The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

ケネス・ブラナー監督『ベルファスト』

2022-03-15 | 映画
”Belfast”

2021年
アイルランド、イギリス合作

以前からとても気になっていた ケネス・ブラナーが手掛けた『ベルファスト』。

第46回トロント国際映画祭では 最高賞にあたる観客賞を受賞して以来、第79回ゴールデング
ローブ賞では脚本賞を受賞、又第94回アカデミー賞では7部門にノミネートされるなど、多く
の賞獲得が期待されていました。

そんな中、3月13日開催されたBAFTA(第75回英国アカデミー賞)では英国作品賞を受賞。





又、
米クリティック・チョイス賞2022では、
アンサンブル演技賞、若手演技賞(ジュード・ヒル)
も受賞しています。

この作品は、
ケネス・ブラナーの半自伝的な作品で、1969年の北アイルランド ベルファストが舞台になって
います。
9歳の少年バディの目線を通し、時代に翻弄され様変わりしていく故郷の厳しい現実と、家族と共
にそこで過ごした愛と笑顔と興奮に満ちた日々を力強いモノクロ映像で描き出しています。
牧歌的で愛に溢れ、平和な時間が流れるベルファストに突如暴徒が押し寄せ、街の様子が一転して
しまう。一方過酷な現実に立ち向かい、抗う事の出来ない時代の変化に葛藤しながらも 前を無く
勇気を貰える作品になっている。







サー・ケネスによれば、「その時の光景は、まさに私が記憶していたまま描かれている。あの午後、
スローモーションのように世界がひっくり返る瞬間を見た。その瞬間から、世界は永遠に変わって
しまったんだ」と当時を振り返るも、「過激さは違えども、世界中の人が同じような転換期を経験
しているはずだと思ったんだ」と明かしており、コロナ渦の中、世界に変革がもたらされているこ
の時代にこそ、届けるべき物語であることを語っている。実際、50年もの間、本作の製作に着手で
きなかった中で、2020年に起きたパンデミックの最初のロックダウンが始まった頃に脚本を書き始
めたそうだ。

この映画の背景にあるのは、1960年代後半から始まった北アイルランド紛争。カトリックの親アイ
ルランド派とプロテスタントの親イギリス派がそれぞれ武装してテロを繰り返したほか、イギリス
軍による武力行使もあり、多くの犠牲者を出した。

キャスト:
監督、脚本、製作:ケネス・ブラナー
出演:
バディ:ジュード・ヒル
マー(バディの母):カトリーナ・バルフ
パー(バディの父):ジェイミー・ドーナン
グラニー(バディの祖母):ジュディ・デンチ
ボッブ(バディの祖父):キアラン・ハインズ
その他
そう言えば、”マーリン”のコリン・モーガンも出演しています(久し振り!)

出番は多くないものの、ジュディ・デンチやキアラン・ハインズ等の名優が作品を引き締め、長編映
画デビューとなるバディ役のジュード・ヒルが自然な演技力でまぶしい存在感を見せているとの評価
を得ています。



↓ trailerはコチラ
https://youtu.be/LKYqz-hhxAE

日本での上映があるかどうか・・・と思っていたのですが、

2022年3月25日(金)からの上映が決まったそうです。

とは言え、
未だ映画館に行くのは躊躇している状態ですので、もう少し様子をみてから・・・にしようと思って
いる所です。

そう言えば、サー・ケネスのポアロ2作目になる『ナイル殺人事件』も只今絶賛上映中(勝手に”絶賛”
つける)ですが、これも未だ観に行けません。 

(公式サイト、BAFTA, eiga.com, fashion press & etc.)


余談ですが、
本当に偶然ですが、現在北アイルランドが舞台のミステリを読んでいる所です。 非常に面白い作品で
機会があれば追ってご紹介しようと思います。