ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

天国と地獄 ささやかな天国編

2015-08-14 13:08:36 | 喰う、呑む
前号の地獄編に堕ちる前に、ほんのささやかな天国の時があった。

夏の二大イベントの屋台出店、「松園夏まつり」「盛岡さんさ踊り」を終え、20日ぶりの完全休養日。
地獄が釜の蓋を開けて待っているとも知らぬ、その日の久しぶりの家族集合ブランチは、定番のマルカン大食堂はお盆前・夏休みでいっそう混んでいるだろうと、「吉野屋」に決めていた。

花巻の吉野屋が空港前から旧4号バイパスに移転し「そば処吉野屋」になってしばらくたつ。
ファーストフーズ業界を撃つ大波の中で「牛丼」一辺倒のの吉野屋から打開すべき一つの試みなのだろう。

店に入り注文して待つ間に業界人らしく少し考えた。
一、蕎麦と牛丼の相性はよく、違和感はない。
二、(花巻店を見ながらだが)従来の牛丼層のほかにも少し年齢の高い人や、「家族」を新たに取り込めている。ただ、この日は日曜日だったからか個人客より家族・二人以上のペア客が多く、狙っていた線だとは思うがおざなり感の強いテーブル席が不足するように思える。
三、客も牛丼派より、「蕎麦+丼」派が多く、それぞれの単品のレベルも高くいいのだが、作業工程・食材数・厨房設備度そしてなにより従業員の手数・頭数・熟練度が必要で、これが店舗展開の楔になっているのかなと思う。
四、肝心の蕎麦だが、好き嫌いはあるだろうから個人的な「舌」が思うままに記すと、謡込みの「そば粉100%」はさてどうなのか。ややもすれば粉っぽいし喉の通りも良くない。名人技で「打つ」蕎麦は醍醐味があるだろうが、巷に蔓延している「冷麺 押出機」風の「ところてん」蕎麦は名前だけで退散したくなる。「いいうたい文句」ではあるがリピート客を持つには再考も必要かなと思う。いや、全然まともなんだけどさ。

ってなことで、「吉野屋」派のワタシがこんなことを考えて心の中で応援歌を歌っているうちにお料理到着。



最初に来たのが、意外にもワタシの頼んだ「うな重(小)とそばセット」。そばは「冷しかけそば」(ほかに「もりそば」「かけそば」が選べる)。

お分かりのと降り、今日の主目的は「鰻丼」いや「うなぎ」そのもので、スーパーでさえ二千円近い高級魚になってしまった我が愛する鰻様を、当店夏の二大イベント打ち上げを理由にして、何とか食べたいという魂胆だ。

それが、注文時点で(小)を選んだケチが身に染みついたワタシだが、来たものを見て「何だ、充分ではないか」と喜んだ。
決して(小)などと記されるほどじゃないよ、君は。これでこの値段なら、いったい知らんぷりして消費税分を転嫁したりしているスーパーは泥棒じゃないかなどと、ふと思ったりした。

先日は、これも鰻を何とかして喰いたいあまり出た奇策、回転寿司でいただいたが、今度は身もしっかり。半身のさらに半分は(いやいや)娘と相方に差し上げたのだが、積年の恋が実ったようなお鰻様との再開に、つい目がうるうるしちまったぜぃ。

PS:お気づきの方は居ましょうが、写真上の「サッポロ黒ラベル」は大人としてのランチのたしなみです。ただ、これはこの後、数日続く地獄への最後の餞になろうとは。

PS2:吉野屋様。一緒に来た木のスプーンはなんざんしょ。丼も重もがっつくもので、箸は使うがスプーンはね? いまどき なのか?



娘は「2種の鶏天丼とそばセット」。



相方は「海老と貝柱の天丼とそばセット」。

ついでに「きす天」。

それぞれの天ぷらも良く、そばも良し、さすがに「吉野屋」である。

余談だがワタクシ思うに、ファーストフード店は二つに分かれる。

熱狂的にメニューにほれ込んだオーナーの意志が伝わるファーストフードスタイル提供店と、

業種業態はなんでも良かったのだが投資回収率が良く、回転の早そうで、人気が高く、イージーに店舗展開して売り上げが伸びそうな業界だなと、リピートだけを強く期待する投資家が展開するファーストフード店。

牛丼でいえば、前者が「吉野屋」や「松屋」で、後者が「△△△」だな。

おっと、余談、余談。


そんな久しぶりの平和な家族ブランチ。

なんで花巻にあって盛岡にないのか不思議な「吉野屋」の「そば処」の、とある日曜日の、天使が微笑むような日和。


その数時間後、ワタクシは先に書いたちょっと大げさな「地獄」の時間帯に突入する。

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