に理解要請 日ロ、防衛交流を促進
共同通信47news 2013/11/01 22:10 】
 小野寺五典防衛相は1日、来日したロシアのショイグ国防相と防衛省で会談し、防衛当局間の信頼醸成に向け、自衛隊とロシア軍との部隊間交流促進を図る方針で一致した。小野寺氏は安倍政権の安全保障政策を説明し、ショイグ氏は集団的自衛権行使容認に向けた日本の取り組みに理解を示した。

 日ロ防衛相会談は06年以来、7年ぶり。会談で小野寺氏は「防衛交流を推進させたい」と強調。海上自衛隊とロシア海軍との共同訓練の範囲を、これまでの海上での捜索・救難から、海賊対処やテロ対策まで広げたい考えを伝えたもようだ。


中国公船、領海に2時間 8日ぶり侵入 沖縄・尖閣沖 ( 時事通信 )

2013年11月02日 | 安全保障と東シナ海紛争
中国公船、領海に2時間 8日ぶり侵入 沖縄・尖閣沖
時事通信 2013/09/27-19:14)

 沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で27日午後、中国海警局の「海警」4隻が日本の領海を約2時間航行した。中国公船による領海侵入は19日以来8日ぶりで、今年に入って46日目となった。
 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、海警「1126」「2113」「2146」「2151」が午後3時ごろ、魚釣島西で領海に入り、午後5時すぎに同島北へ抜けた。4隻は27日正午すぎから接続水域内を航行していた。
 侵入した際に海保の巡視船が退去するよう警告したが、海警2151は無線を通じ、日本語と中国語で「釣魚島(尖閣諸島の中国名)および付属の諸島は古来より中国の領土である」と答え、応じなかった。