アジア・オセアニアNews blog ~お日様とお月様の光と影~

アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

総領事館前の少女像 撤去に向けた説得は困難か (NHK NEWSWEB )

2016年12月31日 | 日韓紛争
総領事館前の少女像 撤去に向けた説得は困難か
NHK NEWSWEB 12月31日 4時30分

この問題は、30日、韓国南東部のプサンにある日本総領事館の前に、地元の学生などで作る団体が慰安婦問題を象徴する少女像を設置したもので、団体は31日夜に除幕式を行うことにしています。

外務省の杉山事務次官は、韓国のイ・ジュンギュ(李俊揆)駐日大使に「去年12月の日韓合意の精神に反するもので、極めて遺憾だ。領事機関の安寧を妨害し、威厳を侵害する」として、少女像を早急に撤去するよう強く求めました。

これを受けて韓国外務省は30日夜、「外国の公館の保護について検討する必要がある。政府と地元自治体、そして市民団体など関係者が慰安婦問題を記憶する適切な場所に関して知恵を集められることを期待している」というコメントを出し、関係者と協議したいという意向を示しました。

少女像の設置については、韓国政府としても外国公館を保護する責任を定めた「ウィーン条約」に関わる問題と認識しており、日本との関係悪化も避けたい考えです。

しかし、パク・クネ(朴槿恵)大統領が一連の事件で職務停止となって、政府の求心力が落ちているだけに、外交関係者の間では、世論の反発を抑えて少女像を撤去したり、ほかの場所に動かすよう団体側を説得したりするのは容易ではないという指摘が出ています。

釜山市東区 日本総領事館前の少女像設置を一転容認 あす除幕式 (聯合ニュース)

2016年12月30日 | 日韓紛争
釜山市東区 日本総領事館前の少女像設置を一転容認 あす除幕式
2016/12/30 11:14聯合ニュース 

 【釜山聯合ニュース】

 旧日本軍の慰安婦問題をめぐる韓日合意に反対する韓国の市民団体が在釜山日本総領事館前の公道に慰安婦被害者を象徴する少女像を設置した問題について、管轄自治体の釜山市東区の朴三碩(パク・サムソク)庁長は30日の記者会見で、「市民団体が設置するのを妨げない」と設置を認める方針を示した。同区はこれまで道路法違反などを理由に設置を認めておらず、28日に市民団体が設置した際も強制的に撤去し、像を押収していた。

  同区が一転して設置を認めたのは、激しい世論の反発があったためとみられる。区には29日午前から市民の抗議の電話が殺到し、業務ができない事態となった。区のホームページへの接続者も急増し、同日午後5時ごろに接続不可能となった。

 朴庁長は会見で市民に謝罪した上で、「自治体がこの問題に対処するのは難しい」と述べた。

 市民団体は在釜山日本総領事館前に少女像を再度設置し、31日に除幕式を行うとしている。

釜山の日本総領事館前に再び少女像 自治体が設置容認 ( 聯合ニュース)

2016年12月30日 | 日韓紛争
釜山の日本総領事館前に再び少女像 自治体が設置容認
聯合ニュース 2016/12/30 15:18


 韓国の釜山市東区が30日、在釜山日本総領事館前の公道に旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像を設置することを認めた。このため、一度撤去された像が再び設置された。慰安婦問題をめぐる韓日合意に反対する市民団体が合意から1年となる28日に少女像を設置したが、東区は道路法上許可できないとして像を撤去し、押収した。これについて、区には非難が殺到していた。31日に除幕式が行われる。


ロシアによる米国へのサイバー攻撃「グリズリー・ステップ」 ( AFPBBNEWS)

2016年12月30日 | 南北アメリカのニュース
ロシアによる米国へのサイバー攻撃「グリズリー・ステップ」
AFPBBNEWS 2016年12月30日 12:39 発信地:ワシントンD.C./米国
【12月30日 AFP】

米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省は29日、ロシアの情報機関が過去2年間にわたって米民主党を標的とした電子メールのハッキングを行っていたとする報告書を発表した。米当局者の間で通称「グリズリー・ステップ(Grizzly Steppe)」と呼ばれている一連の攻撃は今年11月の米大統領選以降も続いているとみられるという。

 報告書は、米民主党への大規模なハッキングを行ったサイバー攻撃集団としてロシアの軍参謀本部情報総局(GRU)と結びつきのあるAPT28やロシア連邦保安局(FSB)と関係のあるAPT29などを挙げた。

 FBIと国土安全保障省は、米情報機関が収集した情報を集約する国家情報長官室との共同声明で「複数のロシア情報機関によるこうした行為は、米国政府および米国民を標的とした10年におよぶサイバー攻撃作戦の一環」と指摘している。

 報告書によると、APT29は2015年半ばに米国の教育機関やその他の団体の本物のインターネット・ドメインを使用して、米政府当局者のものも含む1000を超える電子メールアカウントにマルウエアを仕込んだメールを送り付け、いくつかのアカウントから大量のメールを盗むことに成功。16年春にもAPT28が仕組んだフィッシングサイトに誘導されたユーザーに電子メールのパスワードを変更させた。

 今月に入ってからは米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が、米大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏陣営のジョン・ポデスタ(John Podesta)選対本部長の電子メールを盗み、民主党全国委員会(DNC)や下院民主党の選挙運動部門が使っていたコンピューターに侵入したのはAPT28だったと報じていた。(

オバマ大統領「総理の所感は和解の力示す歴史的行為」 (NHK NEWSWEB)

2016年12月28日 | 日米同盟と日本の安全保障
オバマ大統領「総理の所感は和解の力示す歴史的行為」
12月28日 7時30分NHK NEWSWEB

 アメリカのオバマ大統領は、日本時間の28日朝、ハワイの真珠湾で安倍総理大臣とともに、旧日本軍による攻撃の犠牲者を慰霊したあと、所感を述べ、「安倍総理大臣の所感は和解の力を示す歴史的な行為だ」と述べて日米同盟がアジア太平洋と世界の発展を推進してきたと強調しました。


オバマ大統領は安倍総理大臣とともにハワイで真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊したあと、安倍総理大臣に続いて、およそ15分間にわたって、所感を表明しました。

 この中でオバマ大統領は、「安倍総理大臣の所感は和解の力を示す歴史的な行為だ」と述べて安倍総理大臣の発言に感謝するとともに、日米両国が戦争による深い傷を乗りこえ、強固な同盟関係を築いたことを強調しました。

 そのうえで「最も厳しい敵対関係にあったものでも、最も強い同盟関係を結ぶことができる。平和の果実は、戦争による略奪をはるかに上回る。これが真珠湾の揺るぎない事実だ」と述べました。

 そして、「同盟は、新たな世界大戦を防ぎ、国際秩序の強化に貢献している」と述べ、日米両国が戦後、利益と価値を共有することで、アジア太平洋と世界の発展に貢献してきたと強調しました。

 そのうえで、オバマ大統領は「国家や国民はみずから引き継ぐ歴史を選ぶことはできない。しかし私たちは歴史から教訓を学んで将来を描くことは可能だ。報復よりも和解がより多くの果実をもたらすというメッセージを世界に送りたい」と述べて、所感を締めくくりました。

 任期終了まで、残り1か月足らずとなったオバマ大統領は、安倍総理大臣の今回のホノルル訪問を通して、みずからの8年間の任期中、強化に努めてきた日米同盟の価値について、世界に発信したいとしていました。

 アメリカでは、来月20日に就任するトランプ氏次期大統領が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を就任初日に表明すると明言したり、選挙期間中には、在日アメリカ軍の駐留経費の負担増額を訴えたりしていて、新政権のもとでの日米関係の行方が今後の焦点となっています。

安倍首相所感「和解の力」全文 (NHK NEWSWEB)

2016年12月28日 | 日米同盟と日本の安全保障
安倍首相所感「和解の力」全文
NHK NEWSWEB 12月28日 7時26分

 オバマ大統領、ハリス司令官、ご列席の皆さま、そして、すべての、アメリカ国民の皆さま。
 パールハーバー、真珠湾に、いま私は、日本国総理大臣として立っています。
 耳を澄ますと、寄せては返す、波の音が聞こえてきます。
 降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い、静かな入り江。
 私のうしろ、海の上の、白い、アリゾナ・メモリアル。
 あの、慰霊の場を、オバマ大統領とともに訪れました。
 そこは、私に、沈黙をうながす場所でした。
 亡くなった、軍人たちの名が、しるされています。

 祖国を守る崇高な任務のため、カリフォルニア、ミシガン、ニューヨーク、テキサス、さまざまな地から来て、乗り組んでいた兵士たち  が、あの日、爆撃が戦艦アリゾナを二つに切り裂いたとき、紅蓮の炎の中で、死んでいった。
 75年が経ったいまも、海底に横たわるアリゾナには、数知れぬ兵士たちが眠っています。
 耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、兵士たちの声が聞こえてきます。

 あの日、日曜の朝の、明るく寛いだ、弾む会話の声。自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。最後の瞬間、愛する人の名 を叫ぶ声。
 生まれてくる子の、幸せを祈る声。
 一人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。
 愛する妻や、恋人がいた。
 成長を楽しみにしている、子どもたちがいたでしょう。
 それら、すべての思いが断たれてしまった。
 その厳粛な事実を思うとき、私は、言葉を失います。
 その御霊よ、安らかなれー。
 思いを込め、私は日本国民を代表して、兵士たちが眠る海に、花を投じました。



 オバマ大統領、アメリカ国民の皆さん、世界の、さまざまな国の皆さま。
 私は日本国総理大臣として、この地で命を落とした人々の御霊に、ここから始まった戦いが奪った、すべての勇者たちの命に、戦争の犠牲 となった、数知れぬ、無辜の民の魂に、永劫の、哀悼の誠を捧げます。
 戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。
 私たちは、そう誓いました。

 そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。
 戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。
 この場で、戦艦アリゾナに眠る兵士たちに、アメリカ国民の皆さまに、世界の人々に、固い、その決意を、日本国総理大臣として、表明いたします。



 昨日、私は、カネオへの海兵隊基地に、一人の日本帝国海軍士官の碑(いしぶみ)を訪れました。
 その人物とは、真珠湾攻撃中に被弾し、母艦に帰るのをあきらめ、引き返し、戦死した、戦闘機パイロット、飯田房太中佐です。
 彼の墜落地点に碑を建てたのは、日本人ではありません。
 攻撃を受けた側にいた、米軍の人々です。
 死者の、勇気を称え、石碑を建ててくれた。
 碑には、祖国のため命を捧げた軍人への敬意を込め、「日本帝国海軍大尉」と、当時の階級を刻んであります。 


 The brave respect the brave.
 「勇者は、勇者を敬う」

 アンブローズ・ビアスの、詩(うた)は言います。
 戦い合った敵であっても、敬意を表する。
 憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。
 そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。
 戦争が終わり、日本が、見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれた のは、米国であり、アメリカ国民でありました。
 皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、命をつなぐことができました。
 そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。
 米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは、平和と繁栄を享受することができました。
 敵として熾烈に戦った、私たち日本人に差しのべられた、こうした皆さんの善意と支援の手、その大いなる寛容の心は、祖父たち、母たち の胸に深く刻まれています。
 私たちも、覚えています。
 子や、孫たちも語り継ぎ、決して忘れることはないでしょう。



 オバマ大統領とともに訪れた、ワシントンのリンカーン・メモリアル。
 その壁に刻まれた言葉が、私の心に去来します。

 「誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う」。
 「永続する平和を、われわれすべてのあいだに打ち立て、大切に守る任務を、やりとげる」。
 
 エイブラハム・リンカーン大統領の、言葉です。
 私は日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに、心からの感謝を申し上げます。



 あの「パールハーバー」から75年。
 歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国となりました。
 それは、いままでにもまして、世界を覆う幾多の困難に、ともに立ち向かう同盟です。
 明日を拓く、「希望の同盟」です。
 私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」です。
 私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。
 それは、この、和解の力です。
 戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。
 憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。
 寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ、必要としています。
 憎悪を消し去り、共通の価値のもと、友情と、信頼を育てた日米は、いま、いまこそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え 続けていく、任務を帯びています。
 日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。




 私たちを見守ってくれている入り江は、どこまでも静かです。パールハーバー。
 真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。
 私たち日本人の子どもたち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子どもたちが、またその子どもたち、孫たちが、そして世界中の  人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれる事を私は願います。
 そのための努力を、私たちはこれからも、惜しみなく続けていく。オバマ大統領とともに、ここに、固く、誓います。
 ありがとうございました。

安倍首相、オバマ大統領と真珠湾訪問 アリゾナ記念館で献花 (AFP BBNEWS)

2016年12月28日 | 日米同盟と日本の安全保障
安倍首相、オバマ大統領と真珠湾訪問 アリゾナ記念館で献花
AFP BBNEWS 2016年12月28日 07:00 発信地:パールハーバー/米国


【12月28日 AFP】

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相とバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は27日(日本時間28日)、ハワイ(Hawaii)の真珠湾(Pearl Harbor)を訪問し、米国の第2次世界大戦(World War II)参戦の引き金となった奇襲攻撃の犠牲者に慰霊の献花を行った。

 両首脳は、戦艦アリゾナ(Arizona)の乗組員らの慰霊施設アリゾナ記念館(Arizona Memorial)で、1941年12月7日に死亡した米国人2400人以上に追悼の意を表するため、平和のユリの花輪を供え、黙とうをささげた。(c)AFP
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日米首脳が真珠湾で慰霊、安倍首相「平和国家の歩み貫く」 (ロイター)

2016年12月28日 | 日米同盟と日本の安全保障
日米首脳が真珠湾で慰霊、安倍首相「平和国家の歩み貫く」
ロイター 2016年 12月 28日 08:31 JST

[真珠湾(米ハワイ)/東京 28日 ロイター]

  安倍晋三首相とオバマ米大統領は現地時間27日、米ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館を慰霊のために訪問した。安倍首相は訪問後の演説で、同地から始まった戦いが奪った全ての命に哀悼の誠をささげると述べるとともに、戦後に不戦の誓いを貫き、平和国家として歩んできたとし、今後も貫いていくと語った。

 安倍首相はアリゾナ記念館について「私に沈黙を促す場所」と指摘。日本軍の攻撃で死亡した米軍関係者のそれぞれの人生に対し「厳粛な事実を思う時、言葉を失う」と述べた。

 そのうえで「御霊安らかなれ」という思いを込めて「日本国民を代表して花を投じた」と語った。


 また安倍首相は、戦後の日本の歩みに言及し、「不戦の誓いを貫いてきた。70年間、平和国家の歩みを続けてきたことに静かな誇りを持っており、これからも貫いていく」と述べた。

 さらに、戦後は米国からの経済的支援で国民生活が支えられてきたと指摘し、日本の国際社会復帰に道を開いてくれたことにも謝意を表明。こうした米国人の「寛容の心」は日本人の心に深く刻まれているとした。

 そのうえで安倍首相は、日米は「歴史にまれな希望の同盟」であり、そこには寛容の心がもたらした和解の力があると強調した。

 また、真珠湾が世界の人々にとって、和解の象徴として記憶されることを願うと述べた。

石垣市長 陸上自衛隊配備受け入れ意向示す (NHK NEWSWEB)

2016年12月26日 | 安全保障と東シナ海紛争
石垣市長 陸上自衛隊配備受け入れ意向示す
NHK NEWSWEB 12月26日 13時08分

防衛省は、南西地域の防衛体制を強化するため、石垣島に500人から600人規模の陸上自衛隊の部隊を配備する計画です。この計画をめぐり、石垣市の中山市長は26日の記者会見で、「石垣市の行政区である尖閣諸島周辺で中国公船による領海侵犯が相次ぐなど、安全保障環境は厳しさを増している。日本の生命線であるシーレーンの確保など、南西諸島地域の防衛体制の充実は極めて重要だ」と述べました。

そのうえで中山市長は、「石垣島への陸上自衛隊の配備を理解し、防衛省に対し、配備に向けた手続きを開始することを了承する。現段階で『もろ手をあげてオーケー』というわけではないが、最終的には受け入れることになると思う」と述べ、部隊を受け入れる意向を示しました。

この問題をめぐって住民の間では、陸上自衛隊部隊の配備は災害時の初動対応にも役立つなどとして賛成の意見がある一方、基地の建設によって紛争を招くことになるなどとして反対する意見もあり、賛否が分かれています。

慰安婦合意から1年 反対世論にも履行進む (聯合ニュース)

2016年12月26日 | 日韓紛争
慰安婦合意から1年 反対世論にも履行進む
聯合ニュース 2016/12/25 08:13

【ソウル聯合ニュース】「今回の発表により、日本政府と共に、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」――。

 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が昨年12月28日、ソウル市内で開かれた岸田文雄外相との会談後、共同記者会見で旧日本軍の慰安婦問題をめぐる交渉の妥結を発表してから間もなく1年となる。

合意を通じ、日本政府は「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」として、「責任を痛感している」と表明した。また、岸田外相が安倍晋三首相の「おわびと反省の気持ち」を伝えた。慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復し、心の傷の癒やしのための事業を行う財団を設立し、日本政府の予算で10億円を拠出することにした。

 その上で、両氏はそろって同問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを宣言した。

 1990年代の「アジア女性基金」や韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権(2008~13年)時代に合意寸前に決裂したいわゆる「佐々江案」(日本首相の謝罪の手紙や日本政府予算を使った補償などを盛り込んだ解決案)の失敗を経て交渉のテーブルについた両国の政府は20カ月の間、10回以上局長級協議を開くとともに、李丙ギ(イ・ビョンギ)大統領秘書室長(当時)と谷内正太郎国家安全保障局長が10回近く秘密接触を行うなどし、ようやく合意に至った。


 中国をけん制するための韓米日の3カ国連携に必要な韓国と日本の関係改善を求める米国の要求、韓国内外で提起されていた中国傾斜論、日本との関係悪化への懸念などが合意の背景にあったという見方が多い。

 慰安婦問題を日本との首脳会談とリンクさせてきた朴槿恵(パク・クネ)大統領は昨年11月2日の安倍首相との初めての首脳会談から約1カ月後、慰安婦合意にゴーサインを出した。発表は両国の外相が行ったが、両首脳の政治的な決断による合意だった。

 両国政府は速やかに合意の履行に入った。

 韓国政府は今年7月、慰安婦被害者の支援を行う「和解・癒やし財団」を発足させた。合意当時に生存していた被害者46人中、半数以上が日本政府の拠出金で支援を受けたか、受ける意向を表明している。日本が履行する措置は事実上終わり、韓国の被害者支援事業も折り返し点を過ぎた。

 だが、被害者の理解を得る手続きが不十分だったこともあり、合意は韓国内で歓迎されなかった。

 日本政府が責任を認め、政府の予算で被害者支援に乗り出したことは成果だったが、「法的責任」を認定するよう求める被害者の期待には及ばなかった。安倍首相が10月3日、おわびの手紙を被害者に送る可能性について「毛頭考えていない」と述べると、謝罪の真意を疑う声が高まった。

 間もなく1年を迎える合意は両国の国民に認められず、「政府間の合意」として残っている。さらに、韓国の野党は合意の無効を主張しており、「最終的かつ不可逆的」な合意として残るかどうかは未知数だ。

 韓国外交部東北アジア局長などを務めた趙世暎(チョ・セヨン)東西大教授は合意の本質的な問題は「コミュニケーション不足」にあるとして、「政府が設立した慰安婦支援財団に対抗し、民間が『正義記憶財団』をつくったこと自体が被害者と支援団体に対する説得努力が足りなかったことを示している」と指摘する。また「合意を予定通り履行することは重要だが、次期政権が発足した後、合意に対する反対と不満が大きくなり破棄せざるを得ない事態になることを防ぐためにも、政府は一歩立ち止まって国民に理解を求め、説得するため謙虚に努力しなければならない」と提言した。

 ソウル大の朴チョル熙(パク・チョルヒ)国際大学院長は「合意を批判することはできるが、再交渉は日本という相手があるだけに現実的ではない」として、「すでに『和解・癒やし財団』の支援を受けた被害者がおり、生存者が減っている現実的な限界も認識すべきだ」と述べた。