あれは,あれで良いのかなPART2

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スケートリンク廃止に反対?賛成?

2006年03月23日 01時03分00秒 | スポーツ全般
トリノオリンピックが終わり,またパラリンピックも知らぬ間に終わっていました。このほかにも,WBC優勝やフィギュアスケート世界選手権など,この時期はまだまだスポーツ情報で目白押しです。
さて,そんな中,荒川静香選手の金メダルを契機として,各地で「スケートリンクを廃止しないで」運動が盛んになってきました。また,スケートリンク以外にも,「カーリング場をもっと作ってほしい」とか「スノーボードハーフパイプが1年中練習できる場所を作ってほしい」等の要望がいろいろ出されているようです。

そうは言ってもねえ・・

話が広がりそうなので,とりあえずスケートに限定して話を進めます。
スケートリンクの場合,維持費がかなりかかることに対し,年々スケートに来る人が減っているという実情からすれば,当然赤字経営となります。
従って,民間企業が経営しているスケートリンクであれば,赤字削減や会社倒産などの理由からリンクが閉鎖されてしまうことはやむを得ないことといえるでしょう。
また,公営のリンクの場合,赤字でも一応開設は可能なのですが,昨今の財政再建のあおりを受けて,「赤字施設は即刻廃止しろ」という方針をほとんどの自治体で出している関係上,これまた赤字のスケートリンクは廃止という形になってしまいます。そして,少なくともトリノオリンピックが始まるまでは,住民の大半は「これで税金の無駄遣いが減った。よかった。」という評価を下していたはずです。
しかしながら,荒川選手が金メダルを取った瞬間,みんな手のひらを返して「何でスケートリンクを廃止するんだ」と矢のような抗議活動が始まったのです。

この問題,本当に難しいところです。国民の健康福祉を増進するために,いろんな体育施設は必要です。しかし,そのほとんどは「赤字施設」です。そして,前述のとおり,赤字施設は廃止される対象になりやすいです。なぜ赤字になるのか,理由は簡単です。黒字になる施設ならば,民間企業がとっくに参入しているはずだからです。
一方で,国民の健康福祉をないがしろにはできません。従って,たとえ赤字であったとしても,時に税金を投入してまでその施設を維持する必要があることも事実です。

結局,この問題は,「地方自治体の財政難」vs「国や地方自治体のスポーツ行政のあり方」になるといえるでしょう。
もっと短絡的に言ってしまえば,「国や地方自治体の赤字財政の脱却するかわりにオリンピック等で金メダルは求めない」とするか「多少は赤字財政で税金の負担が増えてでもオリンピック等で金メダルを取ってほしい」のどっちを住民が求めるか,という点にかかるといえるのではないでしょうか(かなり乱暴な議論であることは承知の上ですが。)。

もちろん,オリンピックがすべてではありません。スポーツ行政とは,一流アスリートを育成することはもちろんのこと,一般の人もスポーツを楽しめるようにすることも含めて考える必要があります。そうすると,やはり究極的には利用者数が問題となるわけで,となると・・ってな具合にトートロジーに陥ってしまいます。

ちなみに,夏季オリンピックに関する競技については,現在のところ,施設も指導者もある程度充実しています。これについては,冬季オリンピックに関する競技については,夏に使うことができないことや,前述のとおり維持費がかなりかかることから,事情が異なるといえるでしょう。

スケートリンクがなくなることのデメリットは理解できます。一生懸命練習している子供達の練習環境が過酷になることも,費用負担が大きくなることも当然分かります。一方で,さらなる財政負担,増税の要素となりうることも実態として存在します。
あとは,スポーツ行政として,施設廃止か存続かを天秤にかけて検討した上で,廃止となった場合は,施設廃止に代わる措置をどの程度構築できるかという点がポイントとなるでしょう。もちろん,施設の赤字以上の費用がかかるような代替措置であるならば,施設を維持した方がましです。そのあたりは文部科学省や地方自治体の腕の見せ所ではないでしょうか。

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