その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

朝の霧~山本一力

2012年07月13日 | 本・雑誌
 四国を舞台にした戦国武将もの。波川玄蕃こと蘇我玄蕃頭清宗が主人公。家来の易断師高嶋注連次と現代でいえば気象予報士にあたる空見師片岡岩次郎、そして伝書鳩の活躍も見事でした。玄蕃は、かつての敵長宗我部元親に仕えることになるんですが、事あるごとに難癖をつけ急に召還したり、その器の小ささには厭きれかえりました。元々影武者横田庄兵衛あっての武将でしたからね。元親にも暦師堀田昭之助がいたんですが、当らないのには笑っちゃいましたね。すべて玄蕃の物真似ですから当然です。「最強の味方は、いつ手強い難敵となるやもしれない」と常にビクビクしてたんでしょう。玄蕃は元親妹養甫を娶ったこともあってか、最後の最後まで従順に描かれてたのが何ともやるせなかったですね。史実は覆せないでしょうけど、毛利元就の三男小早川隆景に負けた時点で寝返り、元親討ちをしてほしいぐらいでしたよ。築城とか城攻めの描写も面白く読めました。水がないのにあたかも不自由してないかのような騙し合いなど。。最終章は、母の気持ちを思えば読み進むには辛過ぎましたけど。

【漢字】
手を拱(こまね)く
餅を搗(つ)く
唐土(もろこし)
意気軒昂(いきけんこう)・・・意気込みが盛んな様子。 元気や勢力の盛んな様。
剣呑(けんのん)・・・危険な感じがするさま。不安を覚えるさま。
正鵠(せいこく)を射る・・・物事の急所を正確につく。
吝嗇(りんしょく)・・・ひどく物惜しみをすること。けち。
虎落(もがり)・・・竹を筋違いに組み合わせ、縄で結び固めた柵(さく)や垣根。
殲滅(せんめつ)・・・すっかり滅ぼすこと。皆殺しにすること。
驟雨(しゅうう)・・・俄雨(にわかあめ)または村雨(むらさめ)。
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