おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

宛名書き内職詐欺。

2005-05-11 23:21:43 | 我思う、故に書くなりよ。
未だにあるんだねぇ…。古典的な詐欺なのにねぇ…。

大昔、付き合っていた彼女が騙されていた。もう、宛名なんて物はプリンターで高速大量印刷が可能だった時代に入っていたので、よほど特殊な事情で達筆な手書き…でもない限りはそんな内職なんかそうそうあるもんじゃない。だいたい、それじゃ内職じゃなくて専門職だろうに。

そもそも、内職するのに高額な保証金を預けなくてはならないなんてのも変な話だったので、絶対騙されてるから止めた方がいいって説得したのだが、

① 地道な仕事なのでそんな事は無い。
② 実際に近所でやっている人からの紹介だからそんな事は無い。
③ やりもしないで疑うのは失礼だ。
④ その他もろもろ…。

とか何とか、固い信念で騙されるのに邁進していったのだなぁ…。人を疑わずに生きて行くのもなかなか立派なもんだが、結果としては「騙された…」。そうと判ると他人に責任を転嫁する様な人では、幾ら可愛くても一緒にはいられないと思ってお別れしましたですけどね。

会社の同僚だったおねえちゃんも騙されていた。自分でも騙されている事を何となく判っているのだが、他人からその事を指摘されると、頑なに否定し続けるのもこうした不幸な人に見られる特徴でもあり、強固な信念をもってドツボにハマるんである。少ない給料から「よくぞ貯めた!」と、マジで褒め称えたい程の大金をすでに注ぎ込んでいたわけで、行く末が想像できるだけに気の毒だった。ホントに少ない給料をやりくりしていた日々の様子は知っていたので、女性って男とは違って、堅実なんだなぁ…と、感心していたのだが。また、実際に彼女の友人に騙された人がいるってのに、何故自分だけ騙されていないと強気に転身できるのか不思議だったねぇ…。

誰がどう聞いても「ネズミ講」としか考えられないビジネスを非常に熱く説きに、わざわざやって来た同級生もいたっけ。

一応、彼は「大卒」だから、私より高等な教育を受けているハズなのだが、自分で言っている事が客観的に理解出来ていない様子だった。私はその時も「無職」だったワケで、彼は何もしていないのも何だから…と言う、かなり、ありがたい気持ちでやって来てくれてのだろうけれど。

「お前、バッかじゃねーのぅ?」

と、言ってしまうのも可哀想なので、たまたま一緒にいた後輩の幾人かと、一応真剣に話を聞いてはみたのだが、彼の説明する事業形態そのものが「ネズミ講」そのものであると言う理解は出来たが、それが「ネズミ講」ではないと言う理解には至らなかったので、

「申し訳ないが、私はその事業に関わる気は無いし、今後も無いだろう…」

と、断って、以後の彼の消息は知らない。まぁ、その場にいた一同は彼が去った後、

「どーしちゃったんだろうねぇ? ネズミ講にハマってるよ!」

顔を見合わせて驚いたものである。大学を出て、ひとかたの社会人になっていた彼ではあるが、何がきっかけでそこにエネルギーを注いだのかは判らない。少なくとも、私のアジトに集まる連中に通じる話では到底無いワケで、その豹変ぶりに驚いたって事の方が大きなショックだった。私としては彼の語る完璧無比なビジネス・システムを論破して見せる事も簡単ではあったのだが、あまりに気の毒で…。

痛い目に遭わないと、理解しない精神構造の持ち主だったワケでは無いんだと思うのだが、何故だか一様に「頑な信念」を熱いエネルギーに変えて、騙されていない事を力説するのであるのよ。後に引けない一線を自分なりに越えてしまったからなのか、どうなのか、定かじゃないけれど、これに荷担しない君は人であって人に非ず的な雰囲気に持って行こうとするのも興味深い。あたかも…

「この世の全てを知っているんだよ、オレは…フッ…」

って雰囲気が全く似合っていないにも関わらず、全身から滲み出ちゃってる感じが尋常で無いワケ。

確かに、その時点では「騙されている…」事は誰にも判らない。もしかしたらちゃんとしたビジネスなのかもしれないワケで、ネズミ講以外は、そうしたビジネスも確かに存在する。内職が悪いワケでもないし、それで生計を立てるのは厳しいにしても、家計には役だっている事も事実だ。また、そうした仕組みで作られた製品などが我々の生活を便利にしてくれていたりするのも事実なんである。

では、何故「騙されそうだ…」と、私は感じて彼ら彼女らは感じなかったのか? 

私はいずれの場合も「騙された人」に話を聞いているのである。騙す人から直接話を聞いているわけでは無い。直接、騙す人と話をした事はあまりないので、違いがハッキリとは判らないのだけれど、おそらくもっと上手いんだろうとは想像出来る。中には、集団心理ってものが働いていたりもする場合があるかも知れない。洗脳に近い様な「自己開発なんちゃら…」って手法と近い物かも知れない。

ともかく、何か判然としない利益を得るための利点と仕組みのみが詳しく語られて、リスクの話がほとんど無かったりする不自然さが極だって聞こえてくる感じ…って所に「胡散臭さ…」の漂いを感じるのである。また、薦められる商品や仕組みが自分にとって、有っても無くてもどうでも良い物なのに、執拗に薦められる事の不自然さが鼻につくのかも知れない。

まぁ、現状の生活に対しての不満や、将来への希望とかを、さも有りそうな話を例題に煽る様な話が真っ先に出て来る様であれば、間違いなく「胡散臭い…」。その点を上手くコメディーにしたのが、はねとびのコントにもあったんだけれどね。「恋の虜~グローバルTPS物語」がそうだったと記憶しているけど。

騙されたつもりで、英会話の教材の喫茶店勧誘に出向いた事はあった。自宅に掛かってきた電話に出ると「おめでとうございます!」ってイキナリの祝福で始まるアレである。調子よく引っ掛かったフリして待ち合わせの時間を決め、裏に付いているヤクザを引きずり出そうって魂胆である。

当時は写真学校の生徒だったので、この手の電話は良く掛かってきたもんで、仲間内と示し合わせて記事にして週刊誌に売りに行こうと企んでいたのである。

んでまぁ、新宿の大きな喫茶店で説明を大人しく乗り気で聞きまくった後に、豹変しておねえちゃんを泣かせた挙げ句、怖い兄ちゃんがやって来たワケで、その兄ちゃんがブチ切れた途端に周りにいた客が報道用のごついカメラでばしゃばしゃ撮りまくったもんだから、面白かったなぁ…。結局、記事にはならなかったけれど、取材費は2社ほどから頂けた。今なら差詰め「デート商法」なんかでやっても面白いと思う。

そん時のおねえちゃんがもうちっと話が上手ければ、いろいろとためにはなったんだと思うけれど、あまり上手くは無かったなぁ。別の英会話教材の勧誘は上手かった。実例を挙げながら、英会話の習得の必要性を説くのであるが、話の大部分がそこにウェートを置かれ、ローン契約の話は乗るか反るかの後だったので、まぁ、胡散臭さのレベルは低かった様に思う。「駅前留学」が流行る以前にはこうした勧誘が盛んだったのさ。

他にも、羽毛布団の訪問販売とか、健康食品の説明販売会だとか、騙される研究に事欠かないチャンスはあるんだけれど、チラシからして「胡散臭い…」って判るもんだから、実際に覗いた事もないし、話を聞いた事も無い。行き着く先は「宗教勧誘」だとは思うが、あっち側の世界の人が相手だと、こっちもそれなりにMADぶりを見せないといけないのでねぇ。

頼まれると断れないって人もいるから、騙されるってのもやはり気の毒なんだけれど、騙しに来た人との会話を楽しみながらキッチリ断るって所に、楽しみを覚えても悪くは無いと思うよ。

かつて、宗教の勧誘に2人のおねえさんがやって来た事があって、延々と6時間話に乗った挙げ句に、

「っじゃあ、オレ、教祖やるわ。あんたら2人はオレの僕ね。早速、渋谷辺りのバカな女子高生でも騙してSEX教団開こう…そっちのオッパイの大きいお姉さんは勧誘ね。オレ、巨乳じゃないとイヤだから。あんまり大きくない方のお姉さんは適当な壺探して仕入れて。オレが適当に書いた色紙とセットで高額で売りつけよう…」

って、自主的退散を楽しんだ事もある。無下に勧誘に乗って集会に参加してみたり、要らない物を買う必要は全くない。必要で無い物を必要とさせる気にさせる話術に引っ掛かっているだけなんだと、自分すら達観した所から楽しまないとイケナイわけ。もちろん、一見、自分とは関係の無い商品や、ビジネスなんてのも日頃から関心を持って、知識として蓄えておかないと、こうした楽しみは存分に味わえないばかりか、悲惨な結果に繋がってしまう。たちの悪い「お友達商法」なんてのもあったりする。本当に友人だった人から要らない物を薦められるケースだけれど、そんなの薦めてる時点で既に「友人」でもなんでもない。

これはご近所の奥さんだろうが、会社の上司だろうが、親類でも同じ。誰かに売らないと自分に利益が入って来ないワケだから、そりゃ必死だろうね。その点を突いても…

「いや、あなたのためを思って薦めているのよ!」

なんて言葉に弱いのは誰でも同じだが、後で待っているのは高額なローンの請求とか、さらなる「親友」を求めてあなたが必死になるとかなんである。相手は「何かの付き合い」で買うだろうとか、仲間に入るだろう…と、判っているワケだから、これを断ると実際に「付き合い」は消滅するだろうけれども、そういう「断ち切りがたい」って点を微妙に突いて攻める事に対しての「無防備さ…」から生じて止まない曖昧さが被害を拡大しているワケでもあるし、いつまで経っても無くならないのである。相手は自分さえ利益が出れば、あんたなんかどーでも良いワケで、どーなろうと知ったこっちゃ無いって事は決して言わないワケ。

「リフォーム商法」なんてのが来ないもんかと待っていたりもするんだけれど、借家と判られているなら来ないだろうしねぇ。それでも来たら、乗って乗って乗りまくって、いろいろと屋根裏だとか、床下に潜らせてあれやこれやさせた挙げ句に、

「んじゃ、大家さん紹介するわ…」

と、連れて行き、

「大家さーん。胡散臭いリフォーム業者が来てるんだけどどーする?」

って紹介してみたら身の危険を背中に感じる位に楽しいだろうなぁ。ド突かれたり、刺されたりしたらこっちのもんだ。ふんだくれるだけふんだくるのも相手が相手なら悪くも無いし、楽しいだろう。こう言う事書くと、

「調子に乗ってんじゃねーぞ、おらぁ~!」

ってのが出て来るからまた楽しい。胡散臭い建築関係はキレるのが速いのばっかだし。珍妙な法律解釈を持ち出して来るのもお里が知れるワケなんだが、これも昔からあまり変わらないんだよなぁ。

最近来たのは、ケーブルのブロードバンドだかテレビだかの勧誘だったんだが、当方が毎日インターネットを余すところ無く楽しんでいる事を知るやいなや、

「100MBは速いっすよ!」

って、あんまり言うから、

「お前んとコ帯域制限掛けてるだろ? どうやったら100MB出んだよ? 理論値で誘っておいて、実効値100MB出なかったらどーすんだよ? えっ? 良くて40MBだろうーが? 後からブロードバンドはケーブルテレビのオマケとか言い出すんじゃねーだろーなー? 軽自動車でひょこひょこウロついてんじゃねーぞ…」

って言ったら帰っちゃったけど…。未だにITでさえそんな調子なんである。ちゃんとした業者だと、実効値の平均辺りの数値を地域に照らして提示してくれる。それであってもADSLよりはかなり速いワケだから、加入する人も多いのだが、ウソは言っちゃいかんだろうに。アナログ地上波の停波と有線によるテレビ放送の視聴は関係があって、実は無さそうな話だし、デジタルのアンテナとテレビを用意すれば済む話でもある。どっちがランニング・コストが高いかなんてのは今の時点では判らないし、優位さを比較するのも早々な話だと思う。

ま、騙されてウレシイ事は、世の中にはほとんど無い…って事かな。素直に騙されて害のない物だったら、幾らでも構わないだろうけれど、ほとんどが「実害」の伴う物なんだし。人生の勉強代は人それぞれ違う物だけれど、得てして額は小さい方が良いと言う事でもあるワケ…。

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