The Game is Afoot

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『SHERLOCK S1E0』 "A Study in Pink” Pilot版 回想 (4) 

2017-10-28 | SHERLOCK S1E0 : A Study in Pinki (Pilot)
『SHERLOCK』S1E0 : ”A Study in Pink” 『ピンク色の研究』 Unaired Pilot :(4)




・・・・・その(4)


犯人宛てに送ったテクストに書いた場所、ノーサンバランドに向かうシャーロックとジョン。

この時ジョンが開けっ放しにして歩き出した後のフラットのドアをきちんと閉めるおりこうシャーロック(笑)

ノーサンバランド・テラスに向かう途中の会話はE1と殆ど同じ。 但しシャーロックの犯人推理の話し方はE1
より控え気味。

レストラン到着。
店主のアンジェロがE1とは別人。
そして、アンジェロがジョンの事をシャーロックのボーイフレンドと思い込み、ロマンティックな雰囲気にしよ
うとキャンドルを用意するのもE1へ。

アンジェロがシャーロックに服役期間を短くしてもらって感謝しているとジョンに説明する時 シャーロックに
ひっつき過ぎだし、シャーロックもあまり嫌そうにしていない(笑)

(アンジェロが犯した罪はE0では”Car-jacking"「カージャック」、E1では”Home-breaking”「押し込み強盗」
に変わっています)
シャーロックは窓に背を向けながら鏡を利用して通りを見張っている。


ここレストランでの会話はE1と殆ど同じなんですけど 結構好きなんで(?)ひつこく残してみます。


シャーロックはメニューを脇に置きながら、
SH : 君は食べた方がいい。 長く待つことになるかもしれない。
JW : うん、君は食べないの?
SH : 今日は何曜日だ?
JW : 水曜日。
SH : もう少し大丈夫だ。
(※ これは、正典中でホームズが事件捜査に没頭すると何日も食事をしない事がある という点を踏襲している
んでしょうね)
JW : 今日は食べてないのかい?何てことだ。食べなきゃダメだよ。
SH : いや、君は食べなきゃいけない。 僕は考えなくてはいけない。頭脳こそが肝心だ。他は全て生命活動だ。
(ここで戻って来たアンジェロが持って来た赤いキャンドルをテーブルに置き火を灯します)
JW : 君も燃料の補給を考えないと。
SH : ぼんやりと)う~ん。
JW : で、君には時々飯を食べさせてくれる彼女がいるのかい?
SH : それが彼女の役目なのか? 飯を食わせる事が?
JW : じゃあ、ガールフレンドはいないのか?
SH : (鏡越しに外を見ながら)そういうのは僕の守備範囲では無い。
JW : ふ~ん。
(少し間を置いて、ジョンはシャーロックの発言の外の可能性に気付き)
JW : ああ、そうか。彼氏がいるのか?
(シャーロックは訳分からんの顔で)
JW : それでもいいんじゃない。
SH : それくらい分かってるよ。
JW : じゃ、君には彼氏がいるって事かな?
SH : いない。
JW : そうか。 分った。君には誰もいないって事だね。僕と同じで。 良かった。
(ジョンの言葉を聞きちょっと考え込んだ様な表情のシャーロック)
SH : ジョン、知っておいてほしいんだけど 僕は仕事と結婚している様なもので・・・だから、君の好意は嬉し
いけど 僕はどんな種類の関係も・・・
JW : (ちょと慌てた様なようすで)いや、そういう訳じゃ・・・追及した訳じゃないんだ。 Mistyさんから
ご指摘頂いて改めて確認しましたら、”I wasn't asking you out・・・”で「誘っている訳じゃないんだ」が適当ですね。
”out”を見逃していました。スミマセン、そしてMistyさん有難うございました)
僕が言いたいのは大いに結構って事で。 何であれ・・・心をそそられる…相手なら。 (ジョン相応しい言葉を
探しながら・・・)もう黙った方がいいね。
SH : それが良さそうだな。

(メニューを見ながら一瞬黙ったものの ジョンは又続けて)
JW : それって・・・・君は・・・・何も・・・・しないの。←(??)(笑)
(シャーロック、ジョンに言って聞かせる様に)
SH : 他は全て生命活動だ。
(シャーロックに関して根掘り葉掘り聞き出そうとするジョンに対して 全くすれ違うシャーロックとの会話
が面白くて好きなんです。殆どこのままE1に使われていますが、E1でシャーロックはよりクールな感じになって
いるので2人の何となくかみ合わない会話がよりはっきり出ています)

ジョンは一人食事を続ける中 シャーロックは鏡越しに窓の外をみつめている。

 この辺りからE1で大幅に変更されていますので、E0の時だけの設定になります)


ジョンが犯人についてシャーロックに尋ねると、「被害者である5人は全く異なる人間であり見知らぬ車に
連れ去られている。 遺体には強制されたリ暴力を振るわれた後は無かった」というシャーロック。
そして、ローリンストーン・ガーデン(ピンクの被害者が見つかった場所)に関しての説明が、「そして
もう一つ。 気付いたか? カーテンが引かれ お婆さんたちが・・・お婆さんたちだ、僕のお気に入り
だ。監視カメラよりましだ。 でも、警察によれば 彼女たちは誰も空き家の外に止まっている不審な車
を見ていない。一人も覚えていないんだ」と云うシャーロックに、分った様な分からない様なジョン。
つまり、「幽霊の様な車だ。 誰も見ていないし、誰の記憶にも残らない。僕たちが常に信用する人物。
一人の時、道に迷った時、酒に酔った時、僕たちは顔も見ないし、だが日々その車に乗って そして罠
にかかるんだ」と言いながらシャーロックが外を見ると通りの向こうに黒いキャブが止まるのに気付く。

するとシャーロックはアンジェロに白ワインをグラスで持って来るように頼みながら、「ロンドンキャブだ」
と言うと、ジョンは「この道には一晩中タクシーが行き交っているだろう」。
「だが、あの車は止まった」と云うシャーロックに、「客を待っているんだろう」というジョンですが、
タクシーは歩み寄り話しかけた女性客を断っている様子。
それを見たシャーロックはニヤリ。
「違うんじゃないか」、「違わないかも知れない」と言い合うジョンとシャーロック。
そこへ、アンジェロが白ワインのグラスを持って来ると いきなりシャーロックは自分の顔に引っかける。

ジョンに、「見てろよ。邪魔するなよ」と言いながら、アンジェロに”Angelo, headless nun.“「首なし
修道女」と言うと、アンジェロが「ああ、事件の為だったんだね。又何時もの様に?」(”何時もの様に”
って事は同じ様なケースが以前もあったって事で2人の合言葉だったって事)。
シャーロックは、”If you wouldn’t mind.”「差し支えなければ」(と丁寧に)

任せとけのアンジェロは、シャーロックの襟首を掴み椅子から引きずり上げ「私の店から出ていけ。
”Cretino”『この野郎!』 酔っ払いめ!さっさと失せろ」 と言うとシャーロックは酔った振りをして
ヨロヨロと店の外に出てタクシーに近づく。 
その姿を見て、訳が分からないジョンは、「彼は何やってんだ?」にアンジェロが「事件の捜査中だ。
悪いヤツらにとっては悪いニュースだ」。

窓からシャーロックの様子を見るジョンとアンジェロ


 ところで、この”Headless Nun”「首なし修道女」という言葉は、S3E2の”The Sign of Three"
「三の兆候」でも使われています。
ジョンの結婚式でアーチー君の推理のご褒美として、シャーロックが言っているセリフ:
”Get this right and there's a headless nun in it for you ”「これが分かったら(アーチー君が欲し
がっていた)『首なし修道女』をあげよう。 ← モファティスはこの言葉が気に入っていたのか?
そして、この”Headless Nun”というのは、カナダのフレンチ・フォート・コーブと云う土地に伝わる
幽霊話が元になっている様です)




・・・・・to be continued です。




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