アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「社長!」と呼ばれても嬉しくない…

2010年09月18日 | Weblog
  アジアの観光地を歩くと、「シャチョー!(社長)」「シャチョサン!(社長さん)」と声をかけられる。単なる呼びかけの言葉とは知りつつ、悪い気はしない。エジプトでは、「ヤマモトヤマー」でしたが…。アジアへの日本人観光客は社長さんたちで、エジプトへ行くのは、海苔屋さんたちってことかね?

 いま、誰でも社長になれるので、石を投げると社長に当たる。近所のメンテナンス屋のオヤジも社長だし、建設業のオヤジも社長。どちらも従業員は…いない。
 毎年、「その統計が、何か役に立つのか?」と思う統計が発表される。「社長の出身地は、どこの都道府県出身者が最も多いか(東京商工リサーチ)」ま、苦労して統計を出してくれたので見させていただくと…

第1位 東京都 80,383人
第2位 北海道 47,359人
第3位 大阪府 45,279人
以下、愛知県、神奈川県、福岡県、広島県… 
 あ、ありゃあ?「福井県」が入っていない?よくよく見たら、福井県は、第34位で、13,000人。…確か二月の発表では、福井県の順が日本一だったはずなのに…?

 実は、この社長に関する統計に限らず、統計のとり方で色々な結果が出てくる。福井県が社長になる確率が日本一高いとした統計は、「人口10万人あたりの社長輩出数(帝国データバンク)」。福井県は、この統計では、28年連続の首位。このことを地元では、「福井順一」と呼んでいる…わけないか。
 第1位 福井県  1,681人
 第2位 山梨県  1,489人
 第3位 富山県  1,331人
 それにしてもこの顔ぶれは…大都市から離れた地域の方が、比較的小規模な会社が多く、社長になる確率が高いということか。

 それはともかく、この統計…社長になりたいから、東京へ行こうとか福井へ行こう…このような話ではない。何か役に立つのかねえこのランキング?これが、どこの大学出身者が社長になる確率が高いかという統計なら、「社長になりたいから○○大学を志す…」など、役に立つ…。

 社長の出身大学で、人数が多いランキングは…(東京商工リサーチ)
 第1位 日本大学  24,160人
 第2位 慶応大学  13,186人
 第3位 早稲田大学 12,788人
 以下、明治、中央、法政、同志社、近畿と続く…。
 東大はどうした東大は!…16位でした。京大はどうした!23位でしたぁー。社長を多く輩出している大学は、いずれ劣らぬ難関校ばかり。社長になる前に、大学へ入るのが難しい。日大が、慶大や早大より難関かって?日大の偏差値は、早慶の下のマーチン(MARCHN:明治、青山学院、立教、中央、法政、日本大学)のクラス。しかし、入試の頭の良さとは別の能力(生きる力とか)が高い人が多く集まっているってことでしょう。社長の数が、慶大の二倍近いわけですから…何かがなければこれほどの差は表れない。しかし、どうして社長の出身大学の上位は私大で占められているのかねえ?

 我が家の近所の社長さんたちは、高卒。顔を合わすたび、「仕事ねー(仕事がない)!」と、嘆いています。
 誰でも社長になれる時代です。「社長になったのぉ!凄い!」という時代から、「社長になったって?それがどうした?」の時代になってきています…。
 アジアの旅行で、「シャチョサン!」と声をかけられたら指導してあげますよ。どのように指導するかって?「名ばかり社長さん!と声をかけるようにするとウケルよ!」と。