多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

仕事の思い出

2018-09-13 13:06:31 | 労働

私は 結婚後 正社員からパートになり、しばらく仕事をしたが、


妊娠を機に専業主婦になった。それから数年後、子どもを保育園に入園させるために、


また 働きに出た。運がいい事に、退職した会社の支店が


わが家から 車で15分の所にでき、「パート・アルバイト募集」のチラシが来た。


面接に行ったが、すごい人数で、面接を受けるだけでも


待ち時間が長かった。控室では「これじゃあ私落ちるわ」「やめようかなあ」と


気弱な声が 聞こえた。面接を受けてもいないのに、勝手に「私はダメ」と決める神経が


不可解である。私は 忙しい中時間を作ってきたのに、途中で帰る方が損だと思い、


面接の順番を待った。面接相手が誰だったかは記憶にない。


皆スーツの 兄ちゃん・おっさんだし、私は 人の顔がわからない。


役職順に 紫とか 黄色とか せめてネクタイでも違っていたら


わかったかもしれないが、皆ハンコで押したような恰好である。


私の履歴書を見た 面接官は「あれ?OO支店にいたんですか?」と


一気に丁寧な口調になった。わっはっは。君たちが「社長」と呼んでる人の


もっと上の人が「社長」だった時代に私は働いていたんでね。と顔には


出さないが「はい、そうです」と答えた。


「じゃあアレとかコレとか もしかしてナニナニもやってらしたとか?」


「ええ、まあ」と いいつつだんだん態度が大きくなる私。


逆に 敬語で 質問してくるおっさん。


「えー、では 採用かどうかにつきましては、封書でご連絡差し上げますので、


今日は これでお帰りください。お疲れ様でした。」


深々とお辞儀をされ、ドアを開けてもらって 退席する私。


別に大したことではないと 急いで家に帰って 家事に追われていた時に、


電話が鳴った。こんな忙しい時に誰だよお、と電話に出たら


さっきのおっさんである。


「実はですね、こよりさんがお勤めだったOO支店のOBのOOさんに


ご連絡を取らせていただきまして・・・」


何でもいいから 早くして。と思った時に


「採用の件ですが、できたら明日出社していただくわけには


参りませんでしょうか?」と来た。


はあ?数時間前に面接終わって、今 夕食の片づけしてて忙しいのに、


「採用したから 明日から来い」だと?


むー・・・納得できないなあ。連絡は封書って言ってたのに、


夜電話。察するに 私の元上司から 私の仕事の仕方とか聞いて、


「ブランクあるし、当時とシステム違ってて 悩むだろうけど、


あの人 採用しとけば役に立つよ」とでも言われたんだろう。


自分で 決められなくて、OBに相談して、封書でといいつつ


電話ですか。


普通の人なら 何も感じないでしょうが、私は 自閉バリバリですから、


「封書で連絡します」と数時間前に言った人が、電話で連絡してくるのが


イヤなんですよね。納得できない。だったら 自宅に来たらいいじゃないか。


とか あれこれ思いましたが、昔と同じ会社に復帰できるうれしさで


「はい、明日伺います」と返事をして、「文句は明日言えばいいか」と


思っていたのでした。


そして 出向いた新支店。商品も搬入済んでないし、あちこち気になる所が。


私の新上司ですが、過去のキャリアは 私とさほど変わらないおっさんに


連れられて 会社を一回りし、「何か したい事ありますか?」と聞かれたので、


「在庫の配置が 決まってるなら、今ある分だけでも


品出ししたいですね。あと 部署別のマニュアルがあったら、全部目を通したいです」


目を丸くするおっさん。自分で聞いといて 何をびっくりしてるんだか。


一日も早く 売り場作らないと、倉庫が一杯になってから品出し始めても


遅くなる一方なんだけど。


私は マニュアルにさっと目を通し、売り場の位置を 確認し、


倉庫に 置かれた段ボールを開けて、マニュアルに添って品出し。


おっさんに「白手袋 3組と ペンとメモ、ほこり取り用のモップ、付箋下さい」と


頼み、せっせと品出し。いやー、久々の仕事って楽しいな。


ワクワクしながら 商品を並べ、ほこり取りつつ 付箋に日付と私の名前書いて棚の隅に


貼りました。不具合があった時に「これいつだれがやったの?」という無駄なやりとりを


避けるため。これならすぐ私に連絡がくるでしょうから。


初日は あっという間に 時間が過ぎ、気がついたら


今度は 知らないお兄ちゃんとお姉ちゃんのペアが。


「私OOと申します。ここの社員です。こよりさんは 大先輩と伺いました。


私に至らない所がありましたら、遠慮なくおっしゃってください。


会社のシステムも 多少変わっていると思いますので、わからない事は


何でも おっしゃってください。」


ほー。なかなか礼儀正しい子だなあ。パートのおばさんにも


自分から自己紹介かあ。


「僕はOOと申します。何かわからない事があったら、僕に聞いてくださいね。


よろしくお願いします。」


俺をなめるなよ、って感じが伝わって来たので、


「ブランクも長いですし、お手数おかけすることがあるかと存じますが、


よろしくお願いします」と お辞儀をしておきました。


そのうちに システムにも慣れ、正社員の方々が


新しい パートさんやバイトさんの 指導でお忙しい中、


リサイクル品(爆)の私は、一人で 好きなように売り場を作り


在庫を把握し、お客さんに尋ねられた品物の在庫を


正社員の方が POSやら パソコンで入荷状況を確認している隙に


「当店では こちらとこちらが ございますが、ご覧ください」と


お客様に お渡しして、あとの応対は 兄ちゃんや姉ちゃんに


譲って、ぱたぱた短い足で 忙しく楽しく仕事をしたのでした。


家族の世話や 介護があるので、朝早くや 日中は最低限にし、


夜 家族の夕食や入浴を済ませてからの勤務が多かったですが、


今思い出しても 楽しい時間でした。


自分で並べた在庫だから、何がどこにあるか


一番早くわかるの当たり前なんですが、お客様や 正社員や


パート・バイトさんには 「仕事ができる人」と


思われたようです。品物を出せない日は、ちょっと早めに来て


売り場を一回りして 「ああ、ここが変わってるな」「あの商品は無いな」と


頭に入れてから 着替えをして 売り場に。


簡単な事なんですが、やらない人から見たら、「店の在庫を把握してる」だけで


「すごい人」と誤解されたようです。


何が 評価されるかわからないから、働くって面白いなあと思います。




発達障害、治るが勝ち! 自分の生き方を自分で決めたい人たちへ
クリエーター情報なし
花風社
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