アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ヘッドスライディングがなぜ悪い

2010年09月29日 | Weblog
 日本人は野球好きである。特に娯楽のない時代を過ごした、50歳代以上のオヤジは、「野球」が最高の娯楽。そして、評論家でもある。
 その評論なのだが、「誰かが言っていたことのパクリ」がほぼ100%を占める。つまり、自分の言葉がない評論家。

 少年野球の監督をしていたときの忌々しい思い出として・・・大差を追う最終回の攻撃で、2死でランナー3塁という場面があった。私のサインは、「スクイズ」。まんまとスクイズは成功し、ランナーも生きた。しかし、後続を断たれゲームセット。
 さて、試合後・・・「何を考えてるんだ!2死からのスクイズはないべ!」「野球を知ってるのか!」「ランナーをためなければならないだろう!」…さんざんな非難。

 四面楚歌だったこともあり、一切の言い訳はしなかった。しかし、私にも考えがあってのこと。
 まず、「2死からのスクイズはない」…そんなこと、誰が決めたの?少年野球の場合、2死からのスクイズが成功し打者も1塁に生きる確率は、ヒットが出る確率よりはるかに高いのです。
 「ランナーをためろ!」…アノネ、ランナーを出すことができないから最終回までに大差をつけられているのですよ!最終回に急にランナーをためる方策があるなら是非お教えいただきたかったですねえ。

 早稲田の大学院修士課程を優等賞で卒業された、桑田真澄さん…
 ○ 無理にゴロの正面に入るな
 ○ 横を向いても体の正面で捕ればOK
 ○ 片手で捕れる球は片手で捕れ
 …桑田さんがおっしゃるのだから、田舎の評論家諸氏も納得されるのでしょうが、私は賛成できません。桑田さんには、なんの恨みもないのですが、「巨人入団のいきさつ」「投げる借金返済人」「メジャーリーグへ」「早稲田の大学院へ」…桑田ってなんなんだろう?恨みはないけど、良いイメージはありません。
 「無理にゴロの正面に入るな」は…ゴロのイレギュラーは不測の事態です。それを勘案してゴロを捕るのですから、無理がなければ正面へ入るべきでしょう。
 その次の、「横を向いても体の正面で捕ればOK」…これって、矛盾していませんか?正面に入るなと言った舌が乾かないうちに、正面で捕ればOKと言う…こういうのを矛盾というのです。
 「片手で捕れる球は片手で捕れ」…こういう指導ってどうなんだ?…「両手で捕るのが基本で、両手で捕れなければ片手でもOK」とすべきじゃないのかなあ?早稲田の総代が言うのと、アンティークなオヤジが言うのとでは重さが全然違うでしょうけどね。

 それで…早稲田の総代も、田舎の野球評論家も「ヘッドスライディングをするな」というのですが…。
 その理由を田舎の評論家は、「ヘッドスライディングより、駆け抜ける方が速いから」と、おっしゃる。オヤジたちは計時したのか?名の売れた野球解説者が言い放ったのか?これは間違いなのです。駆け抜けるのとヘッドスライディングでは、ヘッドスライディングのほうが速いことが科学的に証明されているのです(100人中75人が、ヘッドスライディングのほうが速い)。
 早稲田の総代は、「成長期にある子供達は毎年骨や関節が伸びてますよね。その段階でヘッドスライディングをすると、脱臼や骨折や突き指をするんです」

 総代にはどんなイチャモンをつけるのかって?
 成長期の子供達は、骨や関節が伸びてます。そこまでは…まあまあ良い。その段階でヘッドスライディングをすると、脱臼や骨折や突き指をする…ここがおかしい!足からスライディングすると、どうして脱臼や骨折をしないの?修士様ですから、そこのところを科学的に説明していただきたかった。手より足のほうが強いからなどというのは理由になりません。「イチローは、脱臼・骨折を怖れてヘッドスライディングしない」という例を出していましたが、イチローの場合、駆け抜けたほうが速い25%に入っているからです。

 一億総評論家・解説者の時代。プロなら、「も、ちくっと、科学的に説明してくれーッ!(龍馬風)」。水木しげる風にすると、「も、ちょっこし科学的に説明しろ!だら!」(「だら」は、「ばか、あほ」の意味。島根県のほか、滋賀県、石川県、福島県、福井県、岐阜県、富山県ぐらいまで使います。ね、科学的でしょ!)

 ところで、ヘッドスライティング…「ルーキーズ」でバンバンやってました。御子柴も関川も桧山も新庄も…誰も、ケガをしませんでしたよ。