おんせんに泊まる。飲んで飲んで飲んでいる。酔って酔って酔っている。安宿。酔うしかない。
一人、日田温泉に来ています。ここの湯がいいです。泊まります。泊まるのは今年初めてです。シングルルームがいっぱいでツインルームです。旅割りが半分になっていました。クーポン券は2000円出ます。雨は上がっています。
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布施といふは貪らざりなり。
修証義より
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この世には我が物という物が存在していない。
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それを我が物としているだけである。
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我が物としているから人に分けようとしないのである。
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貪るというのは所有欲の凝固である。
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天も地も我が物ではない。所有物ではない。山も海も川も水も我が物ではない。地球も月も太陽も我が物にはならない。
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無償で与えられているだけである。無条件で貸し与えられているだけである。人もそうである。
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わたしが生きて行くためにはそれが必要不可欠だから、貸し与えられているだけである。
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貸し与えれていてもそれは己の思い通りにしてよいということにはなっていない。
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布施は我欲のエゴを放つことである。煩悩の住処を明け渡すことである。
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長年生かされていながら、それができないで、苦しんでいる己がいる。
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わたしの隣にいる人は、100000000ポイントの価値のある人なのに。
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わたしはどれだけのポイントをその人の価値として見ているのでしょう。
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低く低くみているようにも思います。高く見れていない恐れがあります。
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だとしたら不当評価に当たります。児童虐待のような虐(いじ)めに同じです。
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反対にわたしがそういうふうに見られていたら、わたしはきっと悲しむでしょう。わたしのすぐ隣にいる人に、そういう冷たい目で見られていたら、やっぱり悲しむでしょう。
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今日はその人は隣にいません。出掛けています。わたしは一人で留守番をしています。
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わたしはこの後急いでいまだ評価をしていない分を評価すべきです。残りのポイントが、しかし、ヒマラヤの山のように聳え立っているのかもしれません。
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あなたもわたしもやがて泡になってしまいます。流れて流れて海の藻屑になってしまいます。
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くっつき合っている泡の泡同志になってしまいます。
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その時に、何か思い出すことがあるのでしょうか。思い出もなんにも、そこにはないかもしれません。
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わたしの書いたものは、値打ちはゼロに等しいが、それでも消えて行かないだろう。残っていくだろう。天空にある記録図書館に記録されているだろう。
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わたしがそれを読みに行くだろう。意識だけになっているが、読みたくなって読みに行って、生きていた頃をそれとなく思い起こして懐かしむだろう。
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それだけのために書いているのか?
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それだけのためと限定はしていないが。そういう因縁を生じることになるだろう。
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いろんなことを書いて来た。ま、十把一絡げでみな他愛のないもの、軽々としたものなんだけど。
***
2023年1月12日。わたしの過ごす今日。1回きりの今日。使い切りの今日。大切な今日なのだが、大切にしているかと問われれば、答えられない。
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左義長。さぎちょう。
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とんど。とんど焼き。
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お正月の飾り物を燃やす。松飾り、注連縄などを燃やす行事。
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燃やして祭神様を天に送る。書き初めを燃やすことを吉書揚(きっしょあげ)というらしい。
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たくさん投げられた飾り物が寒空に燃えて、威勢よく火が高く上がる。これを取り巻いてあたたまる。
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残り火に餅や団子を焼いていただくと一年が無病息災になる。めでたい。日本の行事はすべてめでたい。
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そのとんど焼きがもうすぐ。小正月の14日~15日。正月が半分になった。
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左義長とどうしてそう呼ぶのかは知らない。三毬杖とも書くらしい。吉書揚は宮中での儀式らしい。
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どんど焼き。さいとやき。ほっけんぎょう。ほちょじ。おにび。地方によって呼び名が変わるようだ。
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日本のこうした行事は下火だ。それぞれ意味合いがあり、祈りが込められているはずなのだが、科学文明が幅をきかせているから、古いしきたりの訳が分からなくなっているからだろう。
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雨がやや強くなってきたようだ。雨音が耳につくようになった。空の色が淀んだ沼になっている。
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というのに、雀たちは元気だ。朗らかだ。庭先に来て、ちゅんちゅんちゅんちゅんと歌っている。餌箱の餌を啄んでいる。
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餌箱にも雨が溜まっているだろう。もうすぐ拾えなくなるだろう。
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出番だ。爺さんの出番だ。餌箱に溜まった水を捨ててやる仕事がある。
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爺さんのすることはそれしきりのこと。世の中の人たちと比べたら、小さいなあ。
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ものは見よう。見よう次第。
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そのものは一つなのに、いくらにでも分裂して見えて来る。
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つまらなくもなるし、なつかしくもなる。
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振り払いたくもなるし、抱きつきたくもなる。
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目で見て心で見て、見ている通りになる。
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絵を描いているときのようだ。
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美しい絵にもなるし、醜い絵にもなる。
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それがそこにある。どうにでも見ていいようになっている。
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固定を強制していない。自由に見て評価を下していいことになっている。
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今日はどっちにしようか。
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書斎の前は窓。窓の外に濡れ縁。
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濡れ縁の上に鉢。鉢に桜草が咲いている。赤い花の色の。
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美しい。美しいので見ている。ほれぼれと見ている。
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爺さんは惚れ屋。すぐに惚れる。だらしなく惚れる。己を解体して惚れる。
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世の中に美しいものがある。ああ、嬉しい。嬉しい嬉しい。