その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

幾千の夜、昨日の月

2012年03月20日 | 本・雑誌
 本屋に行きますと、東野圭吾ほどではありませんが、角田光代の書籍も随分目に付きます。エッセイ集なんですが「幾千の夜、昨日の月」を読んでみました。24の短編に分かれててそれぞれに完結してますので、どっからでも読めます。

 テーマは夜と旅ですが、裏テーマは孤独かもしれません。同じ時間なのに、夜は時間の流れが違うように感じます。しかも年をとるごとに意味合いが変わってきたりもします。ウチの子らは、夜になるとトイレ行くのが怖いらしく、バタバタと人が寝てようが関係なく走ってます。日本人形の置いてある座敷を怖がるところなどは、私の子どもの頃と同じです。最近は山で見る夜明け前の空が好きです。強いて言えば枕草子のような世界ですかね。徹マンばかりやってた頃には考えられないことです。

 筆者はバックパッカーとして海外を1ヶ月半とかの1人旅をしており、訪問国数もハンパないです。麻雀と宴会をこよなく愛する辺りも、とても女性とは思えないですね。そんな経験が小説を書く際に、色んな引き出しとなるのでしょう。取材旅行ってのも美味しい仕事じゃないですか。羨ましっす。

 また引越しを重ねた背景には、街との相性が悪いという理由があるということで、つい自分の追憶と重ねてしまいました。私も結構引越しましたが、中でも高円寺は雰囲気を持ってる街でしたね。パルの2Fの喫茶店で森本レオをよく見かけたもんです。


 秋田フォーラスのジュンク堂書店で本を仕入れてきましたので、追々感想を書きますね。
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ラーメンショップチャイナタウン

2012年03月19日 | らーめん
 
 親子でラーメンを食べたのは何年ぶりでしょうか?突入先は、秋田県内でも有数の有名店“ラーメンショップチャイナタウン”。秋田チャンポンなるジャンルを創出した店です。建物も横長、下が駐車場と特長があります。昨秋秘密のケンミンSHOWにも登場。U字工事、そのまんま東のサインも見られました。13:20に並びまして、食べ始めたのが14時。作るのも食べるのも時間がかかるため、回転率が悪そうです。


 左から味噌、しょうゆ、しお。味噌ちゃんぽんだけが830円であと2つは800円。11種類もの具材が入ってます。豚肉、イカ、海老、キクラゲ他野菜。あふれんばかりの盛りですが、あんかけなのでこぼれないって訳です。麺も太いので、女性はミニの注文が多かったです。子どもだと小丼ぶりに取り分けている人もいました。濃い味が好きな人は、注文時に申し出て下さい。味噌に限っては、自分でもラージャンという壷に入ったしょっぱめの味噌を足して濃くすることができます。


 餃子は、左がミックス(イカと肉)右が肉。いずれも6個で350円。イカだけのと水餃子もありました。餃子って5個が多いですが、2人で食べると不平等になります。それがケンカのタネになることもありそうです。一切れ(人斬れ)、三切れ(身切れ)そして四も忌み嫌われる数字なので、大抵は五になるのですが、最近はそんなことにおかまいなく平気で4個を出す店も増えて参りました。13がダメだって人、欧米か(笑)

【チャイナタウン】
秋田市卸町2-2-1
018-824-5925
ラウンドワン、こまち温泉、まるごと市場がある交差点の一画。
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濃姫

2012年03月18日 | テレビ番組
 昨夜テレ朝・東映系濃姫を観ました。美濃の斎藤道三の娘にして織田信長の正室。本名は帰蝶。まむしの娘が“うつけもの”と結婚したと笑ってはいけません。“うつけもの”とは仮の姿なのですから。主役は濃姫(観月ありさ)なのに物語りの性質上どうしても織田信長(城田優)が目立ってしまいます。でもなんでハーフの城田優なんですかねぇ(観月ありさもクォーターなんですよ)。濃姫に子どもはなかったものの、海千山千の側室方を束ねた手腕は評価されて然るべきでしょう。観月ありさの凛とした姿はなかなかでしたよ。色々あったみたいですが、払拭されたのでしょうか?

 信長の父信秀が亡くなる前に、信長が信秀の側室「岩室」へ恋文を送った逸話が紹介されてました。真意は「若い側室に現を抜かしては命を縮める」という警告だったのです。かように戦国時代では、上の句を投げかけられ、それに符合した下の句を返せる人が真の武将なのでしょうか!? そのことは、濃姫の兄斎藤義龍にも当てはまることです。父道三をうつにあたって、土岐氏の嫡子ではなく道三の実の子であったことが判明しますが、深読みしてたら分かってたはずです。

 親子のみならず兄弟にも命を狙われる時代だったわけで、信長とて弟の信行に城に踏み込まれてますが、逆手にとって返り討ちを浴びせます。その辺の読みはしたたかですね。その信行を斬った箱羽半佐とは何者?と非常に気になりますなぁ。時代劇ってお金がかかりますが、バラエティを頭を空にして見てるより、よっぽどタメになります。
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共喰い

2012年03月17日 | 本・雑誌
 今更ながらなんですが、共喰いを書評させていただきます。芥川賞受賞作はページ数が少ないのでさらりと読めるんですが、それゆえページ当りの単価は高くつきますね。2作品140ページで1,050円ですから。発売2週間で20万部突破したそうですが、会見でのふてくされた態度と忌々しい目つきが気にくわず、読むのを避けてました。

 小説の核になるのは、首を絞めたり殴りながらの倒錯的性行為と暴力。横文字にするとセックス&バイオレンス。昔学生時代に遊んでた先輩が、“親子丼ぶり”を達成したと嘯いてましたが、“共喰い”とはまさにその逆。つまり親子で1人の女性をということです。言わせんなよー(笑) 完全に逝っちゃってますなぁ。相当深い心の闇をかかえてますよ。その成れの果てがレイプで、業を煮やした仁子さんの手にかかったともとれます。情景描写も独特です。「魚屋が猫の体の中を通り抜けるようだ」という一文がありますが、デフォルメしすぎでしょ。この猫は後述で普通の猫に戻っちゃうわけですけども。。赤犬も何度も登場しますが、最後には死んでしまいます。忌々しいものは、洪水ごと消し去ろうとしたのでしょうか?素人にはちょっと読めませんね。題材はどうあれ、圧倒的な筆力と構成力はあると思います。最後に、仁子さんが鳥居を避けたことと、拘置所の生理用品支給をかけたんでしょうけど、そんなオチをつけてどないするねんw

 一緒に掲載されている「第三紀層の魚」は、真逆で素直な感情が吐露されてます。普通に読めるんじゃないでしょうか。ただ一箇所曽祖父のオムツ交換が出てきますが、却ってそれがオレに書けないものはないんだ、という驕りに感じられました。そしてこちらでは、曽祖父の葬儀に際して日の丸が出現。どうやらこの人は帳尻を合わせないと気が済まないらしい。どちらにも釣りが出てきますし、魚には詳しいのでしょう。

【漢字】
「共喰い」
檣(ほばしら)=帆柱、マスト
痣(あざ)、鯔(ぼら)、鮬(せいご)、蚯蚓(みみず)
鰓(えら)、柳葉魚(ししゃも)、翅(はね)
漲(みなぎ)る、胸鰭(むなびれ)
暗渠(あんきょ)・・・地下に埋設したり、蓋をかけたりした水路。
「第三紀層の魚」
錘(おもり)、鼾(いびき)、舌が縺(もつ)れる
咎(とが)める、竿が撓(たわ)む、鱗(うろこ)
宮城(きゅうじょう)=皇居
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鏑木蓮著『真友』

2012年03月16日 | 本・雑誌
 真の友については、P334で語ってるように向田父と大友警部の関係もありますが、話の大筋では三条隆史と向田伸人ということでしょう。将来的な関係の構築も含めて。前半で隆史の彼女の亜弓がどう魅力的なのかを、もう少し突っ込んでもいいのではと思いました。伸人と麻衣の駆落ちもそうですが、今時の小説からすると性的な描写が少々物足りなく感じるかもしれません。物語は警察や闇社会に留まらず、お寺や特養まで巻き込んだ一筋縄ではいかない構図です。おそらく現実にも黒幕までは届かない、複雑な仕組みになっているのでしょう。それと人の第一印象はやはり、身なりや風貌で判断されてしまうものなんですね。木嶋佳苗が「サンダル履きだとそれだけで犯人扱いされてしまうので、服装はちゃんとする」みたいなことを嘯いてました。別に擁護してるわけではありませんが、一理あるかも。

 第一部は、仲のよかった幼馴染の三人が、加害者の息子と被害者の息子、それに加え恋敵になっていくという展開で面白かったんですが、第二部転結に入ってからの三条刑事と森口刑事の合同捜査がダラダラで、途中で犯人捜しがどうでもよくなってきてしまいました。それだけに、犯人は意外でもなかったですね。それと刑事が巡査長の拳銃を奪うというのが理解できませんでした。刑事だって拳銃を所持してるものなのでは!? 

【漢字】
太秦(うづまさ)
汚名を雪(そそ)ぐ
五月蝿(うるさ)い
所化(しょけ)・・・修行中の僧。
食堂(じきどう)・・・寺院において僧が食事をするお堂(部屋)
残渣(ざんさ)・・・濾過したあとなどに残ったかす。
慧眼(けいがん)・・・物事の本質を鋭く見抜く力。
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