あれは,あれで良いのかなPART2

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交通量は減っていく,それでも道路は造っていく

2008年11月27日 02時00分08秒 | おいしい道路
国土交通省は,将来の交通量を予測した交通需要推計を発表し,その中で2002年をピークに交通量は減少しており,2030年までの道路需要を13%下方修正したことが明らかになりました。これを受けて,今後の道路財源59兆円のあり方が問題となりますが,一方で,道路族議員の中から,「それと道路建設は別」ということで,地方活性化のための道路建設は必要であるとの意見も出されており,今後物議を醸しそうです。

道路建設の圧縮必至、2030年需要予測を13%下方修正(読売新聞) - goo ニュース

作ることに意義がある?

道路に限りませんが,公共事業の場合,一般に将来の需要見込みなどをベースに事業を展開するか否かを考えます。そして,俗に「無駄な施設」などといわれるものの多くは,この需要見込み,すなわち予測を大幅な外してしまったものになります。
ところが,以前,道路の時も書きましたが,実際,この「予測」というのがどの程度客観的なのかはかなり疑問があり,ほとんどが事業実施のための「作文」になっているのが実情でした。
道路需要などはまさにその典型例で,財務省が予算を付けるときにチェックする点は,「いかに地域が活性化するか」などという抽象論ではなく,「何台通るのか」という将来予測など具体的数値の方ですから,当然,官僚はここをうまいように「作文」をするのです。予算獲得のために,時には既存データすら改ざんすることもあります。

ところが,今回,国土交通省は,禁断の下方修正を行いました。これは,国土交通省の良心ともいえるでしょう(ただ,この下方修正,道路特定財源の一般財源化の本格議論に先行して出てきているため,もしかしたら別の思惑もありそうな気がします。)。
ただ,いずれにせよ,「このまま道路を造ることは相当ではない」と暗に言っているわけですから,当然,59兆円は圧縮されることになります。

しかし,それで困るのは,「地方」に根強い人気の「道路族議員」です。道路予算がなくなれば,彼らは地元にお土産を持ってこられないし,ひどい政治家だと業者からのキックバックがもらえなくなることもあり,結果選挙にもろに影響するからです。現に,既に「そんなの関係ねえ。ハイ,オッパッピー。」モードに入っている政治家もいます。

当然,地域の活性化に必要な道路があることは全く否定しませんが,単に選挙対策のために無駄な道路を造るのはまっぴらごめんです。また,地域の活性化と言っても,一律高規格道路にする必要はありません。スムースな交通が確保できれば十分なのです。
「孫の代までツケを残してでも必要な道路なのか」,この点は特に「今道路が少ない地域の方々」がよーく考えるべきことかもしれません。道路需要が減少するということは,「道路を造っても,その地域に物流が発生するとは限らない」ということを暗示していることも視野において考える必要があります。

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