オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

橋本清次さんのこと

2017-09-23 | ほほ笑みと感謝の会(パレスチナ子供支援)

橋本清次さんとの出会いはおよそ10年前にさかのぼります。
当時ルーテル広島教会に赴任しておられた立野泰博牧師(現在は大江教会)に紹介されました。


パロア製菓という菓子店の社長さん。異業種交流会の最中にワンセグで広陵の野球中継を見ていた橋本さん(笑)。立野先生が声をかけられ、色々話すうちに「面白い牧師がいるもんだ」と意気投合して仲良くなられたそうです。
2歳の時に被爆されたそうで「懺悔をしたいことがたくさんある」と打ち明けられると、立野先生から「それならパレスチナへ行きましょう」と言われたので教会に来ました、とも言われていました。


パンフルート奏者の岩田英憲さんを応援する「岩田英憲・風簫の会」を立ち上げられたり、ほぼ同時期に教会に来られたピアニスト平岡麻衣子さんのことも応援されたりしていました。自分のこれからの人生はボランティアに捧げる、と先代から受け継がれた会社を自分の代でたたまれ、晩年は熱心にいろんな活動に力を注がれていました。


その活動の1つが「ほほ笑みと感謝の会」。
イスラエル政府によって、パレスチナ人居住区であるベツレヘムの街を取り囲むように建てられた高さ8メートルの壁。その壁の建設ために切り倒されていくオリーブの木。その木で作ったパンフルートを使ってコンサートをして、パレスチナの子どもたちの状況を広く日本の人に知ってもらったり、ベツレヘムに建築中の音楽学校にピアノを寄付して、広島から平和への思いをパレスチナに届けようという活動を立野先生と一緒に推し進められました。


一生を壁の中で生きることが決められた絶望的な人生の中で、広島の「貞子の千羽鶴」の実話に一縷の希望を託すパレスチナの子どもたち。「絶望の淵から復活した広島のように、いつかパレスチナにも必ず平和な日が訪れる」と信じるパレスチナの子どもたちに希望を送り続ける活動。2010年には実際にパレスチナの地へ入り寄付金とオリーブのパンフルートとご自身が描かれた絵手紙を手渡されました。


そんな活動の最中のこと、2011年3月11日、東日本大震災が起きました。
広島の保育士連盟の集まりで「ほほ笑みと感謝の会」のまさに講演中の出来事でした。当時ルーテル教会の事務局長をされていた立野先生はすぐさま復興支援のために拠点の仙台に行かれました。そこでの支援活動の中で出会われた被災者の方々。「忘れないでいてくださいね」という言葉に突き動かされるように「絶望から希望へ」を主題にしてきた「ほほ笑みと感謝の会」の活動テーマは東日本大震災の復興支援にも広がりました。



「ほほ笑みと感謝の会」の主なメンバーは、橋本さんを会長に立野泰博牧師、パンフルート製作の香原良彦さん、パンフルート演奏の中村純先生、声楽の平田玉代さん、オルガニストの吉田仁美先生、そしてピアノの私。


そのほか新老人の会の日野原重明先生はじめ、にしき堂の大谷社長、広島女学院の黒瀬理事長、広島YMCAやロータリークラブや薬師寺の方々、広島パンフルート愛好会の皆さん、新老人の会フレディコーラスの皆さん、東千田小学校合唱団の子どもたち、ほか本当に多くのみなさんが力をお貸しくださいました。ひとえに橋本さんの人脈の広さと人柄と熱心さによるものだと言っても言い過ぎではないと思います。


だんだんとリウマチの症状が進む中で橋本さんは絵手紙を描き続けられ、その数は平和公園に世界中から届けられた樹木の数と同じ6000枚を超えたとの報告もありました。Facebookや絵手紙ブログも欠かさず続けられていた橋本さん、最近は少し投稿をお見かけしないな、とも思ったりしていました。
弱っていくご自分を見られたくなかったんでしょう、今年の2月誰にも知らせず天国へ帰られたそうです。


橋本さんの中にどんな懺悔があったのか私には知る由もありません。
でもこれだけのことをなさった橋本さんのことだから、きっと迷わずにまっすぐ天国へ帰られたことだと思います。
私も橋本さんと約束したまま放ったらかしになっていた薬師寺の写経奉納もやっと済ませました。実はもう1つ約束がありますが、それは生きてるうちに果たせるかどうか(苦笑)。
どうぞ天国で気長に待っててくださいね。


橋本さんの思い出と共に「ほほ笑みと感謝の会」につながる人たちが集う会が9月25日に開かれます。
もし今からでもご参加になりたい方がおられたら、どうぞ立野先生まで。




微笑と感謝の会〜橋本清次さんを偲び、パンフルートの音色を聞く〜
日時:2017年9月25日(月)12:00〜
会場:広島文化交流会館/十字星
会費:5000円(ビュッフェ・飲み物)
連絡先:tel/090-3374-3370 e-mail/tateno@jelc.or.jp(立野)




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