政界経済がますます深刻になっており,国内でも大手企業が相次いでリストラ策を検討しています。その中で,ソニーの社長は,需要減が予想以上に激しいことから,今後はリストラを進めることで業績の建て直しを図ることを検討しているようです。
ソニー社長「需要減これほどとは」 雇用より業績優先(朝日新聞) - goo ニュース
会社を守れないと社員も守れない,でも社員が働けないと会社は守れない
以前,「似たようで実は全く別向きベクトルの雇用対策」の中で,「経営者優遇政策」と「労働者優遇政策」のメリットを中心に説明しました。いわゆる「自民党と民主党の基本政策の違い」と「両者のメリット」を述べましたが,ここでは逆に「両政策のデメリット」を中心に論じていきたいと思います。
どちらの政策を支持できるか,その点の判断の参考にしてもらえれば幸いです。
経営者優遇政策の問題点
1 海外企業と戦うために法人税を減税するとしたら,その税率は「10%未満」まで大幅に下げなければならない。現状の30数%を5%程度下げたところで,海外企業との競争力は高まらない。
2 法人税減税分の利益は従業員に還元されず,「経営者自身の手取りが増える」というメリットにしかならない。また,減税財源を他の税金(消費税,所得税など)で補わなければならない。
3 経営者のインセンティブばかり強調されるが,一方で経営破綻した場合の「経営責任」については,逆に制限する(つまり,経営者に借金を背負わせない)制度になっている。
4 経費節減を図るべく,海外進出や外国人労働者を雇うことになり,結果「次世代」が育たなくなり,やがて日本人失業者が増加する(日本経済としては大打撃だが,経営者としてはしったことではない。)。
5 結局優遇されるのは,一部の大企業だけで,9割以上の中小企業経営者に対するインセンティブはほとんどない。
6 「サービス残業や過労死は当然」というスタンスになる(経営者優遇政策においては,労働者や労働組合は,「逆らうとリストラ対象」という恐怖心が出てくることから,経営者より力が弱い状態になるため。)。
労働者優遇政策の問題点
1 給与が確実に支払われる安心感から,生産能力が低下する(業績が下がる)。
2 会社が倒産の危機に瀕しているといえども,「とにかく給料を払え」ということになり,結果会社の倒産を早めかねない(結果的に自分の首を絞めることになる。)。
3 福利厚生を充実しすぎるがあまり,たいして働かなくても給料がもらえる人が現れる(アメリカのビック3では,まさにこの点が経営破綻を招いた要素の一つである。)。
4 ストライキが多発し,社会生活にも支障を来す。
5 海外企業との競争に勝てないおそれが高くなる(規制が多く,経費が削減できないため。)。
6 無駄な社員をたくさん抱え,余計な経費がかかることで,結果的に業績が下がる。
つまり,「経営者優遇政策」の問題点を簡単に言うと,「労働者にお金が回ってこない」という点にあり,「労働者優遇政策」の問題点を簡単に言うと,「業績の低下」という点にあります。
あとは,こうした問題点と前回説明したメリットとを天秤にかけ,「どちらが日本にとってよいのか」を,私たち有権者が考え,選挙で意思表示をすればよいでしょう。
とにかく,日本経済は今大きな岐路に立たされています。失業者が増えれば増えるほど,日本経済はますます停滞しますから,「何でもかんでもリストラ」という企業の方針は,見方を変えると「自分たちの首を真綿で絞めている」ともいえます。
一方で,雇用の安定確保ばかり強調すると,経費削減ができないため,結果会社の倒産という憂き目にあいかねません。
こうした事情も踏まえ,「強い日本経済」のための選択肢を真剣に考えていきましょう。
もちろん,こうしたことをまず政治家が真剣に考えるべきであることは当然の助動詞「べし」です。
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会社を守れないと社員も守れない,でも社員が働けないと会社は守れない
以前,「似たようで実は全く別向きベクトルの雇用対策」の中で,「経営者優遇政策」と「労働者優遇政策」のメリットを中心に説明しました。いわゆる「自民党と民主党の基本政策の違い」と「両者のメリット」を述べましたが,ここでは逆に「両政策のデメリット」を中心に論じていきたいと思います。
どちらの政策を支持できるか,その点の判断の参考にしてもらえれば幸いです。
経営者優遇政策の問題点
1 海外企業と戦うために法人税を減税するとしたら,その税率は「10%未満」まで大幅に下げなければならない。現状の30数%を5%程度下げたところで,海外企業との競争力は高まらない。
2 法人税減税分の利益は従業員に還元されず,「経営者自身の手取りが増える」というメリットにしかならない。また,減税財源を他の税金(消費税,所得税など)で補わなければならない。
3 経営者のインセンティブばかり強調されるが,一方で経営破綻した場合の「経営責任」については,逆に制限する(つまり,経営者に借金を背負わせない)制度になっている。
4 経費節減を図るべく,海外進出や外国人労働者を雇うことになり,結果「次世代」が育たなくなり,やがて日本人失業者が増加する(日本経済としては大打撃だが,経営者としてはしったことではない。)。
5 結局優遇されるのは,一部の大企業だけで,9割以上の中小企業経営者に対するインセンティブはほとんどない。
6 「サービス残業や過労死は当然」というスタンスになる(経営者優遇政策においては,労働者や労働組合は,「逆らうとリストラ対象」という恐怖心が出てくることから,経営者より力が弱い状態になるため。)。
労働者優遇政策の問題点
1 給与が確実に支払われる安心感から,生産能力が低下する(業績が下がる)。
2 会社が倒産の危機に瀕しているといえども,「とにかく給料を払え」ということになり,結果会社の倒産を早めかねない(結果的に自分の首を絞めることになる。)。
3 福利厚生を充実しすぎるがあまり,たいして働かなくても給料がもらえる人が現れる(アメリカのビック3では,まさにこの点が経営破綻を招いた要素の一つである。)。
4 ストライキが多発し,社会生活にも支障を来す。
5 海外企業との競争に勝てないおそれが高くなる(規制が多く,経費が削減できないため。)。
6 無駄な社員をたくさん抱え,余計な経費がかかることで,結果的に業績が下がる。
つまり,「経営者優遇政策」の問題点を簡単に言うと,「労働者にお金が回ってこない」という点にあり,「労働者優遇政策」の問題点を簡単に言うと,「業績の低下」という点にあります。
あとは,こうした問題点と前回説明したメリットとを天秤にかけ,「どちらが日本にとってよいのか」を,私たち有権者が考え,選挙で意思表示をすればよいでしょう。
とにかく,日本経済は今大きな岐路に立たされています。失業者が増えれば増えるほど,日本経済はますます停滞しますから,「何でもかんでもリストラ」という企業の方針は,見方を変えると「自分たちの首を真綿で絞めている」ともいえます。
一方で,雇用の安定確保ばかり強調すると,経費削減ができないため,結果会社の倒産という憂き目にあいかねません。
こうした事情も踏まえ,「強い日本経済」のための選択肢を真剣に考えていきましょう。
もちろん,こうしたことをまず政治家が真剣に考えるべきであることは当然の助動詞「べし」です。
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