乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

10月3日の自然観察交流会

2020年10月03日 | 乙女高原観察交流会

井上さんが写真とレポートを提供してくださいました。

 

 10月3日の乙女高原観察交流会には4名が参加しました。道の駅に集合して、コロナ禍でもあるので各自の車で高原に向かいました。

 途中、サワラ林の所に立ち寄りました。カメバヒキオコシが林縁に咲いています。紫色のかわいい花にミヤママルハナバチが訪れていました。少し歩いてみるとセキヤノアキチョウジも法面から垂れ下がって風情のある姿で咲いていました。ウリノキ、サンショウ、ニシキギ、フシグロセンノウ、ヨウシュヤマゴボウなどの実もありました。

 焼山峠から小楢山林道に入って、ここに咲いていたレイジンソウの種類を確認。茎の下の方には稜があり、花には開出毛があったことから普通のレイジンソウだと確認できました。道端にはナギナタコウジュ、カメバヒキオコシ、ノコンギクなど咲いていました。ヒメツチハンミョウが1匹、薄茶色のムカデのような虫がたくさんいました。

またここにはウリ科のつる性植物の実や花があり、スズメウリではないかと言いながら観察しました。実は黄緑色で下が細くなった楕円形で下には花の痕が残っています。観ていくと実が割れて種は落ちてしまい、3裂したものが残っていました。これはスズメウリとは違うものだということになりましたが、何だかわかりません。茎の先のほうの葉は何か巻き込んでいるようです。開いてみると、中には実と白い小さな花がいくつか咲いています。寒さを避けるためなのか、不思議な姿です。山本さんが実を1つ切り開いてみると中には黒い種が入っていました。このおもしろいウリ科の植物ですが、山本さんが下山後に山梨県立図書館にかけこんで調べてくれ、ミヤマニガウリと判明しました。

 

 

 

 旧残土置き場では、アケボノソウやホタルサイコ、オトコエシなどの実と来年の根出葉などを確認しました。焼山峠でツルリンドウの赤い実、クモキリソウの実、カンボクの赤い実を見ました。アメリカセンダングサがあったのにはちょっとびっくり。また2週間前にピンク色だったアキノウナギツカミの花は薄緑で、先端部は真赤になっていて、これもかわいかったです。いつものことながら、ここまででお昼近くになってしまいました。

 

 

 

 乙女高原の駐車場に車を止め、ホソバツルリンドウを観察しました。ススキに巻き付いて薄紫色の花をたくさんつけていました。これまで遊歩道わきに咲いていたのが、遊歩道のコースが変わって、踏み付けがなくなるので、増えてほしいと願っています。

 

 

湿地に向かうと、リンドウが咲いていました。内側は紫色で外側は寒さのためか、えんじ色で美しかったです。でもルリハムシのような甲虫が花びらを食べているようでした。

 

 

湿地ではタニソバの葉のふちが真っ赤に紅葉してきれいでした。ヤチボウズの中にもアケボノソウが数本咲いたようでした。

 12時半過ぎ、ようやくロッジ前に到着して昼食。座っていると寒いくらいで、温かい食べ物や飲み物がおいしかったです。

 

 

昼食後に草原内を歩きました。草原はススキの原で、ヤマドリゼンマイは茶色、イタドリは黄色など草もみじが始まっています。森のコースを登っていくと、クチベニタケなどのキノコ類、トリカブト、真赤に熟したマイヅルソウの実などが見られました。展望台まで行きましたが、富士山は雲の中で見えません。

草原内の花はほとんど終わっていますが、ところどころに残り花がきれいに咲いていたりもしました。ヤマラッキョウがいくつか咲いていましたが、リンドウは曇っていたためか、開いているものはありません。残念でした。葉が赤紫に色づき、花は黄色いアキノキリンソウが印象的でした。また別のアキノキリンソウの花にはルリハムシのような甲虫がたくさんいました。花粉まみれになっている黒いハチもいました。ノダケの花に3齢くらいのキアゲハの幼虫がいて、今から成虫になれるだろうかと心配になりました。また別の葉には終齢幼虫もいて、頭をツンツンすると、オレンジ色の角を出すのも観察しました。

草原で盛り上がったのが、タチフウロの実。

 

ゲンノショウコは別名、ミコシグサと言われるように、実がはじけて上向きにカールし、御輿の屋根のような形になります。

 

そのゲンノショウコと同じ仲間のタチフウロですが、この向きが逆になっていたのです。まだはじけていない実は上を向いていますが、種を飛ばした実は下を向き、下向きにカールしています。実のついた茎は途中で関節みたいに曲がって下向きになっていました。いつの時点で下を向いたのでしょうか。下に向けて種を飛ばしたのか、種を飛ばしてから下向きになったのか。このことに気づいてタチフウロを見ながら歩くと、中には横向きや上向きのものもありましたが、おもしろかったです。他のフウロソウの仲間はどうなっているのでしょうか。

 ロッジ前にもどって、温度計をみると17℃。空気が冷たく感じます。林道を少し観察した後、6月の観察会で花を見たミヤマハンショウヅルの実はどうなっているか確認したいという話になり、大弛峠へ向かう途中、鶏冠山西林道の入口まで行きました。ミヤマハンショウヅルは綿毛のような実になっていました。美しかったです。もう少し乾燥してふわふわになったら、種が離れて飛んでいくことでしょう。ここでの観察が終了後、解散となりました。

 

いろいろな実などを観察して新しい発見もあり、色づき始めた晩秋の乙女高原を楽しんだ一日となりました。

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