ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

コブクロの処理について(気の弱い方は見ないこと!)

2012-08-15 06:54:59 | ホルモン・肉
なんでこんな時間から伝票めくっているんだろうと、少し哀しい5時起床。
4時ころ目が覚めて、寝れないのだからしょうがない。
昨夜は少し早かったが(祝日営業で22時閉店なので)、それでも1時前くらいの就寝だったと思う。
体の疲れはまだまだ残っているが、なぜなのだろう。
なんか「いいもの」喰ったかな?



確かに、大通店近くの山田酒店がやっている「ロビンフッド」で、「カツオの刺身」(300円台)、「湯葉の刺身」(2パック150円)、「出し巻き」(150円の少し割り引き)、作り置きの薩摩揚げの炊いたの(確か100円の30%引き)などという、単身赴任金賞もののコストパフォーマンスあふれる(大量の)肴。



さらに緑が丘「田清マート」で買い求めた、熟れ熟れ真っ赤なトマト、8個入り、なんと80円。
1個10円だ、もやしは1袋9円だった!!


さて、本題。
先日、女医の産婦人科医とコブクロ談義をしたので、昨夜入荷したコブクロの下処理をご紹介。



今回のは地元のと畜場のもの、3㎏。
当店では親豚のコブクロを試用している。
よくスーパーで売られているのはニュルニュルした子豚ので、これはこれでファンもいるのだろうが、親豚のもシコシコしてオイシイのだ。
ラベルには「仔袋L」とある。
Lは大きいというより、母豚のという記し。

さて、ほかの内蔵と同じように、やはりこのコブクロもと畜場により処理方法が若干違う場合がある。
と畜場により、「内蔵セット」に(メスの場合)この「コブクロ」がついてくる場合がある。
こういうのは「当たり」という感じでウレシイ。

ちなみに内蔵も検査があるので「セット」にあるべき部品(部位)がついてこない時があり、これはがっかりする。
ハツやハラミがない時もあり、これは同じ料金でどうなんだと業者に文句を言う。
もっとも「花形」の「直腸(テッポー)」だけはどの会社も「セット」には組み込まれないで、単独部位で販売されている。

話はちょっと違う方向にずれた。

さて、Lは一頭あたり250~450g位なので今回入荷した3㎏だと数頭分となる。
子豚は云わば「工業製品」で規格どおりであるが、親豚はその「産む」という役目を終えた豚で個体差が大きいから、大きいの小さいの、白くてキレイなの青っぽいの暗い赤っぽいの、様々である。

そして、先ずは「丸」のまま洗うのである。
「をかしら屋」はとにかく洗う。
あとでも写真がでるが、「丸」で洗い、「開いて」洗い、「切って」洗う。
それぞれ水の色が澄むまで、数回洗う。

最初は塩を大量にまぶして洗うのだが、これは人により店により違うのだろう。
小麦粉を使うところもあるようで、なるほどなと思うが、排水はうまくいくのだろうか?

なお、ワタクシ的には「洗濯機」を使う店は「論外」である。
内蔵の調子、色、手触りを確かめながら、一番重要な「洗い」をするのがホルモン屋の仕事であると思う。



さて、洗ってまな板に乗せるとこんな具合。
子宮は2つに別れ、その先は子宮頚(けい)、膣があります。



まず、子宮についている広間膜を取り除きます。



この広間膜を切った跡にナイフを入れ、拡げます。



こんな感じで、スイスイと。

しかし最初は誰でも手際よくはいきません。
試行錯誤してコツって奴をつかみます。

ワタシは頭では理解していましたが内臓の現業にはついていませんでしたので、開業当時はずいぶんと苦労しました。
諸先輩にはたいへんお世話になりましたね。
コブクロやナンコツはもちろん、ギアラやセンマイ洗いはたいへん!
白くなるまでといいますが、これがなかなかの重労働。
だから今でもギアラ洗いなんか、もう丁寧にやってくれる、開店当初からの女子二名には本当に頭がさがります。
気まぐれ、飽きっぽい典型B型男子、すぐに腰が痛くなるワタシには正直とてもかなう技ではありませぬ。

さて、開帳していますとキレイな豚はなんていうことはないのですが、経産豚とはいえ相当身ごもったであろう色づきの悪いコブクロにあうと、白っぽかったり赤っぽかたりの内容物がとろとろと出てくる場合もあります。



だから開帳のあとも洗う洗う。
ここがコブクロ洗いの一番重要ポイントなので、塩をこすりつけて何度も何度も、水がキレイになるまで洗うと、なんということでしょう、、、、暗い青や赤だったコブクロも鮮やかで食欲を誘う色になるわけですよ。



そう、健康な豚のコブクロは白っぽく弾力がある左、だいぶお疲れの子だくさんだったろうお母さんのコブクロは右であります。

さて、数年前にこのブログで紹介したのが開高健曰く「中国の三大珍味」というコブクロ(産道)に入った生まれる前の子豚。
ホルモン屋やって数年、二回だけお会いしました。
ほんの数㎜の赤ちゃんになる前のぶたについては、さて、このブログをお探し下さい。


仕事の最後は、食べやすい適当な長さに切ること。
そして切ったあとも、洗う、洗う。

ふ~、なかなかコブクロも手間のかかる奴です。

しかし棄てるのは薄い広間膜だけなので歩留りはバツグン。
経営者的には単価より歩留りのいい方が計算し易くて助かりますね。

その点、ナンコツなんて歩留り20%程度ですから。


こんな具合のコブクロ処理の物語。

今日15日は全店営業。

明日は大通店だけはお休みし、ワタシも含めた大通組3名は「舟っこ流し」の出店で「薬王堂明治橋店」に行きます。

じゃ、、

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