全国の公立図書館で,2007年度に不明となった蔵書が28万冊,被害総額で4億円を超えていることが判明した。一方で,防犯装置の設置については,予算の関係で未設置のところが多く,各自治体とも対応策に悩まされているとのことです。
28万冊いずこに…全国公立図書館で不明、被害4億円超す(読売新聞) - goo ニュース
本の無断持ち出しは窃盗罪です
記事によると,ある図書館では,雑誌を持ち出そうとした中年女性を呼び止めたところ,「雑誌がカバンに落ちただけ。盗んだ証拠があるのか」などと逆ギレされ,職員が謝罪したら雑誌を返した等という事例も報告されているようです。こんなバカがいるとは思いませんでしたが,28万冊なくなるということは,こういうバカが延べ28万人いるということになります。
ただ,こういう場合,容赦なく「刑事告発」するに限るのではないでしょうか。前述の中年女性の事例については,すぐに警察に通報し,捜査してもらうくらい強気にいってもよかったと思います。警察では,こんな屁理屈,通用しません。
万引きに対する犯罪認識が弱いように,日本では「役所のものは自分のもの」という変な認識を持っている人が多く,結果,図書館の本を盗むことに罪悪感を感じない人がまだまだ多いのかもしれません。
こういう人に対する対応は,「啓発活動」と「強気の姿勢」しかないでしょう。コンビニが,ガム1個の万引きであっても警察に通報するという姿勢になっているように,たとえ100円の本1冊であったとしても,「容赦なく通報」という姿勢をはっきりと示すべきでしょう。そして,館内出入り口には,「本の無断持ち出しは10年以下の懲役の窃盗罪だよ」と書いておくことも大切です。
一方で,一部批判として,「図書館の警備体制の甘さ」の指摘があります。図書館側も「自分のもの」という認識が甘いので,持ち出しを防ぎきれないのではないか,というものです。
確かに,それは総論的には正しいかもしれません。ただ,図書館でそこまでやる意味があるでしょうか?
先日,とある図書館長のお話しを伺う機会がありましたが,その方曰く,「図書館とは,単に本を貸すだけの施設ではない。さまざまな文化,情報の発信基地である。そして,その情報の裏付けとなる書籍を提供できるようにする点に本当に意義があるのだ。」ということでした。
まさに正論です。図書館とは,その町の文化の象徴です。住民が,何かを調べたいときに「知の提供」を行う場所であり,逆に,積極的に「知を提供する」場所であるともいえるのです。
そう考えた場合,図書館に防犯ゲートを設けるということは,「その町の住民はすべて盗人であり,とても知の提供ができない」と言っているようなものになります。平たく言えば,「知的レベルが低い住民」と言われているに等しいのです。
「それは性善説で考えすぎ,今の時代は性悪説で考えるべきだ」という反論もありますが,知的文化については,やはり「最後の砦」として性善説で考え,モラルの再考と発見した場合の厳罰化で対応するのが良いのではないでしょうか。
ただ,もっというと,「今の図書館のあり方」自体を見直す時期に来ているのかもしれません。
前述のとおり,書館とは「知的文化の情報発信基地」なのです。したがって,当初は「高額な本」や「なかなか手に入りにくい本」,さらには「みんなに読んでもらいたい価値のある本」を図書館蔵書としていました。ところが,80年代頃から,「みんなが読みたい本」のリクエストが増えてきて,結果,「ベストセラー本」「一般雑誌」「漫画」「映画」などが図書館に置かれるようになってきました。逆に,これがないと「だめ図書館」と住民から言われてしまいます。
しかし,本当にこういうスタイルでよいのでしょうか。図書館は本屋ではありませんから,当初の目的を踏まえて,もう一度「必要な本か否か」を取捨選択する必要があるかもしれません。
もちろん,ベストセラー本などを一切置いてはいけないとはいいません。ただ,「単なる本屋」ではなく,「知的情報発信基地」としてその本がどういう役割を持つのか,という点も考えて整備するといいでしょう。
最後に,話を戻しますが,「図書館の本を勝手に持ち出したら,窃盗罪で懲役10年以下の刑になる」っていうこと,これは是非とも自覚を持ってほしいと思います。もちろん,本のページを勝手に破ったり,勝手に書き込んだら「器物損壊罪」で3年以下の懲役になります。
こういう人が図書館に出没すると,「その町の住民の知的レベル」を疑われる結果になります。こういうことは,なんとしてでも止めてもらいたいものです。
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28万冊いずこに…全国公立図書館で不明、被害4億円超す(読売新聞) - goo ニュース
本の無断持ち出しは窃盗罪です
記事によると,ある図書館では,雑誌を持ち出そうとした中年女性を呼び止めたところ,「雑誌がカバンに落ちただけ。盗んだ証拠があるのか」などと逆ギレされ,職員が謝罪したら雑誌を返した等という事例も報告されているようです。こんなバカがいるとは思いませんでしたが,28万冊なくなるということは,こういうバカが延べ28万人いるということになります。
ただ,こういう場合,容赦なく「刑事告発」するに限るのではないでしょうか。前述の中年女性の事例については,すぐに警察に通報し,捜査してもらうくらい強気にいってもよかったと思います。警察では,こんな屁理屈,通用しません。
万引きに対する犯罪認識が弱いように,日本では「役所のものは自分のもの」という変な認識を持っている人が多く,結果,図書館の本を盗むことに罪悪感を感じない人がまだまだ多いのかもしれません。
こういう人に対する対応は,「啓発活動」と「強気の姿勢」しかないでしょう。コンビニが,ガム1個の万引きであっても警察に通報するという姿勢になっているように,たとえ100円の本1冊であったとしても,「容赦なく通報」という姿勢をはっきりと示すべきでしょう。そして,館内出入り口には,「本の無断持ち出しは10年以下の懲役の窃盗罪だよ」と書いておくことも大切です。
一方で,一部批判として,「図書館の警備体制の甘さ」の指摘があります。図書館側も「自分のもの」という認識が甘いので,持ち出しを防ぎきれないのではないか,というものです。
確かに,それは総論的には正しいかもしれません。ただ,図書館でそこまでやる意味があるでしょうか?
先日,とある図書館長のお話しを伺う機会がありましたが,その方曰く,「図書館とは,単に本を貸すだけの施設ではない。さまざまな文化,情報の発信基地である。そして,その情報の裏付けとなる書籍を提供できるようにする点に本当に意義があるのだ。」ということでした。
まさに正論です。図書館とは,その町の文化の象徴です。住民が,何かを調べたいときに「知の提供」を行う場所であり,逆に,積極的に「知を提供する」場所であるともいえるのです。
そう考えた場合,図書館に防犯ゲートを設けるということは,「その町の住民はすべて盗人であり,とても知の提供ができない」と言っているようなものになります。平たく言えば,「知的レベルが低い住民」と言われているに等しいのです。
「それは性善説で考えすぎ,今の時代は性悪説で考えるべきだ」という反論もありますが,知的文化については,やはり「最後の砦」として性善説で考え,モラルの再考と発見した場合の厳罰化で対応するのが良いのではないでしょうか。
ただ,もっというと,「今の図書館のあり方」自体を見直す時期に来ているのかもしれません。
前述のとおり,書館とは「知的文化の情報発信基地」なのです。したがって,当初は「高額な本」や「なかなか手に入りにくい本」,さらには「みんなに読んでもらいたい価値のある本」を図書館蔵書としていました。ところが,80年代頃から,「みんなが読みたい本」のリクエストが増えてきて,結果,「ベストセラー本」「一般雑誌」「漫画」「映画」などが図書館に置かれるようになってきました。逆に,これがないと「だめ図書館」と住民から言われてしまいます。
しかし,本当にこういうスタイルでよいのでしょうか。図書館は本屋ではありませんから,当初の目的を踏まえて,もう一度「必要な本か否か」を取捨選択する必要があるかもしれません。
もちろん,ベストセラー本などを一切置いてはいけないとはいいません。ただ,「単なる本屋」ではなく,「知的情報発信基地」としてその本がどういう役割を持つのか,という点も考えて整備するといいでしょう。
最後に,話を戻しますが,「図書館の本を勝手に持ち出したら,窃盗罪で懲役10年以下の刑になる」っていうこと,これは是非とも自覚を持ってほしいと思います。もちろん,本のページを勝手に破ったり,勝手に書き込んだら「器物損壊罪」で3年以下の懲役になります。
こういう人が図書館に出没すると,「その町の住民の知的レベル」を疑われる結果になります。こういうことは,なんとしてでも止めてもらいたいものです。
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