ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

1/20 スコープドッグ(その16)

2007年07月17日 | ガンプラ以外
 マーキングが一通り貼れたので、ウェザリングに入ります。
 バトルダメージ表現も入れたかったのですが、アーマード・トルーパーは歩兵のライフルでも決定的なダメージになってしまう可能性が高いほど装甲が薄い(いちばん薄い所で6ミリ:汗)ので、中途半端なダメージ表現では足りないのではないかと思います。かといって砲弾が貫通した装甲やらアームパンチで凹んだコクピットハッチなんかを表現しようとすると、熱加工する必要があるため、失敗する危険性があります。結局、いつもどおり移動時にぶつけたりこすったりしそうな所のエッジをヤスリで欠けさせるにとどめました(ザクⅠ・スナイパーの記事を参照)。

 さて、ウェザリングですが、スコタコは人が乗る戦闘用ロボットとしては最小の部類に入ります。サイズ的には身近なメカでいうとコンパクトカークラスの車(ヴィッツとかマーチとかフィットとかデミオとかコルトとかスイフトとか…)を地面に対し垂直に立てたような大きさです。そのぐらいのメカが歩いたり走ったりするとどんな感じに汚れるかなぁと想像しながらウェザリングのプランを練っていると…

 デカール貼り付け前に右側のヒザアーマーが下にズレていて、そのズレたヒザアーマーを基準にヒザ下の三角マークデカールを貼っていたのに気付きました(汗)。はがした後に買ってきたばかりの「マークセッター」を使い、正しい位置に貼り直して解決したと思ったら…

 今度は股間正面の四角いワクのデカールを「マークセッター」で貼り直したくなりました。ここはパーツ表面が梨地になっていて、デカールの透明部分がシルバリングしていたので…。
 すると、はがしたデカールが風に乗って飛んで行き、そのまま行方不明になってしまいました(笑)。仕方なく、手の甲のアーマーに貼るデカールの内側の文字部分を切り取り、ワク部分を利用してマークを作り直しました。何やってんだか…(汗)。


 気を取り直してウェザリングに戻ります。本体色の濃い方のグリーン部分には、ガンダムマーカー「DESTINYグリーン」のインクでドライブラシすることにしました。キットの成型色はかなり濃いというか暗い色なので(写真左)、やや明るめのグリーンで調節する作戦です(写真右)。
 最近ミリタリーモデル業界で流行りの「フィルタリング(油絵の具数色を模型表面に点々と置き、溶剤で溶かして馴染ませる退色表現)」をマーカーで行う方法がホビージャパンのスコタコ作例で紹介されていましたが、筆者のやり方がまずかったようでうまく出来なかったので、結局ドライブラシにしました。ドライブラシの方が全体を明るくするのには向いている技法だと思います。本体の成型色と微妙に色が違うボルトのパーツの色も他の部分と統一できますし…。


 写真左側、右脚がドライブラシ後です。やや筆の跡が残るように、荒っぽくドライブラシをかけました。大河原氏のイラストを意識しています。リアルかどうかは別として、絵画的表現を狙ってみました。


 塗装がハゲてから時間が経っている部分の鉄の表現はグレーで塗り、しょっちゅうこすれている部分はシルバーで塗装ハゲを表現してみました。肩のフックは、クレーンで吊り下げることを考えると、内側の塗装がハガレるのではないかなぁとか、右胸はパイロットが乗る時に足をかけるだろうから、その部分だけ塗装がハゲるかも、とか想像しながらやると楽しいですよ♪

 ―次回予告―
 今、一つのキットと一人のオッサンとの戦いが終わる。グラグラと揺れるスコープ、浮いたデカール、統一感の無いツヤなど、全ての問題点を解決すべく製作は最終段階へ…!
 最終回、「修正」。バイザーの分解は、マジで恐い…。
 

1/20 スコープドッグ(その15)

2007年07月16日 | ガンプラ以外
 前回、組み立て完了状態の写真を載せることができませんでしたので、とりあえず…

 設定画を意識した立ちポーズですが、カメラアングルはもう少し下から狙った方が良かったかもしれませんねぇ…(汗)。設定画のマシンガンの持ち方を再現しようとすると、残念ながらグリップを持たせたのでは成立しません。トリガーガードを下から支えると良いようです。

 タカラ1/24キットを見慣れた目にはややヒーロー体型にも見えますが、カッコ良いっす♪

 さて、いよいよマーキングに入ります。

 左腰前アーマーには所属を表すマークが付くのですが、このキットでは車のナンバープレート状のモノを挿し込むと思われるホルダーがモールドされています。0.3ミリプラ版を切り出してプレートを作り、キットのデカールを貼ってみました。もうちょっとマークが大きい方が良かったですねぇ…。
 このプレート、サイズをキッチリ測って切り出したため、ピッタリはまったのですが、表面に付いたホコリを「フッ!」と吹いたらプレートも一緒に飛んで行きました(汗)。結局、接着することに…。

 キットの水転写式デカールは部隊マークや機体番号、細かい注意書きまで豊富に入っていますが、あまり小さい文字が機体のあちこちにビッシリ入っていると大きなロボットに見えてしまう気がしたので、注意書きはかなり省略することにしました。
 このデカールを貼り始めてから気付いたのですが、肩やヒザのアーマーなど、曲面に貼る部分もあります。曲面には馴染まないかもと思いデカール軟化剤「マークソフター」を使おうと思いましたが、どこにしまい込んだか忘れていて使えません。仕方なく普通に水で貼りましたが、心配するほどのこともなく曲面にもちゃんと貼れました。

 ただし、デカールの余白というか透明の部分はキット表面の梨地部分にはなかなか密着しません。透明の部分がキット表面から浮いた感じになり、その部分に光が当たると白く光るんです(その状態を写真を撮っておけば良かったのに…)。この現象を「シルバリング(白浮き)」といいます。

 上の図の緑色がパーツ、水色がデカールの透明部分です。左図はスベスベの表面にデカールを貼った状態ですが、透明部分が密着して目立たなくなります。
 一方、右図は梨地表面にデカールを貼った状態です。ザラザラの表面の凹部にデカールが密着せず、すき間が開きます。これが原因で光の当たり具合によってはデカールの透明部分が白く光ってしまうようです。
 この現象、梨地表面だけでなくツヤ消し塗装面にデカールを貼った場合にも生じます。水転写デカールを貼ってツヤ消し塗装にしたい場合は、ツヤあり塗料で塗装してからデカールを貼り、仕上げにツヤ消しクリアーやトップコートを吹き付けるのが無難でしょうねぇ。

 こんなことなら「マークセッター(デカールのノリを強化しつつデカールを軟化させて密着度を高めるスグレモノ)」を買っておけば良かったと思いつつ、デカールの透明部分が目立つ大きなマークの余白を切り取りました。

 写真の黄色い文字は最初、周囲の透明部分を切り取ってから貼りましたが、貼った後に文字の内側の透明余白が気になったので、デザインナイフでそぉーっと切り取りました。一歩間違えればデカールを損傷してしまうのでヒヤヒヤしながら切りました。


 とりあえずデカールの貼り付けはこれぐらいにしておきました。それでもけっこう派手ですねぇ(笑)。
 気を付けてはいたのですが、梨地表面に貼った部分が軽くシルバリングしていたり、リベットの上に貼ったデカールがちょっと浮いていたりします。やっぱり「マークセッター」買ってこようっと…。
 
 

1/20 スコープドッグ(その14)

2007年07月15日 | ガンプラ以外
 1/20スコタコの製作もいよいよ後半(終盤かも)。後は脚を組んでしまえば組み立ては完了です。追加武装やザックの無い素のスコタコは楽で良いですねぇ(ちょっと寂しい気もしますが)。


 最初から降着機構が完備された初のプラモとなる1/20スコタコですが、可動部の構造、内部メカの密度感とも素晴らしいものがあります。こうやって見てみると、太もも側のヒザ関節は降着時にはヒザアーマーの出っ張りを引っ込める役割があることが分かります。良く出来たデザインですねぇ♪


 スネ側の足首基部は2重関節による引き出し式になっていて、可動範囲を確保しています。HGUCザクの足首関節と似ていますねぇ。この部分の可動は自重でヘタりにくいように非常に固くなっていますので…

 前々回に足首接続軸のストッパーを削り落としたのは失敗だったことが分かりました。足首をスネに取り付けて、引き出し部分を伸ばそうとすると足首が抜けるんです。足首の軸に切れ込みが入っていて、負荷が掛かると軸がひしゃげるので抜けやすいみたいです。そのためのストッパーだったんですねぇ。
 取り外しはできても簡単には抜けないようにするため、軸のひしゃげを防止すべくランナーのパーツ番号が刻印されている板(G15・G21を使用)を少し薄く削り、軸の切れ込みに差し込んで瞬間接着剤で固定しました。ついでに軸の表面にも接着剤を少量塗って乾かし、はめ込みを少しキツめにしておきました。


 スネに足首が付いたので、脚を上半身に取り付けて立たせてみました。脚の可動部はかなり保持力がありますので、レッドショルダーカスタムなどの重装備にも耐えられるでしょう、たぶん…。

 
 スネフレームに取り付けるパーツは左の写真のように分割されています。スネフレームは基礎となる部分にフクラハギのメカパーツを取り付ける構造です。MGクラスのガンプラではおなじみの構造ですが、最近のキットはパーツの重なり具合やすき間などの演出が巧みですねぇ♪ 装甲内部に中身がギッシリ詰まった感じもお得感があります(笑)。


 左右腰アーマーに取り付けるアームパンチ用カートリッジマガジンは、ホルダー部分が別パーツになっています。色分け不要なだけでなく、立体感もありますよ♪

 さて、脚の装甲とアームパンチマガジンを取り付けて完成!…と思いきや、デジカメの電池が切れてしまいました(汗)。組み立て完了状態の写真は次回にお送りすることにします…(泣)。

 ―次回予告―
 己の所属を表すプレートが風で吹き飛ぶ。貼った後に白浮きするデカールの余白に挑むオッサン! 震える手に持つナイフは諸刃の剣に変わる…。
 次回、「シルバリング」。オッサン、あえて火中の栗を拾うか!?


ハイコンプロ、「逆シャア」登場MSコンプリートまでもう少し!

2007年07月14日 | 臨時ニュース・その他
 昨日、エプロンさんからメールが来ました。HCM Pro(以下、「ハイコンプロ」)の次作はジェガンだそうです。詳しいことはエプロンさんの模型制作日記に行ってみてください♪ ジェガン試作品の画像やハイコンプロのガンダムエクシアの画像がありますよ~。
 それにしてもジェガンが発売ということは、「逆襲のシャア」登場の両陣営のMSが出揃ったことになります(まあ、ジムⅢや俗称「ホビーハイザック」は別として…)。現行で42アイテム(特別仕様除く。ジェガンは43番目?)のラインナップの中で逆シャア登場MS6機種&カラーバリエーションが全て網羅されているのですから、ハイコンプロスタッフの「逆シャア」にかける熱意がうかがえます。「逆シャア」といえば、MGではヤクト・ドーガ、ギラ・ドーガ、ジェガンが発売されていませんし、HGUCではまだ1体も発売されていません。「逆シャア」ファンの方々にとってはハイコンプロは貴重なシリーズですねぇ。出来も良いですし…。
 
 そうそう、9月に1/144FGシリーズが発売になる「ガンダム00」の主役機「ガンダムエクシア」ですが、シールドが装備されていることがハイコンプロの画像から判明しました。今まで公開されている映像やイラスト、設定画では刃物しか持っていなかったので、てっきりシールドは装備されていないのか(商品の価格対策あるいは演出上の理由で)と思っていましたが、ガンダムGP-03Sステイメンのシールドに似た雰囲気のシールドがあるようです。このシールドも刃物として使えるのかもしれませんねぇ…。
 このシールドですが、FGキットでは残念ながら付属していないようです。プラモでのフル装備はHGキット発売まで待つ必要がありそうですよ…。

1/20 スコープドッグ(その13)

2007年07月13日 | ガンプラ以外
 スコタコは、数あるロボットの中でも上腕と太もも、前腕とスネとの間に統一感がある珍しいデザインです。特に前腕とフクラハギの馬蹄形のパーツが良いなぁと思います。意外と腕と脚とがバラバラなデザインのロボット(腕はカクカクなのに脚はフニュっとしたラインとか…)の方が多いですからねぇ。

 今回は脚の組み立て・前編です。

 太ももの装甲は、パーツの合わせ目が外側に寄っています。雑誌作例のように太もも内側のパーツの分割ラインから約1センチほど内側(上の写真の向きでは上側に)にスジ彫りを追加すれば、分割ラインが目立たなくなりますが、ディテールは増えます。
 一方、上腕のパーツにはほとんどディテールが入っておらず、ややバランスが悪くなりそうな気がしたので、太ももについてはスジ彫りを入れずに分割ラインを目立たなくすることにしました。
 キットのままではパーツの合わせ目に凹凸があり、すき間が開いてしまうので、パーツを平らな台に置いた耐水ペーパーの上で滑らせて平らにします。これで合わせ目は多少マシになります。
 あとは太ももの外周にペーパー掛けしてヒケと合わせ目をならしましたが、パーツの合わせ目付近にある長方形の小さな凹モールドがペーパー掛けで消えてしまいました。泣く泣くデザインナイフで彫り込んでモールドを復活させました(汗)。パテを盛らずにペーパー掛けだけでヒケ処理する場合はモールドを消さないように注意しましょう…。


 股関節も足首同様、ボールジョイントではなく2軸式可動です。ポリキャップの径が大きくて信頼性が高そうです。このブロックの下の方にはシリンダーのモールドがあります。金属色で塗っておくと良さそうですが、完成後にはほとんど見えない部分ですのでやめときました。

 シリンダーのある部分の裏側(黄緑の線で囲った部分)は、ヒザ関節の一部です。完成後に丸見えになるので、合わせ目とヒケを消しておきましょう。


 これは降着時にズルリと出てくるスネ中央部のフレームですが、ヒザアーマーの裏側部分も一体成型されています。パーツに厚みがあるためヒケがスゴいです。写真を撮った後、丁寧にペーパー掛けして消しました。


 スネ中央フレームにヒザアーマーを取り付けたところです。ヒザアーマーのスリットからはスネ中央フレームの仕切り板が丸見えですので、スジ彫りを入れたプラ板などでフタをしても良いのではと思います。
 スネ中央フレームの正面はスネ正面の装甲も兼ねます。真ん中にパーティングラインが入っているので、丁寧に消しておきましょう。

 スネ中央フレームの降着用可動部ですが、ポリキャップにややガタつきがあるので、瞬間接着剤をすき間に流し込んでポリキャップを固定しました。


 このキットは装甲パーツの裏側にはキッチリとディテールが入っていますが、ヒザ裏側をカバーする可動式アーマーの裏側も見事なディテールです。補強材の肉抜き穴が良いですねぇ。


 これは足首正面の可動式アーマーの取り付け基部です。真ん中にパーティングラインが入っているので…(以下、省略)。

 今日はここまでです。次回、後編に続く…(場合によっては中編になるかも:汗)。


1/20 スコープドッグ(その12)

2007年07月12日 | ガンプラ以外
 前回のラスト、「次回予告」では脚の降着機構のことも書きましたが、残念ながらそこまでは製作が進みませんでした(汗)。結局今回は足首だけです。う~ん…。

 
 グライディングホイールのパーツは中央にパーティングラインが入っていますので、ラインを消すついでに接地面を耐水ペーパーで荒らしておきました。ホイールはつま先の独立可動用フレームに接続され、回転します。


 足首の関節部にはボールジョイントは採用されていません。軸可動を組み合わせたシンプルな構造ですが、信頼性は高そうです。可動軸には切れ込みが入っていて、先端には抜け防止用のストッパーが付いています。スネへの接続用の軸のストッパー(丸で囲った部分)は削っておくと、完成後も足首をスネから外しやすいです。
 かかと側の回転軸(写真右下)は、完成後も外から見えます。軸の先端のパーティングラインは処理しておいた方が良いです。


 足首はこんな感じでパーツ分割されています。


 足首の可動機構はMGザクver2.0と比べると非常にシンプルです。足首本体部分は大胆に左右分割されていますが、かかと付近の合わせ目部分が片方に寄せてあったりスジ彫りで処理されていたりするので、さほど気になりません。

 
 ゲート処理さえ済んでしまえば組み立てはとても楽です。足の裏のディテールはほとんどアレンジされていないようです。足首の幅はタカラ製キットのモノと比べるとやや狭い感じですねぇ。
 グライディングホイールはつま先を上に上げるとせり出してきます。ちょっとうれしいギミックです♪


 方向転換用の杭打ち機「ターンピック(タカラ製キットの説明書には『パイルガン』と書いてありました。番組よりもプラモを先に見た筆者にとっては『パイルガン』の方が馴染み深いです)」は可動式です。これと同様のギミックを1/48スケールで実現したタカラトミーの「アクティックギア」はスゴいと思います。


 ギミック豊富でカッコ良い形のスコタコ足首、今見てもぜんぜん古くないデザインです。やっぱり良いですねぇ♪



  

ロボットプラモの効率良い組み立て方は?

2007年07月11日 | プラモやってて思うこと&ガンプラの歴史
 筆者はガンプラをメインに作っているため、バンダイ製キットの製作が大半を占めています。たまにはコトブキヤとかウェーブとかハセガワのロボ系キットも組んでみたいのですが、スケジュールが現状でもけっこうキツいですので…。
 最近のキャラクターキットは多色成型・スナップフィットのモノがほとんどですので、筆者のような部分塗装派にとっては製作時間などの面でかなり助かっています(数ヶ月→数日~半月ぐらい)。反面、パーツ数が昔のキットとは比べ物にならないほど多くなっていますので、効率良く作らないと新しいキットが出るまでに完成させることが難しいです。最近は新製品の発売ペースが早いですから…。

 効率の良い組み立てについてはいまだに試行錯誤しています。昔はパーツを1個ランナーから切り離してゲートを削り、次のパーツを切り取っては…という繰り返しでしたが、最近では説明書の3工程分ぐらいのパーツを一気に切り取ってしまってから、切り取ったパーツのゲート処理をしています。
 こうしておくとゲート処理の間は苦しいですが、ゲート処理後は立体パズルを組み立てるようにサクサク組めますので快適です。形が良く似たパーツが混じっている場合は見分ける必要がありますが、パーツを切り出す前に目立たない部分に番号をスミ入れ用マーカーで書き込むと良いです。
 また、接着&合わせ目消しが必要な装甲パーツなどは製作のできるだけ早いうちに接着しておいて乾燥時間を稼ぐことにしています。

 バンダイ製キットの説明書の組み立て工程では、四肢の組み立てを右腕→左腕→右脚→左脚という風に書いてある場合が多いです。左右共通の足首や上腕などを先に2セット組み立てて、その後左右に分岐する場合もときどきありますけどね。
 この工程順の利点は…
 1:片方の腕や脚を組み立てるのにはそれなりに時間が掛かるのですが、残りの腕・脚は組み立ての要領が分かっているので、ランナーに残っているパーツを一気に切り取って組み上げることができるので楽です。
 2:パーツの組み間違いが少ないです。
 3:片方の腕・脚が比較的早く形になるので、達成感があります。
 問題点としては…
 1:片方の腕・脚を組んだ時点で飽きてしまい、もう片方を組むのがめんどうになってしまうという危険性があります(笑)。筆者の場合、ブログを始めるまでは片方の腕を組んだら数ヶ月放置、ということがよくありました(汗)。ゴメンな~、1/100レッドフレーム…。
 2:左右の腕・脚の仕上がりに差ができる場合があります。特に関節可動の固さ具合とかゲートの処理具合とか、体調によっても左右されます。

 筆者が最近よくやっている工程順は、左右の腕・脚を同時進行で組み立てる方式です。正確には右肩→左肩→右上腕→左上腕→右前腕→左前腕→右手首→左手首、といった感じですねぇ。1/20スコタコの組み立てでは、脚の組み立てからやり始めています。
 利点としては…
 1:左右の仕上がりをそろえやすいです。関節可動の固さ具合、パーツの削り込みによる可動範囲の拡大、部分塗装が必要な部分の仕上げなど…。
 2:左右の腕・脚がほぼ同時に組み上がるので、結局は製作時間が短くて済むような気がします。気のせいかもしれませんが、気分もプラモ製作には重要かと思いますので…(笑)。
 3:左右の腕・脚が同時に組み上がると、左右ともボディーに取り付けてバランスを確認することができます。
 問題点としては…
 1:パーツの組み間違いが生じやすいです(汗)。
 2:慣れないうちは説明書のページをいちいち行ったり来たりする必要があります。慣れれば片方を組み立てたらもう片方も同じように組めるんですけどねぇ。
 
 結局、どちらの組み立ても一長一短ありますので、自分に合った組み立ての手順を編み出すしかないんでしょうねぇ。
 筆者はこれからは左右ほぼ同時進行をメインにやっていこうと思っています。左右のパーツの混同がないように、300~500円クラスのキットの箱を2つ用意してパーツの切り取り・ゲート処理をすれば、組み間違いもかなり防げるのではないでしょうか。
 今後、さらに効率の良い方法を思い付いたらまた記事に書こうと思います♪
 

1/20 スコープドッグ(その11)

2007年07月10日 | ガンプラ以外
 前回、腰まで組み立ててやっぱり腕の短さと肩の高さが気になったので、腕の位置を下げることにしました。最近のバンダイ製キットは各ブロックごとの形状やプロポーションは良好でも、可動ギミックを優先した関節軸位置によって全体のバランスが崩れ気味な場合がありますが、ギミックを多少犠牲にして軸位置を変更してやると一気に改善できるので、やっぱり出来が良いのだと思います。
 1/20腕の軸位置変更といえば、今月号のホビージャパン誌に掲載されている野本憲一氏の作例での改修法が簡単かつ効果が高いので参考にさせていただくことにしました。さすが長年ボトムズ作例を手がけてこられたノモケンさん、見事な工作です。

 改修に使用したのは野本氏推奨のウェーブ「PC-04プラサポ(1)」のパーツ(3)です。内径4ミリ・高さ3ミリのパイプに直径4ミリの軸がつながった形状のパーツです。これを使うと上腕の取り付け位置を3ミリ下げられます。


 作業があまりにサクサク進んだので途中の写真を撮るのを忘れてしまいました(汗)。肩関節ブロックの上腕回転軸を2ミリほど残して短く切り、その軸にプラサポのパーツをかぶせて瞬間接着剤で接着するだけです。強度的な心配は無いようです。
 プラサポの左右に棒状のパーツが付いていますが、これは直径3ミリのランナーです。肩ブロックの装甲を3ミリ下げた位置で安定させるためのものです。ノモケンさんは同じ目的の工作を装甲内部にプラ版を貼って、さらに軸下げ作業で生じる装甲のすき間をプラ版でふさいでいましたが、筆者は手を抜くことにしました。


 貼り付けたランナーの長さは約1センチで、断面はメカっぽく見えるようにコトブキヤの丸モールドを貼っておきました。


 装甲と上腕を組み付けた状態です。関節軸の移動で装甲にすき間が出来ますが、丸モールドのおかげでスカスカ感は解消できた、かな? 装甲に同色ランナーのタグ(プレート)を貼り足しても良いかもしれませんねぇ。

 腕は3ミリ位置が下がりましたが、肩アーマーの位置はそのままです(厳密にいうと軸下げ作業で肩アーマーも自然に0.5ミリほど下がりましたが)。肩アーマーを下げるべく、肩アーマー取り付け基部パーツ(G21)を短く切りました。野本氏の作例は2.5ミリの短縮でしたが、筆者は好みで約1.3ミリにしました。

 厚さ約1ミリの定規の表裏両面に両面テープを貼り、平らな台に固定してデザインナイフの刃を貼り付けます。これで作業台の面から約1.3ミリの高さでスジ彫りが彫れます。簡易トースカンです。パーツを台の上で滑らせてパーツの周りにスジ彫りを掘ります。あとはこのスジ彫りを目印にパーツを削れば短縮作業完了です。


 写真左側が改修後です。3ミリという数値以上に腕が長くなったように見えます。肩アーマーの位置下げをひかえめにしたのは、肩アーマーから肩ブロックがはみ出している方がスコタコらしいと思ったためですが、もうちょっと下げても良かったかもしれませんねぇ…。

 ―次回予告―
 火花を上げ唸るホイール、大地を突き刺すターンピック。装甲騎兵の機動力を担う脚はまさにギミックのオンパレード! 初めて味わう降着姿勢にオッサンがむせび泣く…。
 次回、「膠着(こうちゃく)」。パーツの多さで前後編になる可能性、極めて高し。 

ストロングバックス、1/20で出ないかなぁ…

2007年07月09日 | プラモやってて思うこと&ガンプラの歴史
 前にも書きましたが、「装甲騎兵ボトムズ」放映当時の筆者は父親からプラモ作りを禁止されていました。塗料や接着剤などを使うため、健康上の問題があるというのが理由でしたが、父の趣味である釣りを筆者にもやらせたかったというのが本音のようです。
 そういうわけで、筆者はリアルタイムでタカラ製ボトムズキットを組んだことはほとんどありません(こっそり買った1/48マーシィドッグだけが唯一の例外)。しかも、放送地区の都合で「ボトムズ」を観ることもできませんでした。気になるのに手が届かないという状態で、非常にストレスを感じていました。そんな時…
 友達の家に遊びに行くと、なにやら見慣れぬプラモの箱が置いてありました。
 
 *画像はタカラ製1/35「ストロングバックス」の箱絵です。
 「なあ、これ『ボトムズ』のアレ?」
 「うん、そうや」
 無塗装素組み状態の完成品を見せてもらって衝撃を受けました。基本的には当時のキャラクターキットの構造を大きく離れるモノではなかったのですが、コクピットが開く! 各部の装甲が可動する! 特に腰周りの装甲の可動は、ガンプラなどでは思ったようにポーズが取れないのが常識だった当時では画期的でした。
 「あ~かっちょ良かったなぁ~ボトムズのプラモ…」と思いながら家に帰ったのを覚えています。

 友達の家で見たボトムズのプラモはスコープドッグ(スコタコ)のバリエーション機「ストロングバックス(以下、『ストバク』と略)」でした。格闘戦用に装甲を強化した機体で、頭部スコープを保護するガードや胸部と一体化した腹部装甲、見た目にはアームパンチ機構が無さそうなガンダム似の腕が特徴です。スコタコよりもゴツい、ややもっさりしたデザインなのですが、スコタコよりも先にプラモを見た筆者にとってはスコタコよりも好きかもしれない機体なんです。刷り込みですねぇ。
 このタカラ製1/35キットは再販により入手の機会はあったものの、結局一度も買うことがなく20年以上もの年月が経っていました。現在の再販品(他アイテムと3体セット)がバラ売りだったら買ってたかも…。

 さて、多色成型・スナップフィット採用により、筆者の製作環境でも作ることができるという非常にありがたいボトムズキットであるバンダイの1/20スコタコですが、最初からバリエーション展開を考慮したキットであることがうかがえます。ランナーに配されたスイッチを見てみると、近日発売予定のブルーティッシュドッグ以外にもレッドショルダーカスタムやマーシィドッグ、ターボカスタムといった主役機(←この言い方は「ボトムズ」では的確ではないとは思いますが…)は想定内のようですねぇ。
 でも、このバリエーション展開を考慮したシステマチックなランナー構成をもってしても、ストバクのキット化は難しそうです(泣)。大河原メカのバリエーションは、基本となる機体と見た目は似ているのに細かい部分が異なっているためにパーツ流用が効かない場合がよくあります(例:ザクとグフ、「ガンダムSEED」のシグーとディンなど)。ストバクもそれに当てはまります。スコタコと共通する部分は多いんですけど、異なる部分もけっこう多いです。1/20スコタコのランナー構成にはストバクの相違点は盛り込まれていないような気がします。
 う~ん、やっぱり1/20ストバクは無理なのか…。まあ、ヤラレ役のマイナーメカなので、仕方ないですけどねぇ(そう考えると、やまと製1/12ストバクは思い切った企画ですねぇ。価格もスゴいので手が出せませんが:汗)。
 

1/20 スコープドッグ(その10)

2007年07月08日 | ガンプラ以外
 1/20スコープドッグは、まるで実機を組み立てもしくはメンテナンスしているような気分の演出のため、装甲パーツをボルト状のパーツで組みつけていく「ボルトオンスナップ」方式を採用しています。ボルトのパーツは1枚の装甲あたり何本もありますので、腰周りのパーツ数はスゴいことになっています。ボルトを含めた腰のパーツは40個を超えるというバンタコ、ここ限定なら全キャラクタープラモの王者かもしれません(笑)。

 
 腹部周辺のナイスな部分。写真左は腹部正面装甲の裏側です。滑り止めのモールドが入っていますよ♪ 写真右はわき腹に開いている角穴です。レッドショルダーカスタムとかターボカスタムのミサイルポッド&ガトリングガンの取り付け基部がすでに設けられています。今後の展開が期待できますねぇ!



 腰アーマーは薄い鉄板をプレスした本体(上の写真左側)に増加装甲(同右側)をボルト留めしているという解釈です。増加装甲は厚さ約0.8ミリと、バンダイ製キットとしては薄い肉厚です。


 腰周りのスゴい所その1:左前アーマーの国籍/所属軍の四角いマークは単なるマーキングではなく、ナンバープレートのような板を取り付けてあるという解釈で、アーマーにはそのプレートを取り付けるホルダーがモールドされています。薄いプラ版でプレートを作ると良いかもしれませんねぇ。

 
 腰周りのスゴい所その2:各アーマーのフチは非常に薄く成型されています。俗に言う「薄々攻撃」をする必要がないくらいです。その分、ゲート跡を処理する時にはパーツを破損しないよう注意が必要です。


 腰周りのスゴい所その3:サイドアーマーには通常のアームパンチ用マガジンホルダーだけでなく、マシンガンのマガジンも取り付けられます。レッドショルダーやターボ…(以下、省略)。


 裏側がエラくカッコエエです♪


 股関節周りも完成後にはほとんど隠れてしまいますが、立体的な造形で見応えがあります。このキットは脚が長いと感じる方が多く、股関節軸を上にズラすというのが定番工作になりつつありますが、筆者は脚の長さについては気にならなかったので、そのまま組んでます。

 
 腰まで完成した状態です。やっぱり肩の位置が高くて腕が短い印象がありますねぇ。

 右腕だけ画像を加工してみました。個人的にはこれぐらいのバランスがしっくり来るのですが、上腕の延長は全塗装前提でないと難しいでしょうねぇ…。

1/20 スコープドッグ(その9)

2007年07月07日 | ガンプラ以外
{前回からの続き)このキットの手首には設定画ではかなり目立つディテールであるにも関わらず、半分ほどが省略されているモノがあります。手首付け根付近、親指の上にある大きなリベット(?)状の丸ディテールです。
 設定画を見ると肩や腰のアーマーに付いているリベットよりもはるかに大きい丸が描かれています。場所が場所だけにリベットというより手首の可動軸のカバーかもしれません(下図参照)。
  

 写真の左の方が、その丸ディテールがあるべき部分なのですが、成型の都合か親指と近すぎてうるさくなってしまうためか、詳細は不明ですがとにかくツルツルです。小指側には小さいリベットのモールドが入っているので、設計者の方が忘れたわけではないようですが…。
 この部分の丸ディテールを再現します。最初はこのパーツと同色のランナーから作ろうと思いましたが、同じ大きさのモノを前後左右の4つ分作るのはけっこう難しいことが分かりました(泣)ので、コトブキヤの丸モールドを使うことにしました。塗装する必要がありますが、キットの成型色と同じ色に塗料を調色する方がランナーからパーツを削り出すより楽だと思います。

 レンズのような形状のモノを使用します。サイズは迷いましたが、思い切って直径3.5ミリにしました。小指側の面は、もともとある丸モールドを削ってから貼りました。

 サイズ的にはギリギリでしたねぇ(汗)。色はガンダムマーカーから調色しました。「DESTINYグリーン」+「SEEDイエロー」+「SEEDダークブルー」を適当に混ぜたら(ホンマに目分量、というよりマーカーからドバッと出たインクを出た量のまま混ぜました:笑)バッチリ色が合いました。偶然ってあるもんですねぇ。
 マーカーの色は筆者が使ったモノでなくてもザク用の濃い方のグリーン+黄色+ダークブルーまたは黒でもイケるのではないかと思います。


 話は変わって、ボディーの補強です。ボディーの骨格はかなり丈夫なのですが、やっぱり骨組みですので腕を動かしたりすると「グニャっ」としなります。コクピットの内装とボディー骨格が接する部分(例:写真の赤い矢印で示した部分)に接着剤を流し込んで補強しておきました。これにボディー側面の装甲を取り付けるとかなり丈夫になるはずです。

 そのボディー側面の装甲ですが、このキットの目玉の一つである「ボルトオンスナップ」方式になっています。

 写真がボルトのパーツです。普通のプラとは違う材質のようで、独特の粘りがあります。取り付けについてはマシンガンの回で書きましたので省略しますが、キット付属の工具を使うよりも指でボルトをつまんで取り付けた方が早いような気がしますよ♪(笑)。

 ―次回予告―
 鉄騎兵の要となる部分に挑むオッサン。しかし予想外の戦力差に圧倒され、苦戦する。襲い掛かるは重なる装甲をつなぐ小さきボルトの群れ――!
 次回、「二枚」。史上空前の装甲表現は、特許申請中らしい…。



1/20 スコープドッグ(その8)

2007年07月06日 | ガンプラ以外
 最近のMGクラスのキットには可動指式の手首が左右1セット付属している場合が多いです。筆者は可動指が1セットという仕様よりも握り拳や平手、銃持ち手などの固定指手首が何セットか付属した方がうれしいのですが、最近の「つながっている中指~小指を切断すれば5本指独立可動になる」仕様もけっこう好きです。武器の保持力が弱かったり、指のポーズが不自然ではない角度というのが限られてはいるんですけどね(汗)。

 1/20スコープドッグの指も例によって「つながっている中指~小指…」の手首です。1/100のモビルスーツの指のサイズなら、つながっている部分をデザインナイフで「トンッ!」と切れば良いのですが、このキットの場合はつながっている部分が太くて、「トンッ!」と切ることは不可能です。
 仕方がないのでエッチングノコギリで切りました。

 つながっている部分を指の甲側から切っていくのがやはり無難ですが、エッチングノコギリは刃が非常に薄いのでクニャクニャして歪んで切れる場合があります。図のように真っ直ぐ切るのはなかなか難しいです。


 指の甲側から、つながっている部分の厚みの半分ぐらいを切り、指の腹側からも切っていく方法もあります。図の右側のように切り口がすれ違うこともあります。それでも切れないことはないのですが、切断面を整形するのにはやや手間が掛かります。
 余談ですが、これに似た作業を木でやったことがあります。太さ15㎝、長さ30㎝の丸太をカマボコ状に真っ二つにする作業だったのですが、丸太の両側から切り進んで、切れ目がすれ違ってしまったんです。こういう時、木の場合は切り離そうとしても大変なんです。プラスチックの小さい部品で良かった~(笑)。


 エッチングノコギリが手元に無い場合は、デザインナイフの登場です。普通に刃で切ろうとするとけっこう大変ですし、切れ目がヨレてしまう場合があります。こういう場合は刃の背中側(?)を使います。いつもと逆方向にナイフを動かすんです。シャープな刃で切る取るのではなく、プラの表面を掻き取るような感じです。Pカッターの薄刃版という感じですねぇ。
 エッチングノコギリに比べて刃の厚みがあるため、切りしろは多めになりますが、刃が丈夫であることと、長い柄が付いていて持ちやすいこともあって、エッチングノコギリよりも作業しやすい(真っ直ぐ切りやすい)かもしれません。
 この方法はスジ彫りにも使えます。エプロンさんもオススメの方法です。


 切断した指パーツは、切断面をナイフでカンナ掛けしたりペーパー掛けしたりして整形し、指の第二関節の側面に目立てヤスリでスジ彫りを入れました。


 やっぱり指が独立可動するのは楽しいです。材質がABS樹脂ではないので、ユルむのが早いかもしれませんが…。
 この手首、1/100のMSでいうとドムクラスかそれ以上のサイズなので、最初から5本指独立可動&第二関節も可動という構造も盛り込めたのではと思いますが、ディテールの再現性とボトムズ新作キット発売で出戻りしたユーザーが組みやすいことを優先したのかもしれません。

 うわ、予想以上に指のことで誌面を多く使ってしまいました(汗)。手首というと、このキットでは省略されているディテールがあるんですが(手の甲の両サイドのリベット)、それについては次回に回します…。

 
 

1/20 スコープドッグ(その7)

2007年07月05日 | ガンプラ以外
←gooブログではこういう絵文字が使えるんですが、筆者は今までめんどくさくて使っていませんでした。でも、使える絵文字の一覧を見てみるとエラくかわいいので、今後は使っていこうかなぁと思います(笑)。

 今回はスコープドッグ(スコタコ)の腕です。

 スコタコは武器を両手持ちすることが多いのですが、ボディー内部のほとんど(というか全部)がコクピットになっているため、肩付け根で前後スイングしにくいデザインになっています。そこでこのキットでは肩の四角いブロック内部で関節が伸びて腕のリーチと可動範囲を確保するようになっています。


 肩関節に肩の四角いブロックと肩アーマーを取り付けてバランスを見てみました。噂どおり、ちょっと肩の位置が高いですねぇ…。
 このキットは、設定どおり腕をまっすぐ伸ばしたまま降着姿勢を取ることができるように設計されているようで、そのことが肩の位置や腕の長さに影響していると思われます。やや肩の位置が高く、腕が短いです。

 肩アーマーは、鋳造表現と思われる梨地の表面になっています。ゲートとパーティングラインが梨地の部分に入っていますので(写真左)、これらを整形すると梨地の部分も一緒に削ってしまうのですが…

 実際の鋳造製品ではパーティングラインというかバリをサンダー(電動ヤスリ?)などでガーッっと削ったままの仕上げになっているモノもありますので、試しに目立てヤスリでわざとヤスリの傷が残るように削ってみました。案外、良い感じに仕上がります。ヤスリの傷もディテールとして活かせるところがこのスケールの利点ですねぇ。


 ヒジ関節は外見ではわかりにくいですが2重関節です。上腕側の関節が固めでヤバそうなので、水色の矢印の部分に瞬間接着剤を流し込んで補強し、緑色の矢印の部分、可動軸に付いている出っ張りを少し削って関節を少しだけユルくしました。


 前腕部のシリンダーはアームパンチ機構のシリンダーのダミーです。塗っておくとカッコ良いです。


 前腕の装甲は細かく分割されていて、合わせ目を消す必要がありません。


 手首の付け根にもしっかりモールドが入っています。PGガンダム並みですねぇ。


 前腕の装甲パーツには矢印で示した部分に太いゲートがあります。このゲート跡は丁寧に処理しておきましょう。アームパンチ射出状態時に外から見えますよ(汗)。


 バンダイさんのこだわり:前腕のアームパンチ排莢口内部にはちゃんとマガジンが挿さっているのが再現されています。写真左がマガジンの底、右がマガジンの上部もしくは排莢口のカバーです(たぶん)。
 設定画を見ると、ヒジを機体の外側に向けた状態で、マガジンを後ろ側の穴から挿し込むようになっています。キットの組み立て指示ではマガジン底部が前側に来るようになっていますので、左右の腕を交換しても良いかもしれませんねぇ。

 ―次回予告―
 連なった鋼鉄の指をバラバラに切り刻む。5本の指が独立して動く達成感にオッサンは微笑む。足りない鋲を打ち込んだ時、装甲騎兵の巨腕が完成するのか?
 次回、「別離」。刃のすれ違いは状況を困難にする―。
 
 

1/20 スコープドッグ(その6)

2007年07月04日 | ガンプラ以外
 説明書の順番でいうと頭部の組み立てと前後してしまいましたが、GAT-22ヘビィマシンガンの組み立てです。
 筆者はロボット本体の合わせ目を消しても武器類は合わせ目を消さないということがけっこうあるのですが、このキットのパーツ分割は筆者にとっては非常に都合の良い作りになっています。

 これがマシンガンの全パーツです。手持ち武器はマシンガン1丁ですので、その分かどうかは分かりませんが、気合いの入った作りです。


 銃身(というか、口径からいうともはや「砲身」なのですが)などのパーツはスライド金型を使用した筒型のパーツになっています。パーティングラインも薄く、耐水ペーパーで挟んでクルクル回すだけで整形できます。
 パーツの端の部分のパーティングラインはけっこう目立つので、丁寧にペーパー掛けした方が良いです。


 このマシンガンは液体火薬で砲弾を撃ち出すカートリッジレス方式だそうですが、パーツに施されたディテールも薬莢が出るタイプの砲とは違う雰囲気があります。
 この部分は左右貼り合わせのモナカ分割ですが、上半分と前の部分は他のパーツで隠れるため、完成後に見える合わせ目はグリップ周辺だけになります。実物(があったとして)のグリップがプラスチック製の左右分割だという解釈をすると、気になる合わせ目はほとんどなくなります。合わせ目を消すためにヤスリ掛けをして、結果的にパーツの形が変わってしまうことは武器パーツではけっこうあります(汗)ので、それを避けるためにも合わせ目は放置することにしました。


 機関部のカバーもスライド金型を使用したパーツで、断面がコの字型に成型されています。おかげで合わせ目消しの手間が省けます。パーティングラインは消す必要がありますけどね…。


 マガジンは着脱可能、上面のフックというかハンドルは可動式です。オプションの武器類が少ないキットなので、腰サイドアーマーに取り付け可能な予備マガジンが付属していたらもっと良かったんですけどね…。


 砲身と、その上にある筒(これ、レーザー照準器なのかグレネードランチャーの砲身なのか分かりません)はシルバー成型色なのですが、なんとなく懐かしの「ボトムズガム」のオマケキットを思い出してしまう色なので、スコタコ本体のスコープ部と同様、「ガンダムシルバー」筆塗りと「タミヤ ウェザリングマスター」の銀粉こすり付けで渋めに仕上げました。


 ストック部分はこのキットのウリの一つ「ボルトオンスナップ」で着脱が可能になっています。ストック自体は、金属製の芯にモナカ分割のプラスチック製カバーを被せてあるものと解釈し、合わせ目は消していません。けっこう複雑な形ですので、鉄板を溶接して作っているとは思えないんですよ。

 
 写真左はボルトと、それをはめ込むためのレンチのパーツです。レンチはシルバーで塗っておきました。取り付けの作業はなかなか楽しいです♪


 マシンガン完成です。実にデカいです。ヘビー級ATのライフルよりも威力がありそうに見えますよ♪

1/20 スコープドッグ(その5.5)

2007年07月03日 | ガンプラ以外
 ドコモ2.0のCMを観ていて、土屋アンナとまちゃまちゃが似ていることに気付いたオッサン・かめっチです。声まで似ているような気がします(←この始まり方、久しぶりですねぇ)。
 さて、前回はスコタコの頭全部をやる予定でしたが、スコープ部分の内容がけっこうボリューム多めで、バイザーとかドーム状の頭部にまで進むことができませんでした。というわけで、前回の続きです。


 アンテナや頭部内部の配線(?)は軟質樹脂アサフレックス製で、材質の柔軟性により破損をある程度防げるようになっています。とはいえ、負荷が掛かるとやっぱり曲がってしまうので取り扱いには注意が必要(特にパーティングラインを消す時とか)ですねぇ。


 顔面に相当するバイザーは、タカラ1/24キットでは左右に分割されていましたが、このキットではスライド金型を使用した一体成型になっています。強度もかなりあります。
 バイザーには裏面を塞ぐパーツが付いています(写真右下)。先日放送された「BSアニメ夜話」に登場したシーンだけでもバイザー裏はけっこう映っていたので、このパーツによるディテールの再現はうれしいですねぇ。


 バイザーに3連ターレットスコープとアンテナを組み付けた状態です。サンプル品を組んだ時には3連ターレットの左右スライド可動はかなりユルかったのですが、なぜか今回はちょうど良い可動具合です。個体差があるのかもしれませんが、ひょっとしたらターレット中央の回転部分留め具パーツ(J6)をターレット裏側から接着剤をごく少量流し込んでJ5に接着したのが効いているのかもしれません。謎です…。


 半球状の頭部もスライド金型を使用した一体成型です。パーティングラインがバイザーで隠れる部分とか耳の後ろだったりするのがありがたいです。


 頭頂部付近には左右にダクト状のディテールがあります。このダクトにある4つのリベット(?)がけっこう目立っていて、見る角度によっては頭の丸いアウトラインを崩してしまっているように思えます。

 結局、リベットは削り落としました(写真右)。ダクトのパーツは頭部の内側からネジ止めしているという解釈で…(汗)。

 
 
 このキット、頭の丸さとバイザーの形状が絶妙で、実に男前だと思います。スコープ部のシャープなモールドとクリアーパーツのレンズが顔を引き締めていますが、写真はピンボケですねぇ(汗)。


 バイザーを開けるとこんな感じです。バイザーの可動部を塞ぐ丸いパーツを取り付けると、組み立て後のバイザーの取り外しが困難になりますので、特に全塗装する方はご注意ください。

 ―次回予告―
 外れる弾倉、筒状の銃身。巧みに分割されたパーツにより、鉄騎兵の長銃が構成される。銃身の色で思い出されるのは、懐かしのボトムズガムか?
 次回、「機銃」。ネジ止め式の銃床にオッサンが燃える!