ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

(くれぐれも気の弱い方は見ないでください)今週の黒豚は経産メスだった

2013-12-18 08:53:17 | をかしら屋
毎週火曜日は「黒豚内臓」一頭セットが届く。
夕方の到着で、店の営業とともに解体ショーにとりかかったが、さすがに師走、早めの団体が多く営業時間内では作業が進まない。

そうこうするうちに黒豚目当ての常連N氏が定刻18時29分到着。
あと大腸を残すのみだが、しばし「100円ホルモン」で待っていただく。

今週の黒豚は最初に処理した赤物、舌(タン)やハツ(心臓)は小振りで、おやっ弱齢かなと思ったが、白物を開けたとたん、その大きさに驚く。
それではと直腸を引っ張りあげて、あぁと納得。



直腸についている立派なコブクロは母豚=経産メスである事を証明した。
先々週は食べごろ基準の子豚であったから、コブクロは細くキレイでニョロニョロしていたが、



今週のは写真で比べてみるとよくお分かりのように、管が長く太くて色身も悪い。



管を割いていくとこのように分厚い。



当店の標準コブクロも、いわゆる「L」という母豚のを使用している。
しゃきっとした独特の歯ごたえがいいのだ。
量販店などで売っているのは主に子供のコブクロで、これはニュルニュル感がなかなかいい。

さて、コブクロに付随する臓器、出口付近の(たぶん)生殖器や小さいかりん糖の集積みたいな小宇宙風のものなど(たまたまカウンターに大学で畜産を学んだ後輩がいたが、小動物のその器官の事は不明であった)、何年も内臓を触っているワタシにも興味深いものであった。

というのも、毎日仕入れている「豚内臓セット」にはコブクロは抜かれていて存在しない(コブクロはそれ単体で商品化されているからだと思う)。
「黒豚」など、特別に「指定」されて処理しているからついてくる。
あったあたりまえなのだが、うれしい「付録」でもある。



さて、カウンターでお待ちのN氏に処理したばかりの「黒豚ホルモンセット」を出す。
ちょっと基本より量が多いのは、「もちろん」ワタシの味見の分も入っているからだ。

シロ(小腸と脂たっぷりの大腸)、ガツミノ(ガツの分厚いところ)、コブクロ、コブクロにまつわる稀少部位(生殖器の部分とか小宇宙など)、トンタン(豚舌)のおいしいタンモトと舌の根もとの筋肉、ハツ、みんなぶったまげるオイシサのレバー。

「好き者」にとってはこの皿も涎が落ちそうな感じである。
いやいや、実はガツを裁いているときにまな板に涎を落としたワタシがいる!!

黒豚の処理が終わると、融点が低いねっとりとした脂がシンクや網にまとわりつく。
手のひらや爪にもねっとりついてくるのが、他の一般豚との違いで、この脂がオイシサを確約させてくれるのである。

先週は早めに売れ切れた。
ホルモン好きのアナタ。
稀少部位はすぐ無くなるので、お早めに。
威圧感たっぷり、脂たっぷりの圧巻のテッポーは一本売りです。



さて、従業員J氏はというと、大好評のオリジナルラーメン「コラーメン」のスープとり、その第一夜の作業に入っている(二日がかりなのだ)。

人間もそうだが(!!)、豚も死んでからも髭は伸びるわけで、スープのいいだしになる豚の頭=「カシラツブ(頭粒)」を持って、ナイフでひげそりをしている。
トンソクもそうだが、足のあいだの毛がと畜後も伸びて、クレームになったりするが、自然の行為なので納得していただきたい。

そんな臓器のお話し。
気持ち悪かった方にはゴメン。
涎が出た方は、アナタが本当のホルモンフリークですと称賛しましょう。

さて、今日もホルモンみがきながらお待ち申し上げます。
忘年会も今週末がピークかな。
土曜日はカウンターまで予約が入っています。
平日はあきもありますので、どうぞお電話(019-651-7111)で席を確保してください。

二次会も席料も突き出しもない、時には喫茶店より安いといわれる当店でゆっくりしてください。
できればお飲物以外にお一人様一品はメニューをお選びいただきたいのですが、まぁそうもいかんのかな。
酔っぱらいに優しい(行儀の悪い方には厳しいですが)「をかしら屋」へどうぞお越しください。

では、

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