午後5時半、外気温は5・8℃。寒い。指先が冷たい。
午後から雨になった。今も降っている。外が暗くなって来た。
*
腹が減ったなあ。今夜は鍋料理。畑から白菜、白葱大葱、ほうれん草、春菊を収穫している。
午後5時半、外気温は5・8℃。寒い。指先が冷たい。
午後から雨になった。今も降っている。外が暗くなって来た。
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腹が減ったなあ。今夜は鍋料理。畑から白菜、白葱大葱、ほうれん草、春菊を収穫している。
1
高菜がおいしい。香りがおいしい。
2
さらさら煮餅に青い色の高菜を加えてもらう。
3
これでおいしくいただける。
4
餅は水餅にしてある。黴が生えないように水に漬けてある。
5
ご飯はお粥状のさらさらになっている。出汁は鰹・炒り子・昆布を使う。
6
お餅も半分ほどはとけて柔らかくなっている。
7
朝ご飯はこれが最高だ、この冬の時期は。
1
集団の中へ入るのを嫌う。そういう癖がある。このお爺さんには。
2
一人でいるのがいい。このお爺さんにはそれがふさわしい。
3
同じ事をさせられるのはうんざりだ。強制させられるのはうんざりだ。
4
強制なんかしていないはずなんだが、集団でいるとそうなってしまう。
5
同じ事をしなければはみ出されてしまう。
6
はみ出されるのが分かっているから、集団には入りたがらない。
7
つまり協調性社会性が0なのだ、このお爺さんには。
8
我が儘なのだ。この年齢になってもこの悪習は治らない。
1
お昼はレーズンロールパン。1個半。+、手許のペットボトルの水を飲む、少し。
2
これでよし。
3
わたしはお爺さん。不活発なお爺さんだから、これでよし。
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1
今日はこれから檀家寺へ行く。宗祖親鸞聖人のご命日の、ご正忌さんの行事に参加する。説法を聞く。
2
昨日も15時で終わった。
3
お寺の広い御堂が参拝客で埋まっていた。念仏が鳴り響いた。
4
集団念仏もいいだろうが、わたしは一人の静かな念仏をよしとしているから、違和感を感じてしまう。
5
臍が曲がっているのだ。
1
初日の出ものの勢い拝みけり
2
わたしの落選の俳句。いつものように落選の。(どうしていつも落選なんだろう? 下手だからだ)
3
ぬっと現れ出て来る。水平線からぬぬぬぬぬっと。
4
そこから一挙に上がって来る。
5
海が明るくなる。陸が明るくなる。草木が照り輝く。わたしの足下が照らし出される。
6
ものはすべて勢いというものを持っている。それを行動に移している。太陽しかり。
7
今日は元朝。新しい年の太陽に新しい勢いがある。これで安堵する。
8
手が合わさる。畏敬が頂点になる。
9
わたしのうちにもこの勢いが感じられて来る。万物に潜む勢いというものが感じられて来る。
1
関西弁「負けたらあかん」を星が言ふ ちょっと笑って沢庵(たくあん)囓(かじ)る
2
わたしの落選の短歌。これもまた。
3
星が今夜は関西弁を喋っている。「負けたらあかん」。そう言って瞬(またた)いている。
4
そんなふうに聞こえて来る。負けたらあかんと思う。
5
聞こえたことを相手に知らせねばならない。
6
ちょいと笑ってみせる。その後で、カリカリカリと沢庵を囓って夕食を取る。
7
貧しいお爺さんの貧しい夕食が終わる。
8
これで明日へ繋がって行く。
9
勝ち戦の人生を送らなくともそれでいい。しかし、負けたらあかん。
1
何事もおめでたき日の里静か
2
何事もおめでたい日。それがお正月である。
3
かといって、何か変わったことがあるわけでもない。
4
静かな里である。
5
静かにしていること、それもまたおめでたいことなのである。
6
そこにいる。いるだけで、こころが安らいで来る。
7
安らいで華やかになって来る。里の静かなお正月。
1
地球とふ卵子1個の浮かぶ春
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我が落選の俳句。これもやはり。
3
ものを産み出す始めに卵子あり。
4
地球は丸い。小鳥の丸い卵形をしている。
5
卵子は受胎して年ごとに新しい春を産む。
6
春のさまざまな美しい風景を産み出す。
7
地球は壮大な規模の卵子である。
8
親鳥は?
9
親鳥は銀河系宇宙である。
10
だからここはその銀河系宇宙の胎内である。
1
特上とすればするほど特上のいただきものの新春の空
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我が落選の短歌です、これも。
3
みなことごとく頂き物でありますが、今日の新春の空は特別。特上の頂き物。
4
特上とすればするほど特上になる頂き物。それをおしいただく。
5
わたしにもその新春が廻って来ている。平等に。分け隔てなく。美しく。
1
餅搗きの初めの蒸気鳥となる
2
これもわが落選の作品。
3
餅搗きは餅米を蒸すところから始まる。40~50分蒸す。
4
蒸し上がる。蒸し器の蓋を取る。高温の蒸気が、寒い部屋に舞い上がる。ふうわりと舞い上がって、大空へ出る。
5
一羽のまぼろしの鳥が舞い上がって去って行ったような感覚にとらわれる。
6
その後で、餅搗き機械が始動する。
7
やがて餅が搗き上がる。小餅を丸める作業に取り掛かる。
8
俳句がその途中の一瞬を写し取る。