アジア・オセアニアNews blog ~お日様とお月様の光と影~

アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

EUとのEPA交渉 大枠合意 ~EUにとっての意義~ (NHK NEWSWEB)

2017年07月06日 | 日本経済とイノベーション
 前の記事のつづき 

EUとのEPA交渉 大枠合意
NHK NEWSWEB 7月6日 4時12分


EUにとっての意義

  日本とEUのEPAが発効すれば、人口6億3000万余りの巨大市場での貿易がさらに活発になることが期待されます。

  日本とEUの去年1年間の貿易額をあわせるとおよそ11兆7000億ドル、日本円でおよそ1330兆円と世界全体の貿易額のおよそ37%を占め、GDPの合計は世界全体の28%余りに当たります。

  EUは日本とのEPAで日本への輸出が34%増え、EUのGDPを最大で0.76%押し上げる効果があると見込んでいます。

  EUは活発な貿易が域内の企業の競争力を強化し、経済成長や雇用の拡大につながるとして、自由貿易の推進を掲げてきました。

  歴史的に関係の深い中東やアフリカ各国をはじめ、韓国やカナダなど世界の91の国や地域との間で43の貿易協定を結んでいます。

  現在もメキシコとの貿易協定の改定や、ブラジルやアルゼンチンなどで作るメルコスール=南米南部共同市場との間で協定の締結に向けた交渉を進めています。

  先月開かれたEU首脳会議ではアメリカがTPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱するなど、保護主義的な姿勢を強める中、「保護主義と闘う」という文言を盛り込んだ文書を採択しています。

  アメリカに次ぐ経済規模のEUは、4位の日本とのEPAで、自由貿易を推進する姿勢を改めて強調する狙いがあります。

  EUは、日本との交渉では、一部でTPPの合意を上回る内容を求めてきました。EUとしてはより有利な条件を日本から引き出すことで、イギリスとの離脱交渉が続く中、加盟国に対しEUのメリットをアピールし、求心力を高めたいという思惑もあります。


EUの期待と懸念

  EUは加盟国に農業国も多く、日本と大枠合意したEPAを通じて、食品や農産物の輸出が拡大することに期待しています。
  
  ヨーロッパ産のワインやチーズ、スパゲッティ、チョコレートなどは日本でも人気が高い一方、EUによりますと、これらの品目の中には日本が30%前後の関税をかけているものもあるということです。EUとしては関税の撤廃や引き下げによって、日本市場でヨーロッパの農産品の価格競争力を強化したい考えです。

  このうちチーズについて、EUは原則としてすべての関税を撤廃するよう求め、交渉の焦点の1つになってきました。EUのチーズの生産量は世界最大で、去年の輸出額は36億ユーロ、日本円にして4600億円余りと農産物ではワインなどに並ぶ主力の輸出品です。
 
  ヨーロッパではおととし、チーズの原料にもなる牛乳について、EUが生産を調整して価格を維持する制度を廃止したことなどから牛乳は供給過剰となり、価格の下落に抗議した酪農家が各地で抗議活動を行いました。このためEUは、牛乳の需要を増やせるチーズの輸出拡大に取り組んでいて、日本とのEPAの交渉でも力を入れてきました。


  一方、日本とのEPAをめぐってEU側は自動車産業への影響を特に懸念しています。ヨーロッパの自動車メーカーで作る業界団体によりますと、EU域内で自動車産業に従事する人はおよそ1260万人で、雇用総数のおよそ6%に当たり、EUの経済を支える主要産業だとしています。EUに輸入される乗用車の中では日本からのものが最も多く、業界団体によりますと、去年はおよそ900億ユーロ、日本円で11兆5000億円余りで、乗用車の輸入額のおよそ24%を占めています。

 また台数では日本から輸入された乗用車は57万台余りで、EUから日本へ輸出される台数のおよそ2倍になっています。EUは日本の乗用車に10%の関税をかけてきましたが、7年で撤廃することで合意し、業界団体は日本からの乗用車の輸入がさらに増えることになると懸念を強めています。一方で、EU域内には日本の自動車メーカーの工場が14か所、研究・開発拠点は16か所あり、合わせて3万4000人が雇用されているということです。

  このためEU側には、EPAが発効して貿易がさらに活発になれば、現地生産を行う日本メーカーの工場が増え、雇用も増える可能性があるという見方も出ています。
コメント

EUとのEPA交渉 大枠合意 (NHK NEWSWEB)

2017年07月06日 | 日本経済とイノベーション
EUとのEPA交渉 大枠合意
NHK NEWSWEB 7月6日 4時12分

  日本とEU=ヨーロッパ連合のEPA=経済連携協定の交渉は、5日、ベルギーのブリュッセルで行われた閣僚協議で大枠合意に達し、GDP=国内総生産では世界のおよそ30%に及ぶ日本にとって最大規模の貿易協定が結ばれる見通しになりました。

  日本とEUのEPAをめぐり、5日、EU本部があるベルギーのブリュッセルで、閣僚協議が開かれ、岸田外務大臣とEUで通商政策を担当するマルムストローム委員が大枠合意に向けて最終的な調整を行いました。

  その結果、岸田大臣は日本時間の5日夜、記者団に対し、「先の閣僚協議で詰めることができなかった重要な論点を解決し、閣僚間で、大枠合意の達成を確認することができた」と述べ日本とEUのEPA交渉が閣僚協議で、大枠合意に達したことを明らかにしました。

  これによって、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からアメリカが離脱する中で、双方のGDP=国内総生産をあわせると世界のおよそ30%に及ぶ、日本にとって最大規模の貿易協定が結ばれる見通しになりました。

  これについて岸田大臣は、「日本とEUのEPAは大規模な先進経済圏の間での、初めての経済連携協定となる。合意内容は世界に範を示すに足る包括的で、レベルが高く、バランスのとれたものだと自負をしている」と述べ、成果を強調しました。

  一方、岸田大臣は、今回、閣僚間で合意した内容は、首脳会談で最終的な確認が行われるとして、具体的な合意内容は日本時間の6日行われる安倍総理大臣とEUのトゥスク大統領やユンケル委員長との首脳会談のあとに公表されるということです。

  これまでの交渉で、最大の焦点となっていた乗用車やチーズについては、EUが乗用車の関税を7年で撤廃するほか、日本のチーズの関税は、国内の酪農家が今後、生産を維持拡大することにも十分配慮しながら、ヨーロッパのソフトチーズに一定の枠を設けて15年かけて撤廃することでほぼ合意したということです。また、ワインの関税は双方が即時に撤廃することになりました。

  一方、日本酒にEUがかけている1リットル当たり最大およそ10円の関税の即時撤廃や、緑茶の関税の即時撤廃のほか、それに、日本からEUへの輸出が多い「ホタテ」にかかっている、11%の関税も一定の期間を経て撤廃することで合意され、今後、日本の食品についてもEUへの輸出拡大が期待されそうです。


 以下次の記事につづく
コメント

房総半島沖にレアメタル含む岩石 東京23区の1.5倍の規模 (NHK NEWSWEB)

2017年06月05日 | 日本経済とイノベーション
房総半島沖にレアメタル含む岩石 東京23区の1.5倍の規模
NHK NEWSWEB 6月5日 16時11分


海洋研究開発機構などの研究グループは、ことし4月23日から先月1日にかけて、千葉県の房総半島から東南東におよそ350キロの海底で、30年近く前に発見された「コバルトリッチクラスト」と呼ばれるコバルトなどの希少な金属、「レアメタル」を多く含んだ岩石の集まりがどのくらいの範囲に広がっているのか、無人の深海探査機を使って詳しい調査を行いました。

その結果、古い海底火山の水深1500メートル付近から5500メートル付近にかけて斜面全体が「コバルトリッチクラスト」で覆われ、その面積はおよそ950平方キロメートルと、東京23区の面積のおよそ1.5倍に匹敵する規模で広がっていることがわかりました。

また、「コバルトリッチクラスト」の層の厚みは10センチ余りあり、世界のほかの海域で見つかっているものよりも2倍前後、厚みがあることもわかったということです。

調査を行った海洋研究開発機構の鈴木勝彦ユニットリーダーは「本州から近い海域にこれほど大量に資源が存在していることがわかり、驚いている。ほかにも存在している可能性があり、日本近海での海底資源開発の可能性について技術的に可能かどうかも含めて引き続き調査を進めたい」と話しています。


日本近海の現状は

「レアメタル」と呼ばれる希少な金属のコバルトやニッケルは、ハイブリッド車やスマートフォンのバッテリーに使われるなど最先端の工業製品に欠かせないものとなっていますが、日本はすべてを輸入に頼っています。

ただ、コバルトの世界1位の輸出国であるアフリカのコンゴ民主共和国は現地の政情が安定せず、取り引きが滞ることがあるほか、ニッケルを輸出しているインドネシアやフィリピンも輸出を禁止する措置を取ることがあり、原料の供給が安定しないことが課題になっています。

こうした中、日本は2001年から小笠原の南鳥島周辺の太平洋で海底資源の調査を進め、2009年以降コバルトなどのレアメタルを多く含んだ岩石の集まり「コバルトリッチクラスト」を相次いで発見しています。

また、「コバルトリッチクラスト」は南鳥島よりさらに南の公海にも存在していると見られることから、日本は3年前、南鳥島近くの公海で独占的に探査する契約を国際機関と結び、こうした海域での海底資源開発の可能性について、技術面とコスト面の両面から調査を進めています。


今回、房総半島からおよそ350キロという本州の近海で「コバルトリッチクラスト」の大規模な広がりが確認されたことで、これまで調査を進めていた南鳥島の周辺の海域やそれより南の公海だけでなく、本州のすぐ近くの海域でも海底資源を商業利用できる可能性があるのか、調査が進められることになります。
コメント

みちびき2号、打ち上げ成功 日本版GPS、4基体制へ 測位精度が向上・H2Aで (時事通信)

2017年06月01日 | 日本経済とイノベーション
みちびき2号、打ち上げ成功 日本版GPS、4基体制へ 測位精度が向上・H2Aで 
(時事通信  2017/06/01-12:17)

  三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日午前9時17分、日本版GPS(全地球測位システム)の実現を目指す政府の準天頂衛星「みちびき」2号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Aロケット34号機で打ち上げた。みちびき2号は約28分後にロケットから切り離され、予定の軌道に投入された。打ち上げは成功した。

 みちびきは米国のGPSを補完する日本独自の測位衛星。GPSの測位情報を補正して誤差を1メートル程度に縮小するほか、国土地理院が全国に設置した電子基準点と連携し、数センチ~数十センチ単位の精密測位を実現する。GPSと異なり、日本のほぼ真上(準天頂)にいる時間が長い軌道を飛ぶため、ビルの谷間や山間部など電波の届きにくい「死角」を減らす効果もある。

 軌道の関係で、みちびき1基が日本上空をカバーするのは1日約8時間。24時間運用には最低でも3基が必要になる。みちびきを所管する内閣府は、2010年の1号機と今回の2号機に続き、年内に2基(うち1基は静止軌道に投入)を打ち上げて4基体制を構築し、来年4月から測位データの提供を開始する。


 同センターで記者会見した鶴保庸介宇宙政策担当相は「4基体制が実現すれば、自動運転や農業、建設などに利用が広がる。新たなイノベーション(技術革新)への努力もしており、可能性を秘めた技術だ」と述べた。

 みちびきの信号を受信するには対応端末が必要で、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」などが対応している。

 既に始まっている実証実験では、建設工事や農作業の自動化、高度なナビゲーションシステムなど、さまざまな利用に向けた検証が進められている。

コメント

iPSで脊髄損傷の機能回復目指す臨床研究を申請 (NHK NEWSWEB)

2017年02月10日 | 日本経済とイノベーション
iPSで脊髄損傷の機能回復目指す臨床研究を申請
NHK NEWSWEB 2月10日 11時30分

この臨床研究は、慶応大学の岡野栄之教授と中村雅也教授らのグループが計画しているもので、10日、学内の倫理委員会に実施の申請を行いました。

臨床研究では、脊髄を損傷した18歳以上の患者7人に、iPS細胞から作った神経の基になる細胞を移植し、動かなくなった手や足など体の機能の回復を目指します。グループでは、世界初となる手術を来年前半にも行うことを目指していて、倫理委員会に続いて、国などの委員会の了承を求めることにしています。

グループによりますと、国内では毎年およそ5000人が交通事故などで脊髄損傷になっていますが、有効な治療法は確立されていません。慶応大学の岡野栄之教授は「これまで20年近く、脊髄を再生させる研究を行ってきた。今回の臨床研究は、これに最新のiPS細胞の技術を組み合わせた世界初のもので、成功させたい」と話しています。
コメント

日米首脳会談、TPP代替案での早期合意模索へ 米当局者 (ロイター)

2017年01月27日 | 日本経済とイノベーション
日米首脳会談、TPP代替案での早期合意模索へ 米当局者
ロイター 2017年 01月 27日 09:28 JST


[ワシントン 26日 ロイター]

 トランプ米大統領は、2月に予定される安倍晋三首相との首脳会談で、環太平洋連携協定(TPP)に代わる2国間協定での早期合意を求める方針だ。米政権当局者が26日、明らかにした。

 この当局者は「安倍首相の訪米はTPPの代替案を見いだす場になるとみている」と述べた。

 その上で「TPPのために首相が投じた政治的資本に配慮し、代替案について首相との協力に努める」とした。

 トランプ大統領は26日、TPPなどの多国間協定ではなく複数の2国間協定を締結する考えをあらためて表明。米国が不当に扱われた場合、30日前までの通告で協定を停止できる内容も盛り込むとした。

同当局者は、日米貿易協定が「どのような輪郭になるかは明白だ」としながら詳細には踏み込まず、「長期にわたる交渉が必要かどうか分からない。正式な自由貿易協定(FTA)に先立ち、第1段階の措置を導入する可能性もある」と述べた。

 また「貿易面で何が不利で何が有利かはかなり明白だ」とし、「貿易については幾つかの面で比較的早期に何らかの対応をすることが特に難しいとは思わない」と述べた。

 ホワイトハウスはこの当局者の発言についてコメントを控え、「安倍首相の訪米と日本との生産的な関係構築を楽しみにしている」と表明した。

日米首脳会談は2月10日に開く方向で調整に入ったと報じられているが、正式な発表はまだない。
コメント

保護主義的トランプ発言に身構える日本、対応求める声も (ロイター)

2017年01月13日 | 日本経済とイノベーション
保護主義的トランプ発言に身構える日本、対応求める声も
ロイター2017年 01月 12日 19:08 JST

(梅川崇、中川泉 取材協力:竹本能文、伊藤純夫 編集:山口貴也、田巻一彦)


[東京 12日 ロイター]

  トランプ米次期大統領が「国境税」(ボーダータックス)の導入意思をあらためて示し、第2次世界大戦以降の自由貿易体制に陰りが出てきた。対米貿易黒字の日本へ圧力がかかり続ければ、グローバルに展開する日本企業の打撃になるだけでなく、保護主義への懸念から円高になるリスクもある。

政府内では事態が深刻化した場合に備え、企業支援を柱とする政策対応を求める声も浮上している。


<政府が密かに作成した資料、対米投資の巨額さ強調>

 黙っていたら通商摩擦に発展しかねない――。中国や日本を名指しし、貿易の不均衡是正を主張するトランプ氏の発言を受けて、日本政府関係者のひとりは危機感を示す。

 「経済成長と貿易赤字の拡大は、コインの裏表。にもかかわらず『不当な貿易』と国名を挙げて名指しするとは」と、別の政府関係者も、トランプ氏の会見での発言に驚きを隠さない。

 昨年11月のトランプ次期米大統領と安倍晋三首相の会談を踏まえ、安倍首相がトランプ氏との友好関係の構築を強調したが、11日の会見を受けて政府内の警戒感は強い。

 在米日本大使館は、米商務省などのデータをもとに日本の対米直接投資が311億ドルと、ドイツの255億ドル、カナダの250億ドルを抑え「20カ国・地域(G20)の主要国の中で最大」と明記した資料を作成した。

 資料では、14年までの累計で「日本の多国籍企業」が83万9000人分の雇用を米国内で生み出したことも例示し、「日米関係がウィン・ウィンであることを働きかける」(先の関係者)とみられる。



<国境税現実なら、日本企業にも打撃>

 しかし、過去の実績だけで収拾をはかれるかは不透明だ。実際、政府内には「オバマ政権下での実績を示してもトランプ氏の心には響かない」「これまでとは異なるアプローチも必要」との声がある。
 
 先の政府関係者は、円高が急速に進んだ場合に「通貨当局のけん制発言(口先介入)や、場合によっては、日銀による追加緩和が必要になるかもしれない」と述べている。

日銀内では、米株の乱高下や円高を材料にした日本株の下落に対し、楽観的な見方が多い。トランプ相場の期待先行の面が浮き彫りになっているものの、トランプ氏が主張してきた減税やインフラ投資の実施は大きなブレがなく、成長重視の政策が展開されるとの見方が多い。


 そのうえで、日銀が長期金利をゼロ%程度に固定する現行政策を堅持することによって、円安・物価上昇が進むと多くの幹部は想定している。

 12日の会見で菅義偉官房長官は「日本企業は、米国のよき企業市民として認知されている」と強調した。

 だが、20日の正式就任以降、どのような「トランプ砲」が発射されるのか、その「方向」次第では、日本政府内に再び、緊張感が張り詰める局面もありそうだ。


 マクロ動向に詳しいある政府関係者は「安いところでモノを作って、高く売れるところで販売するというモデルが崩れることを覚悟する必要が出てきた」と危機感を募らす。

米国内で生産する自動車や電機などの日本企業が増え、日本から直接、米国向けに輸出する量は、1980年代と比べて大幅に減少している。

 しかし、中国を含めた新興国から完成品だけでなく、部品も含めて輸出しているケースが多く、ボーダータックスが設定された場合、かなりの打撃が日本企業に加わるリスクが存在する。

 その政府関係者は「今後のトランプ氏の政策展開を見極める必要があるが、日本企業にとって、一時的な打撃もあり得る。深刻になりそうなら、経済対策の立案も視野に入れるべきだ」と話す。



<保護主義懸念の円高リスク>

 もう1つのリスクは、トランプ政策の保護貿易的側面に光が当たり過ぎ、これまでのドル高/円安、株高のシナリオが一転、ドル安/円高、株安へと急変する展開だ。


 の政府関係者は、円高が急速に進んだ場合に「通貨当局のけん制発言(口先介入)や、場合によっては、日銀による追加緩和が必要になるかもしれない」と述べている。

日銀内では、米株の乱高下や円高を材料にした日本株の下落に対し、楽観的な見方が多い。トランプ相場の期待先行の面が浮き彫りになっているものの、トランプ氏が主張してきた減税やインフラ投資の実施は大きなブレがなく、成長重視の政策が展開されるとの見方が多い。


 そのうえで、日銀が長期金利をゼロ%程度に固定する現行政策を堅持することによって、円安・物価上昇が進むと多くの幹部は想定している。

 12日の会見で菅義偉官房長官は「日本企業は、米国のよき企業市民として認知されている」と強調した。

 だが、20日の正式就任以降、どのような「トランプ砲」が発射されるのか、その「方向」次第では、日本政府内に再び、緊張感が張り詰める局面もありそうだ。
コメント

消費増税再延期 日本国債格付け評価のマイナス要因 (NHK NEWSWEB)

2016年06月03日 | 日本経済とイノベーション
消費増税再延期 日本国債格付け評価のマイナス要因
NHK NEWSWEB 6月3日 5時31分

 これは、安倍総理大臣が来年4月の消費税率の引き上げを2年半再延期するとともに、経済対策を盛り込んだ今年度の補正予算案を編成する考えを示したことを受け、大手格付け会社の「ムーディーズ」が発表したものです。

 この中で「ムーディーズ」は、「増税延期と財政出動の組み合わせは、政府の財政再建の目標達成に向けた能力と意思に対する疑念をさらに強めるものだ」として、日本国債の信用度を示す格付けを評価するうえで、マイナスの要因になるとしています。

 その理由として、増税延期で年間でGDPのおよそ1%に相当する税収の増加が見込めなくなるとしているほか、今後の財政出動に伴って、追加の支出が発生するため財政再建が難しくなることを挙げています。

 「ムーディーズ」は現在、日本国債の格付けを上から5番目の「A1」としていますが、今後、2日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」の内容などを見極めたうえで、今の格付けを変えるかどうか判断するとしています。
コメント

懸念される日本版「財政の崖」、アベノミクス相場再開に低い期待 (ロイター)

2016年06月02日 | 日本経済とイノベーション
懸念される日本版「財政の崖」、アベノミクス相場再開に低い期待
ロイター2016年 06月 1日 19:07 JST
(伊賀大記 編集:田巻一彦)

 
[東京 1日 ロイター]

  安倍晋三首相が消費増税先送りと経済対策策定を決定し、日本は財政拡張路線に大きく踏み出した。市場の関心はアベノミクス相場が再開するかだが、インフレ期待は高まらず円安効果は限定的だ。

歳出規模が膨らめば、翌年度に歳出が大きく落ち込む「財政の崖」が到来してしまう。強引な景気判断の上に立った政策決定に市場の期待感は乏しい。


 <BEIは低下>

 為替に対する財政拡張策の影響は複雑だ。一般論では、国債増発による金利上昇や内需拡大による海外からの資金流入を通じて円高要因となる。しかし、より実践的には実質金利が左右する。歴史的に見て、常にドル/円JPY=の動きが日米実質金利差と連動しているわけではないが、最近は連動性が高くなっており、市場の注目度も高い。

 実質金利は名目金利からインフレ期待を引いて算出される。財政規律の緩みも警戒されるが、日銀の大量の国債買いで名目金利の上昇が押さえられるとすれば、実質金利を決定するのはインフレ期待だ。インフレ期待が上昇すれば、実質金利が低下し円安要因に、デフレ予想が強まるようであれば、円高要因になる。

 今回、消費増税延期が有力視された後のBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)<JP0019BEI=JBTC>を見ると、5月25日の0.43%に対し、31日は0.35%に低下。足元の円安は「インフレ期待よりも米利上げ期待の強まりが主要因」(みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏)との見方がもっぱらだ。円安なしに日本企業の業績拡大は難しく、日本株の本格的な上昇も期待しにくい。

 BEIはあくまで市場のインフレ期待を測る一つのめどにすぎないが、SMBC日興証券・ストラテジストの野地慎氏は「財政拡張はインフレ期待を高めることがなければ、むしろ通貨高要因。過去のアベノミクス下では、財政悪化への不安が日本国民のインフレ期待を押し下げた」と指摘している。


 <「財政の崖」に懸念>
 財政出動によって景気が良くなり、株高・円安が進むという「上げ潮経路」のアベノミクス相場再開についても、市場の期待は低い。「規模ありきの補正予算では、一時的な景気押し上げ効果はあっても、持続性が乏しいことはバブル崩壊以降の景気対策が示している」(しんきんアセットマネジメント投信・運用部長の藤原直樹氏)という。

 さらに相次ぐ景気対策で「財政の崖」が発生する懸念が出てきている。

 1月の2015年度補正予算で3.5兆円程度、5月の震災対策で1兆円程度がすでに使われている。16年度の第2次補正予算が5兆円規模で組まれるとすると、トータルで9.5兆円。国内総生産(GDP)を2%近く押し上げることになる。

 目先は良いが、問題は17年度以降。補正予算などはいずれも基本的に単年度の政策であり、効果が切れれば歳出の落ち込みによる景気下押し圧力が発生する。

 それまでに日本経済が成長軌道に乗っている保証はない。「最近は、当初予算を引き締め気味に作るが、補正予算の効果が切れると景気後退を防ぐために、また補正予算を組むという繰り返しになっている」(シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏)という。


 <東京五輪までの「ラストチャンス」>

 アベノミクスの3年間で、税収が増えたのは事実だ。国と地方の税収は、安倍第2次内閣発足前の12年度で78.7兆円だったが、16年度は99.5兆円となる見通し。14年4月の消費増税引き上げ分を除いても約13兆円の増収となる。

しかし、所得税、消費税、法人税の税収3本柱のうち、消費増税は先延ばしされ、増収は期待しにくくなった。所得税も労働人口の減少で増加は見込みにくい。あとは法人税だが、円安の追い風が止まったことで、企業の増益傾向も曲がり角を迎えようとしている。「財政の崖」を乗り切るには、再び景気対策が必要になる可能性がある。

<font color="red"> 
 安倍首相は消費増税先送りを決める一方で、20年度のプライマリーバランス黒字化目標を据え置いた。景気が回復すれば税収も増えるとの期待が背景にある。しかし、財源が見込めない中で、社会保障も充実させるとすれば、赤字国債増発など財政拡張路線を一段と強めざるを得ず、その先には「ヘリコプターマネー」も視界に入る。

 今回、消費増税見送りを決めた背景には、新興国を中心とした強い景気後退リスクが迫っているとの景気認識がある。景気の足取りが弱い中で、増税見送り自体は市場でも評価する声が多いが、景気認識についてはコンセンサスが得られているわけではない。景気認識がずれていれば、お金の使い方も効果的に行われない恐れがある。

 消費税率10%への引き上げ時期は19年10月。20年の東京オリンピックの直前だ。「宴の後」は需要の落ち込みが懸念される。それまでに日本経済を持続的な成長軌道に乗せることができるか。「今度こそラストチャンス」(ニッセイ基礎研究所・チーフエコノミストの矢嶋康次氏)かもしれない。
コメント

日本の財政は主要リスク、信認喪失なら世界経済に波 OECD (ロイター)

2016年06月02日 | 日本経済とイノベーション
日本の財政は主要リスク、信認喪失なら世界経済に波及 OECD
ロイター 2016年 06月 1日 18:35 JST


[東京 1日 ロイター]

   経済協力開発機構(OECD)は1日、加盟国経済の見通し「エコノミックアウトルック」を公表した。日本については「前例なき高水準の公的債務が主要リスクのひとつ」だと指摘した。

財政健全化目標達成のために消費税や所得税など様々な税率を引き上げて歳入増を実行に移さない限り、財政持続可能性に関する信認が失われ、世界経済に大きく波及するとの見方を示した。

 この見通しは、日本については2017年4月の消費税率引き上げを前提にしている。その上で、予定通りの消費増税と、それに伴い必要となるかもしれない財政刺激策を実施したとしても、2020年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標を達成する軌道には達していないとした。

 社会保障支出の増加抑制策や消費税率の漸増、所得税、法人税の課税ベース拡大、環境税引き上げなどの歳入増加策など、詳細かつ具体的な戦略を実行に移さない限り、財政の持続可能性に関する信頼が失われると警告した。そして世界経済への大きな波及効果を伴いながら、日本の金融部門、実体経済の安定が損なわれるだろうとの見通しを示した。


 さらに、生産性を高め、経済成長率を2%に高めていくためには、大胆な改革が必要だと指摘。環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)、日中韓自由貿易協定(FTA)の締結が有益だとした。


 企業部門の活性化にはコーポレートガバナンス強化の必要性を指摘した。

 経済成長は、16年はプラス0.7%、17年は0.4%と予測している。


 世界経済については、金融危機から8年経過しても経済回復は失望を誘うほど弱いとしたうえで、16年は前年と同じ3%成長、17年は3.3%成長との見通しを示した。新興国での一次産品価格の急速な下落、先進国での緩慢な賃金増加と投資の低迷などを要因に挙げた。


 世界経済が低成長から抜け出すには、財政・構造改革、金融緩和と合わせた包括的な政策が必要だとしたが、追加的金融緩和は過去と比較して有効ではなく、状況によっては逆効果になり得ると指摘した。他方で、財政拡大は低金利により一時的にその余地が拡大しているとして、公共投資を引き上げる国際的協調行動により、財政の持続的可能性を損なうことなく需要が拡大するだろうと見通した。
コメント